虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
4.13
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本棚登録 : 11563
レビュー : 1550
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150309848

感想・レビュー・書評

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  • SFはあまり読まないのだが、夭折の天才作家伊藤計劃の代表作である本作は、SF好きじゃなくてもぜひ読むべき一冊。
    ちょうど東日本大震災にともなう原発問題が今よりも逼迫した問題として世間を賑わせていた頃、いわゆる「東大話法」との関係で本書のキーとなる“人々を虐殺に駆り立てる言語”を取り上げた安冨歩の『原発危機と「東大話法」』を読み、私は伊藤計劃を知った。

    そんな風にSFを読もうとした本書を手にとった私でも圧倒されるのはその文体と情景を描写する力の強さ。フィクションなのに、こんな未来があるかもしれないと読者に思わせるだけのリアリティあふれる世界観。
    文量は多いが、思ったよりもするする読める。ぜひ伊藤計劃の世界を見に来てほしい。

  • 高度に情報化され、大都市では「認証」されずには何もできない世界。アメリカの暗殺部隊に所属する主人公が、母親を「殺した」ことに悩みつつも仕事として命令された対象を殺し続ける。
    こ……これ、処女作ってすごいな……文庫化までに変更されている部分があるかもしれないけど、すっごく「読ませる」。ラストは、確かに今までよりは流れた感があって、ちょっと違うなーと思いましたが、「ぼく」という一人称から受ける未熟な部分と、「調整」を受けて残虐非道に殺しまわる姿、そして死人が夢に現れること。バランスがとれないけれど、不安定な感じではなく、目の前におきるできごとを淡々と見つめているような感じが、特別でした。前に「ハーモニー」は挫折していたんだけれど、もう一回読んでみよう。

  • "この人伊藤計劃さんの本は初めて読んだ。これからも読み続けたいと思ったが、あとがきを読むともう若くして病死してしまっていることを知った。残念でならない。
    いろんなガジェットも出てきて楽しめる作品。テーマが重く、描写も写実的で、最後までぐいぐい引き込まれた。"

  • 面白い。
    好きな人には堪らない。ダメな人は受け付けない、両極端な作品。女性は恐らく多数はダメ。
    設定が良い。物知り。かっこよい。
    殺人、死、究極の人間の心理状況の描写が鋭い。

  • 面白すぎた

  • 虐殺の文法という概念自体が魅力的。

    テロやトレーサビリティといった現代的なテーマや,光学迷彩,人口筋肉,ナノマシンといった近未来的なテーマもあるが,やはりこの概念で勝ちなのかなと。

    映画版との一番の違いは、ラストかな。
    本より先に映画を観たのだけど、失敗だったかも。

  • 凄く難解だけど、凄くCOOLで面白かった。世界各地で内線が勃発する世紀末的で凄惨な世界観ながら、全編主人公【ぼく】のモノローグで語られる物語は恐ろしいほど静謐で(エピローグで俯瞰的視点の意味が分かるのだけど)i分遺隊の面々と同様に感情をマスキングした感覚で読了出来た気がする。感情を抑制し軍人として大義の殺人に身を投じる主人公と【虐殺文法】を用い各地域で内戦を引き起こす黒幕ジョン・ポールはまるで合わせ鏡。意思を奪還した主人公が【罪】を背負うラストは黒沢清監督『CURE』を思い起こさせる【継承】の物語だった。

  • 日本語が不自由すぎて恐縮なのですが、
    控えめに言って最高、というやつでした。
    もう、なんか、うまく言えない。
    とりあえず、一度読んだ方がいい。みんな読んで。という印象。

  • 引き込まれるけれど
    全体の印象はそんなに面白くはなくて、

    身体の感覚を持たなくなる兵士の感情と
    自分達がテレビ越しに見る戦争への感覚
    小説を読んで痛みを想像する感覚
    など考えさせるあたりが良かった。

  • うーん…。ゼロ年代SFは、 生きることに対する愛とか熱意をこそげ落としても なお有る気力、が面白いんだろうけれど、 その分悲哀も削られているようで物足りない気がした。 他の方の感想を見ると絶賛の嵐なので、 私の読み取りが足りないんだろうなあ、 とは思いましたですよ。 『ハーモニー』に入るかどうかはまだ思案中。

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著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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