微睡みのセフィロト (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
制作 : 獅子猿 
  • 早川書房
3.57
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本棚登録 : 588
レビュー : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150309909

感想・レビュー・書評

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  • 冲方丁の著作を初めて読んだ.もっと早くに読めばよかったと思えるほど,面白かった.
    頭のなかで情景を映像化しなから読んでいたけど,どうもパッドはバトーの声で再生される.ラファエルは分からない.

    最後の方の,思考ロックを解除されたパッドがラファエルを連れ出すシーンはカッコ良かった.
    最終局面の時間操作について,跳躍は「1秒を長くする」という奇妙な表現で理解出来るんだけど,沈むというのは「1秒を短くする」というのでいいのかな?
    1秒が一瞬で終わってしまうから,自分の身に何が起こったかが全くわからない,みたいな.
    そもそもこの解釈もあってるのだろうか.

    中編小説だけあって,とんとんと物語は進む.
    読みやすいとも言える.まどろっこしい描写も無く,シンプルなのだ.重厚な世界観ではあるけれど,さほど難しい表現も無い.
    他の本も是非読んでみたくなった.

  • ―――従来の人類である感覚者(サード)と超次元能力を持つ感応者(フォース)が共存している世界。
    世界政府準備委員会の要人が、300億個の微細な立方体へと超次元的に“混断”される事件が起こる。
    先の戦乱で妻子を失った世界連邦保安機構の捜査官パットは、感応者の少女ラファエルとともに捜査を開始するが……
    著者の原点たる傑作SFハードボイルド


    本屋大賞をとった『天地明察』の作者によるSF
    普通の人間と「超人」としての感応者の軋轢を背景に
    超能力バトルが繰り広げられる

    200ページぐらいの比較的短い作品やけどきれいにまとまって読める
    ヘミングウェイかわいいよヘミングウェイ笑”

  • この世界観はかなり好きかもしれない。SF。どちらかというと超能力方面が強め。AfterJudgement。もうこの辺からターミーネターとかダークエンジェルとか。近未来のニオイがしていて悪くない。サードにフォースにヴァティシニアンにマークエルフ。シュレッディング、エモーション。煙巻き大作戦のようなシャレオツ(風)な横文字に酔う。ラノベになりすぎなく、かといって重厚なSFでもなく。映像的で文学的。バランス感覚は好ましい。久しぶりに楽しく読んだ一冊。

  • 人類である感覚者(サード)と超次元能力を持つ感応者(フォース)の戦乱後の世界で、SF作品であっても世界観が分かりやすく読みやすい作品で、すぐに話に引き込まれました。

    プロローグの少女・ラファエルはとても素敵で不思議な少女という印象を受け、話を読み進めるうちに意志の強さもありラファエルが好きになりました。
    主人公・パットはとても家族思いで、確実に仕事をこなしていきます。パットには過去の事情がありながらも、感応者・ラファエルとともに要人を混断(シュレッディング)した感応者を捜査することになります。

    戦乱の際には人類を滅ぼしかねない程の感応力を持っていた「女王」。
    その女王の娘とまで言われるラファエルの感応力は圧倒的な強さで、女王と同じような超胞体兵器を扱いパットを驚異に凍りつかせます。

    パットはラファエルや今回の事件の犯人である感応者との会話で、戦乱中の女王のことについて考えます。そしてパット自身も感応者であるという事実などによって、思考のロックが外れた今でもパット自身の考えをし行動をします。

    どの登場人物も個性に溢れ印象に残っています。
    その中でも霞むことなく、パットやラファエルは素敵な主人公達でした。

  • 若干の加筆修正が為されているということで、徳間デュアル版を既に読んでいるが読み直した。

  • 10.05.15読了。
    初期作品の復刻版だからか、マルドゥック・スクランブルや蒼穹のファフナーに通じる所が多いなーと思っていたら、あとがきで本人も認めていらっしゃいました(笑)

    マルドゥック・スクランブルが好きな人には楽しめると思う。同じ様なテイストなので。自分はこの感じ好きだな。

著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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