マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.98
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本棚登録 : 1703
レビュー : 171
  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310141

作品紹介・あらすじ

なぜ私なの?-賭博師シェルの奸計により少女娼婦バロットは爆炎にのまれた。瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にして万能兵器のネズミ、ウフコックだった。法的に禁止された科学技術の使用が許可されるスクランブル‐09。この緊急法令で蘇ったバロットはシェルの犯罪を追うが、そこに敵の担当官ボイルドが立ち塞がる。それはかつてウフコックを濫用し、殺戮の限りを尽くした男だった。代表作の完全改稿版、始動。

感想・レビュー・書評

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  • 漫画ミュージアムでたまたま開催されていた寺田克也原画展。マルドゥックシリーズの表紙は寺田氏が手がけている。

    少女娼婦のルーン・バロットはほぼ全ての指にブルーダイヤの指輪をはめたシェルという男の専属になった。

    ある時、シェルはバロットを車内に閉じ込めたまま爆発事故に見せかけて彼女を殺そうとする。…なんで私なの?問いながら意識を失うバロット…

    だがドクター・イースターとウフコックな彼女の意思を汲み取り、ぼろぼろになった破片から彼女を再生した。シェルという男の秘密を追うため。また今度こそ彼女を守るために。

    売買される少女たち、近親相姦、尊属殺人、少女の灰から造られたブルーダイヤ。被害者の乳房や指、眼球などに異常に執着するミディアムやミンチら畜産業者たち。なるほど、この世界観に寺田氏の作品はマッチしているなぁ…

    あまりにバロットの境遇がひどくて落ち込むけど、ウフコックが素敵でぐいぐい読んでしまいました。なんて男前な変幻自在な金色のネズミちゃん。

  • 本屋大賞受賞で一気に知名度が上がり、ファフナー&マルドゥックの映画公開決定で今最も脂が乗ってる作家・冲方 丁。
    本書は数年前に発刊されたマルドゥック・スクランブルに大幅改稿をくわえた新装版。どんなもんだろーと最初の方だけぱらぱらめくり即購入決定、冒頭部分から文章に手が加えられてます。
    読点の不自然な多さが改善され大分読みやすくなった印象。
    氏も絶賛する漫画版に触発されたエピソードも盛り込まれお得な内容に。
    他にもバロットの心情部分が付け足されて、等身大の少女としての輪郭がより濃くなった(心身障害者駐車ペースでの行動など)
    バロットの兄関連でヴェロシティとのリンクもあり、マルドゥックシリーズを愛読してきた読者は「なるほど、こう来るか!」と唸るはず。
    世界観がよりわかりやすくなったぶん、バロット初診時におけるマルドック09の説明など説明臭くなってしまった箇所があるのがやや残念ですが、畜産業者のトラウマが掘り下げられているのは嬉しい。
    彼らが各々のパーツに執着するようになった背景が解剖され、よりその不気味な存在感と猟奇性が際立ちます。

  •  賭博士・シェルの手により殺されかけたバロットはシェルの犯罪を調べていたドクター・イースターと人の知能を持った万能兵器のネズミ・ウフコックの手によって救われる。
     そしてバロットは二人と共にシェルの犯罪を暴くため奔走するのだが……。

     バロットは家庭環境から娼婦に身を堕とし過酷な人生を歩んできた少女です。彼女の家庭環境の一端は小説内の裁判シーンでも触れられますが、それだけに彼女がウフコックやイースターといった信頼できる大人たち(ウフコックは大人とは違いますが)に出会えたことが、そして彼らを信頼しようとしている姿がとてもいいな、と思いました。

     終盤の戦闘場面の迫力もかなりのものです。バロットはシェルの手により瀕死の重傷を負いますが、マルドゥックスクランブル09という緊急法令により、禁止された科学技術を全身に施されることで生き延びます。その際バロットは特殊な力を手に入れ、兵器でもあるウフッコクの力も相成り自身の力に溺れます。その描写も凄まじいものがあります。

     そしてバロットたちを付け狙うボイルドという強大な敵の存在や、禁じられた科学技術によって生まれたが故のウフコックたちの存在意義の話など読みどころは多いです。文庫で全三巻の作品ですが、あっという間に読み終えてしまいそうな気がします。

    第24回日本SF大賞

  • 攻殻機動隊脚本の人、という世間とは逆の?知り方をした作家さん。

    瀕死の重症を負った後、圧倒的な力を手にした不安定な美少女が主人公のSF。
    ちょっとひどい言い方ですが、それ以上でもそれ以下でもないです。

  •  未来? だと思われる世界。
     少女娼婦のバロットはシェルという男の情人になったが、ある日シェルによって殺されそうになる。
     ギリギリのところでドクターとウフコックに助けられるが彼女の体はボロボロ。しかしドクターの技術で姿形も普通に蘇る。
     彼女はその折り特殊な能力(電子機器の制御を乗っ取り思いのままにする)をもった。

     シェルは悪徳企業のマネーロンダリングの担当者で、沢山の女性を殺していた。ドクターとウフコックはその全貌を明らかにし、追いつめるため、バロットを助けて裁判に挑もうとするが、相手側からの執拗な攻撃を受けることになる。。。


     まだ話の途中のようです。
     主人公が娼婦だと言うこともあり、性的な描写があるので、好きではない方もいるかもとは思いますが、かなり面白いです。グイグイ読めてしまいます。

     彼女は生きるためにウフコックを相棒に銃器を操り、敵と戦っていくのですがこれが迫力満点!
     ハリウッドで映画化されそうなくらいです(^_^;) 
     あまり戦闘シーンが長いのは好みではないのですが、この本はよかったです。ちょっと敵があっけない? 感じもしたけれど。

     とにかく続きを追って読んでみたいと思います。天地明察も積ん読になってるしwww(^^;
     早く進めなきゃ

     星は4つでつけましたが、厳密には★3.5 と言うところでしょうか。
     話がどうなっていくのか解らないので、ここで★を決めるのもどうかとは思いましたが、とりあえず。

  • 面白い! ハラハラする。いかにもSFな感じ。
    攻殻機動隊に似てるかな。アニメも見たくなっちゃう。

  • 漫画版の一巻だけ読んでいたから、割とすんなりと入り込めたけれど、そうじゃなかったら、印象が違うかもしれない。
    アースより成熟した印象は「完全版」であることも少なからず影響していると推定。それをさっぴいても、青臭さはなりを潜めた。かな。完全にいなくなったわけではないが。

    小説なのに映像的。派手なアクション。スピーディーな展開。エンターテインメイト性が高く、えぐるところもあり。モチーフがワンパターン。そんなあたりが、そこはかとなく、リュック・ベッソン臭い。(嫌いではないが)

  • 『天地明察』で好きになった作家さんだけれど、こちらの作品の方が活き活きしていた気がする。
    映像化とか、すごく大変なのだろうけれど映えるだろうな、と思っていたら、すでに作られていた&もうじき最終話が公開とのことで。

    主人公・バロットが少しずつ血を通わせていく様子が鮮やかだった。強い子。
    そして金色のネズミ・ウフコックのイケメンさには、ほとんどケチのつけようがない。
    カジノでの対戦相手のカッコよさにもほれぼれした。
    こんなに「ステキ!」「カッコいい!」なんて盛り上がれるような作品ではないはずなのだけれど。

    バロットの感じる海とか、その感覚は「天地明察」の境地なのかもな、なども思ったり。

    冲方丁のすごさを思い知った作品。
    もうじき発売の文庫『マルドゥック・ヴェロシティ』も楽しみだし、その後は『マルドゥック・フラグメンツ』ももちろん読むし、
    『マルドゥック・アノニマス』にも、とても期待している。
    マルドゥックの世界に、もうしばらく浸りたい。

    素晴らしい作品だった。

  • 完全版1冊目。
    大幅改稿とは言え、こんなに全然違うものになってるとは思ってなかった。
    通常版とは違う風に楽しめるように変わっていて、買って良かった。
    前のを持ってるからと言って買わないかもしれなかったのは大変危険だった。
    通常版よりも、みんなが人間だっていうことが強く感じられる気がしたし、読んでて辛くなる部分でもあった。
    早く3冊読み終わりたい。

  • リライト前に比べてちょっと緊迫感が減ったかも?でも読みやすくなった感じもする.本番は次巻

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プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)。1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。

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