ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 6884
レビュー : 942
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310196

感想・レビュー・書評

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  • 映画を観て。
    ラストのセリフで、あ~、あのCMのヤツか、と。
    あのCMを観て、内容を正しく想像出来た人はいるのだろうか。。???

    エヴァの「人類補完計画」
    戦う司書の「人間が死ぬと、その魂は『本』になる」世界観
    サイコパス。。
    と色々関連付けて思い出しだが、
    本で読むと情報量アップでまた違った印象に。
    キリスト教の暁の子ルシフェルの強制や
    『シッタカブッタ』の幸福と不幸を思い出したり。。

    管理され尽くした世界は楽だけれど、成長も無くなりそうだ。。
    近未来的だけれどすいすい読める文体。

    ミァハという少女がとにかくキーで、
    でっかい出来事の発端は一人の人間だったりするのだよなぁ、と改めて。
    本好きな少女なので、いくつか引用したりして、物事の考え方をそうとるか、と面白く感じたりも。


    作者お亡くなりになっているそうで、新たな作品が読めないのが残念。。。
    決して押しつけがましい感じでなく、作者の捉え方、思想を感じられるのでもっと色々読んでみたかった。

  • 2017/2/27

  • 「優しさ」と「思いやり」に満ちた病気が駆逐された世界で、とてつもないユートピアに見せかけたディストピアな世界のSFだった。映画観た人も観てない人もぜひ。私はこの世界では生きたくない。

  • 再読。
    虐殺器官より好きかも。
    意識のない世界って、そんな怖いものない。
    そんなユートピアは要らない。
    最後、私はやっぱりバッドエンドだと思う。

  • 伊藤計劃氏のオリジナル長編第2弾にして遺作となった作品。

    精巧で緻密に練り上げられた世界に驚かされる。「大災禍」後を退廃した世界ではなく徹底管理された幸福な世界として描き、そこに訪れる綻びから物語を発想させる才能は素晴らしい。

    ひょっとすると人類が望むユートピア的世界を、トァンとミァハというオブジェクトを通してディストピアらしくみせ、人類の選択と結論を迫るまでの流れは読み応えがある。

    全てが一体化した社会、意思が自動化される社会。いまのSNSやAIの発展の先にある世界のようにも思える。「ハーモニー」は幸せか否か、小説を読むと何かそら寒い世界のようにも感じるが、単純に結論付けるには難しい深いテーマを扱っている。

  • 各人の身体に埋め込まれたソフトウェアによって、病気の発生も、自由な行動や感情も管理、抑制された世界...
    そんな世界に反逆して自殺を図った3人の女子高生の13年後の再会を軸に物語は進みます。
    内容は少し難しいですが、読み応えのある一冊です。
    ぜひ読んでみて下さい。

    (読書月間2016でも紹介あり)
    誰も病まない優しすぎる世界。
    その世界を憎悪する3人の少女。
    同時刻に起きた6582人もの自殺。
    長編SF作品。
    (図書館 N)

  • まさにSFという感じ。
    面白かった。

    文中の"tag"。
    最初のうちは邪魔に感じたが、
    途中からはそれほど気にならずになり、
    最後に「なるほど!」と。。。

    「虐殺器官」を読んだ時も感じたが、
    著者の進化論に対する考え方が近く、
    それをベースとした世界観はしっくりくる。
    IoT、AI、AR・・・
    それなりにリアルなんだよなぁ・・・

  • ・伊藤計劃のハーモニー、屍者の帝国、そして虐殺器官について考えていた。世界に残された三つの計画は、それぞれ個別でありながら深く絡まり合い、人間の心と脳そして魂の幸福についてある一つの答えを導き出す。その答えは作者の手を離れ、読者である我々の心と脳、そして魂に深く結びつき、そこに一つの種を植える。

    彼は何度も問うた『言葉で人を殺せるか?』と。そして彼はこう答えた。『言葉でしか人を殺すことはできない』

    言葉がなければ人を殺すことは出来ない。この言葉の意味をあなたはわかるだろうか。言葉、つまり意思の記号化がされてない人間は、人を殺すことも、自分を殺すこともできない。言葉とは思考そのものなのだと彼は言った。言葉のないものを凶器にすることはできる。だけど、それは人間の言葉を上書きして動かしているだけにすぎない。思考のないものに、人を、自分や他人を認識することはできないのだ。

    ・もしも仮に、意識のない人間が居たとして、そのものが世界を壊すことができるか。言葉とは自分そのものだ。言葉とは自分の内側にあるものだ。意識は言葉そのものだ。つまり、人を殺すのは言葉なんだ。

    ・私はずっと人を殺せる言葉を探してきた。それは、呪いの言葉という意味じゃない。脳の脆弱性から意識に入り込んで、人をオセロみたいにひっくり返して見たいと思っていた。だって、どうして世界はいつまでたっても平和にならないのだろう。人はなぜ調和を望みながら、同調することを拒むのだろう。

    人はいつも退屈に殺されるのだ。と誰かがいった。多くの人間は平和であることを受け入れることができない。平和であることを望みながら組織に管理されることを拒み、他者と同一であることを拒み、そして結局戦争が始めてしまう。つまり同じ時間を並行した世界に生きることができないんだ。

    このままでは人は争うことから逃げることができない。意識が言葉が人を殺すんだ。意識の統一が出来れば、争いを避けることができる。人は人のままでは幸せになることはできないのだから。


    とまぁ、全てはフィクションだけれど。伊藤計劃が描きたかった未来はなんだったのかと私は考える。なにを彼は望んで居たのだろう。死者を生き返らせ、意識を統一させ、言葉で人を殺す。そんな世界になにを見たのか。

    簡単なハッピーエンドはない。この世界に完璧なハッピーエンドがないのと同じように。100パーセントの正しい答えを人類が得た時、その答えがどんなものなのか私は知りたいと思う。

  • この作家の場合、これだけ作家サイドの情報が溢れている中で、最早作品そのものだけを先入観なく純粋に評価するのは・・・大変困難なんですけど。

    冒頭から1/3くらいは、一から十まで懇切丁寧に噛んで含めるようなラノベ調の文体にうんざりしてたんですが、
    これが気にならなくなったら、一気でした。

    「意思を失くしてまで生きたくない」とさらっと思えるのは、自分が文字通り死闘していた伊藤計劃でないからでしょうか・・・
    「虐殺器官」の最終理論も壮絶でしたが、これもまた。
    作者の執念−生きることへの妄執を垣間見た、と思う。
    彼が持って逝ってしまったものの大きさを思う。
    私たちに残してほしかった。
    その時間が、もう少し欲しかった。

    あ、タグの閉じ忘れはないようでw

  • 「誰も病気で死ぬことが無い世界」というのは、どんな世界だろう。想像しがたいけれど、設定としては面白いなと思った。あと、この作品はこれを書かれた方の遺作らしいが、この物語を書こうと思ったとき、その時の自分の身の上に対する心情も込められているのかなと読みながら考えた。「虐殺器官」も近いうちに読みたいと思う。

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著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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