ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 6873
レビュー : 939
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310196

感想・レビュー・書評

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  • やっぱり、この人の描く世界は惹かれてしまう。

    そして、さらっと読んでしまったことに少し後悔。
    もっと時間をかけて、大事に大事に読むべきだったかも。

  • やさしさ世界への違和感。
    読んでいて苦しくて苦しくて苦しくて
    こんな本を書けたのはなぜなんだろうって
    こんな本を書いていたからあんなに早く
    死んでしまったんじゃないだろうか。

    すべてのひとを
    すべてのことを
    すべての痛みを
    あなたが気にかけなきゃいけないわけじゃないのに。
    プロジェクト・イトウは終わらない。

  • フィリップ・K・ディック賞を受賞したとのことで、読んでみようと思い、読み始めたが、面白くて一気に読了。相当練り上げられた世界観の中でのストーリ展開だ。その世界観は現代社会の延長線上として十分ありうる未来社会なので、説得力がある。賞に値する作品である。調和の取れた社会は、個人が社会に組み込まれ、全体としてあらゆるリスクがコントロールされたシステムとなってしまうんだね。不気味かも。

  • 単行本がなかなか入手できず(半分言い訳ですが)、この文庫化で手にすることができました。
    僕自身「虐殺器官」を読んでから約1年ぶり、伊藤計劃さんの世界に再開できた喜びで読み進めました。素直な感想は「面白こわく、切ない」(笑、なんじゃこの表現)、面白さっていう部分では前作よりも少しだけ落ちるかなぁ、という感じです。といっても前作が5星に対して、4.5星というだけで‥
    その原因は、解説でも言及されている「ロジックとエモーション」を著者の意図する書き方において、この作品のテーマを表現するには「エモーション(読者を引き止める・引き込む力?)」の部分がもう少し描かれていても、と思ってしまったからかも知れません(本音を言うと、読みたらなさみたいなものを憶えました)。
    そしてもうひとつは、作品に対する一方的な過度の期待、これが大きかったのかなと思います。僕は「虐殺器官」で初めて伊藤計劃さんの小説を読んだのですが、村上龍さんや伊坂 幸太郎さんを初めて体験したときと同じインパクトを受け、「なんじゃ、こりゃ~」と、ホント飛び上がってしまったので(笑)。
    作品内容は、書籍帯の通りですので割愛しますが、読みながらずっと頭を過ぎっていたのは「XML」。以前お世話になっていた会社の社長さんが「地球上のあらゆることはXMLで表現(表記)できる」とバズ的に話されていたのが思い出されました。
    本著作の表記もそれに習ったもの(もちろん作者はXMLとは言ってません)になっているということもあるのですが、「意識や意図」を必要とする「判断」が不必要な世界(つまりルールとルーティンが絶対的であり「判断」「自己による意思決定」の入り込む余地のない世界)であったとしたら、確かにそれはテキストでの表現・描写が可能であるし、ということはプログラミングもできるということになるし‥ などと妄想してしまいました。そんな世界があったとしたら、確かに「意思・意識」を持つということは、その社会の行動規範においては害悪と認識されるであろうし、その「意思・意識」は本人にとっては悪性腫瘍と同じく、病であり取り除くべきものと考えるのが「普通」となるのかも知れないですね。
    このあたりが、読後の「切なさ」を感じた要因なのかな?ストーリー的には、もう一人の主人公ミャハの最後の立ち位置というのもありますが、ここは人によって感想が違うところだと思います(笑)。
    結局、この本にあわせて「伊藤計劃記録」も購入してしまったので(笑)、これから読み始めます。やばいなぁ、深みにはまっていきそうだ。。。

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    ハヤカワ・オンライン紹介文より。
    〈ベストセラー『虐殺器官』の著者による“最後”のオリジナル作品〉これは、“人類”の最終局面に立ち会ったふたりの女性の物語――急逝した著者がユートピアの臨界点を活写した日本SF大賞受賞作

    著者情報・ウィキより。
    伊藤 計劃(いとう けいかく、1974年10月14日 - 2009年3月20日)は日本のSF作家である。2007年に作家デビューしてからわずか2年ほどでガンのため早逝したが、その作品はゼロ年代日本SFのベストに挙げられている。本名、伊藤聡。1974年、東京都生まれ。武蔵野美術大学美術学部映像科卒。大学時代は漫画研究会に所属した。ペンネームのローマ字表記は Project-Itoh 。
    2004年1月から「はてなダイアリー」にて映画・SF評論ブログを開始する。
    Webディレクターのかたわら執筆した『虐殺器官』が、2006年第7回小松左京賞最終候補となり、ハヤカワSFシリーズ Jコレクションより刊行され、作家デビュー。同作は『SFが読みたい! 2008年版』1位、月刊プレイボーイミステリー大賞1位、日本SF作家クラブ主催の第28回日本SF大賞候補となる。
    生前はゲームデザイナー小島秀夫の熱狂的なファンであった。学生時代にプレイしたスナッチャーから小島監督の作品にのめりこみ、「小島原理主義者」「MGSフリークス」を自称するほどであった。特にメタルギアソリッドの二次創作を中心に手がけており、後にゲームの公式ノベライズを担当した。
    全く同じ経緯でデビューした円城塔[3]と共に、期待の新人として脚光を浴びるも2009年3月、肺ガンのため死去。
    2009年12月6日、『ハーモニー <harmony/>』が第30回日本SF大賞を死後受賞した。「特別賞」枠を除き、故人が同賞を受賞するのは初めてである。
    2010年4月29日に発売されたメタルギアソリッド ピースウォーカーでは、エンディングに この「PEACE WALKER」を伊藤 計劃氏に捧ぐ というメッセージが記録されている。

  • 第30回日本SF大賞受賞。「ベストSF2009」第一位作品。前作の「虐殺器官」の未来の位置づけの作品である。医療分子の発達で、病気が無くなった社会。争いも無く、人類は一件平和な世界を送っていた。そこに真のハーモニーを求めようとする集団が現れた。SFというよりは、ある意味哲学的内容を持った作品である。ハーモニーの意味するもの。なるほどと思わせる作品であった。

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  • ユートピアな多分ディストピアの物語

    読書中からhtmlのような記述で装飾された文書は、おそらくは感情のない者向けへの記録文書なのだろうと予感させるものであり、その予感はおおむね合っていた。

    しかし、これが「人類の意識最後の日」とのエピローグには心底ぞっとさせられた。だって、この世界にはWatchMeをインストールされていない人類がまだ社会を形成できる程度には残されていたはず。WatchMeをインストールされていなければ意識が停止されることはないはず。

    つまり、この文書が管理されている世界ではこの日に意識が停止されてハーモニーを形成している人類のみが人類と定義されており、なお意識を持っている存在は「旧人類」として人類の枠からはずしてしまっているのだ。

    彼の世界において、ハーモニーと旧人類は共存できているのだろうか。かつてミァハが生きていた意識を持たない社会は、意識を持つ人々の社会と共存していた。だがおそらく、それは圧倒的な少数派であることと意識を持つ人々の意識を停止する手段がなかったことからの合理的な唯一の帰結(選択ではない)だったからではないだろか。

    もはや圧倒的多数であり、意識の停止を伝播させられる「人類」が旧人類にどう接するのか。あまり楽しくない光景が想像される。
    そんなところもユートピアなディストピア小説として実に素晴らしい。

  • 社会描写やそれを支えるテクノロジーは興味深いが、ストーリーにはあまりのめり込めなかった。

  • 虐殺器官を読んでしまったあとでは色あせて感じるが、面白い。ケアされすぎることに嫌気を感じる感性はよくわかる。そこから発展して頭脳に自殺テロを仕掛けるところまで行くのはぶっ飛んでいるけれども。メディケア用の人体に入れた電子機器をつかってひとの思考を操り自殺にしむけることもできるというのは将来的に本当にあり得そうで、空恐ろしい。

  • ・「生府」による健康管理システム
    ・生活の大部分を外注化。
    ・脳血液関門(Blood-brain barrier):血液と脳(そして脊髄を含む中枢神経系)の組織液との間の物質交換を制限する機構である。

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著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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