マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 1857
レビュー : 178
  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310141

感想・レビュー・書評

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  • 後半の構成に荒削りなところがあるが,人物を丁寧に描写していき,それにより行間を表現する方法は,今に通ずる.

  • 前半が情報の洪水でやや理解が追いつかなかったが、バンダースナッチ戦の臨場感が克明に感じられた。次作も読もう。

  • 未成年娼婦の主人公バロットが、自分を「殺し損ねた」男に、マルドゥック・スクランブル09で得た技能を駆使し、復讐をしようとする話。
    登場人物の名前がいいなぁ。横文字のSFってただでさえ用語を押さえないといけない上に人物名まで覚えづらいと全然乗れないから。キャラに関連した名前をつけてあると覚えやすいね。
    SFといってもどちらかと言えば能力バトルものに近い。ガジェットも想像力の限界は越えない感じ。
    キャラクターの書きかたが上手くて読ませるなぁ。敵役のおぞましさとか、主人公の心情とか。バトルも俺tueeeeee!からの絶望の落差で次が気になる。ボイルドの絶望感はやや唐突な感もあるけども。
    気になるけど、すぐに読みたい!てほどではないような感じもする。単純に好みの問題だけどね。もう少し世界観が掘られていた方が好みなんだ。危なっかしいけど守ってあげたくなるような、超強い少女主人公の行く末は気になるけどね。

  • 少女娼婦バロットは賭博師シェルに計られ爆炎にのまれた。瀕死の彼女は緊急法令スクランブル09により蘇り、シェルの犯罪を追う。

    心を殺し、望むことを諦め、男たちに支配され、死さえ従順に受け入れかけていたバロット。彼女が蘇り、手に入れた力を操作する時に感じた征服感と高揚感の描き方が良かった。力を手に入れた人間は間違いなく彼女のようになるから。

    まだ1冊目だけど、最後まで彼女が戦うだけの話なのか、今後彼女の内面の変化を描くのか、気になるところ。

    必要以上にグロテスクな部分もあるけど、沖方丁のリズム感あふれる文体は好きだと思った。


    *以下引用*

    *愛の定義は与えることだ。それにはルールがある。与えられる者が守るべきルールが。それさえ守れるなら、君は愛され続ける (p18)

    *(生きていていいの?)誰もイエスと言ってはくれない気がした。それこそ無条件に愛された経験がない人間が抱える欠落だと泡がささやいた。その欠落に従ってこの世から消え去るか、一生涯イエスという答えを探すために生きるのか。 (p49)

    *心の殻を、割れずにいるだけだ。あまりに自分を傷つけるものが多すぎて (p70)

    *信じられることが何よりの支えだった。裏切られないという確信。それが世界に満ちてさえいれば麻薬も銃も必要ないのだと、何年も前に兄に言われたことを思い出した。 (p117)

    *私の知ってる女の子たちみんな、それが手に入らずにクスリや男でぐちゃぐちゃになって生きてる。そんな目に合ってまで生きてる言い訳がほしいだけなのに。(中略)私を愛して、ウフコック。 (p144)

    *この全ては自分が起こしているのだという快感が込み上げた。それは圧倒的な支配力だった。物事を思い通りに動かし、感情を持つ人間さえもいいように操作する力。(中略)男のひとたち、みんな、いつもこんな感じだったんだ。これか、と思った。自分を支配する男たちが味わっていたものはこれだったのだ。この胸の焼けるような甘い思い。これをどうして自分も味わってはいけないのか。 (p263-p264)

  • めっちゃ面白かった。少女娼婦の精神描写と、SFバトルが融合している。読みやすく、なおかつイメージを想起させる巧みな筆致。文章を書くのもストーリー考えるのもキャラメイキングもうまい。主人公のファッションが個人的に私と合う趣味なのもよかった。ウフコックかわいい。

  • やっぱり私はSFダメだわ
    世界観に染まれない
    途中でギブでした

  • 「何が幸福で何が不幸せなのか」。自分で全く考えるということをしてこなかった少女娼婦(そのような環境だった)が自分で生きたいと願った事により立場や環境がまるで変わり考えなければならなくなった話。
    副題?の圧縮には次巻への助走というイメージがよくあっている。

    この話は圧倒的に彼女の成長がキモであるが、これからの話しを想像するとウフコックのはたまた、機械工学、システムの成長が書かれるような気がしてならない。
    彼女という雛がすでにある常識に縛られた大人達のハリボテをどのように見抜き、その力を持ってして破壊するか。
    1巻は彼女の判断力や善悪を見定める力を養い、考え方を示す巻だった。


    文章自体にも少し引っかかった。
    まず冲方さんはこういう書き方の文章を書くんだ〜って思った。天地明察をすこし読んだくらいなので。
    結構この本はラノベみたいな読み口を感じた。文も、キャラクターもそんな感じ。
    文章は結構無駄がなく、ある種無感動に進んでいくイメージ。語りてや世界観の支配がそこによく現されているようでSFらしさ(古典の海外SFを読んでるみたいな)がある気がした。

  • 最後まで読んでない。
    SFというカテゴリで見つけたけど先まで読んでみようという興味がわかなかったかな。
    続編もあるけどこのシリーズはこれで終わり。

  • この方は文章が堅くよみづらい印象です。内容はハードボイルド&バイオレンスな感じで、韻を踏んだ文章がでてきてラノベっぽいです。美少女とか出てきて世界観を楽しむ感じかな?うわさ(?)の3巻のカジノシーンが気になったので読みましたが、個人的にそんなに好みな作家さんではないです。でもまあまあ面白かったです。

  • 攻殻機動隊の脚本を書いてたのをきっかけにこの本に辿り着きました。

    続きが気になってさくさく読み進められる作品
    途中でさすがにそれは…となるグロい表現もあるのが悩み

    でも、面白い内容

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著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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