Boy’s Surface (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.30
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本棚登録 : 920
レビュー : 82
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310202

作品紹介・あらすじ

とある数学者の初恋を"9つの数字の2つ組"で描く表題作ほか、忽然と消息を絶った防衛戦の英雄と、言語生成アルゴリズムについての思索「Goldberg Invariant」、読者のなかに書き出し、読者から読み出す恋愛小説機関「Your Heads Only」、異なる時間軸の交点に存在する仮想世界で展開される超遠距離恋愛を活写する「Gernsback Intersection」の4篇を収めた数理的恋愛小説集。著者自身の書き下ろし"解説"を新規収録。

感想・レビュー・書評

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  • 読むメビウスの輪、かな。

    完全に揺さぶられました。著者の素敵な罠にはまっていることに気づくのに、意外と時間を要したかな。いや罠なんかじゃなくて、別の何かなのかもしれない。
    見たことのない立体図形。四次元図形が浮かぶ。
    言葉なのだが言葉ではない?これは文章なのか。いやそういう問いがナンセンスなのかな。普段の私のしている読み方では太刀打ちできない類の代物。

    そう言えば、「文学には新しさが必要」って友人が言っていました。“文学が、円城塔に追いついた。”と本書の帯に書かれていますね。

  • 2012 9/11解説にあたる5本目の短編(What is the Name of This Rose?)だけ読了。聖学院大学図書館で読んだ。
    ノベルスサイズ版は既読(既所持)。
    解説は書き下ろしが含まれているということで手にとった。
    本人による解説なのだが、解説しているはずなのにむしろその解説や読むべき参照文献が増えるというシロモノで実に円城塔っぽい。
    解説に参照文献て。

  • 小説でこんなに難しいと感じた本は
    今まで読んだことがない

    伊藤計劃好きなら気になる円城塔の短編集
    「難しいだろうな」と思っていた予想をはるかに上回る難解さでした
    全編通して「本」や「言葉」や「文章」について・・・
    なのかなとオモウ
    短編集なんだけど、全編に通じる何かがある・・・
    とオモウ
    数学と言語の絡み合いとでもいうのか
    とにかく算数の時代から苦手な自分には
    創作なのか本当にあるものなのかわからないことがたくさんあって
    休憩がてらググッてみたりして
    初めて「あ・・・創作なのか・・・」と気づいたり

    感想として述べたいことは山のようにあるけど
    「違うのも読んでみよう」と思えたし
    発想力とか視点をスゴイと思ったので
    星3つ

    本当に難しかった
    アタマいー人ならすらすら読めるのかも

  • もちろん癖はありますが、数学も物理学も難しいことはおそらく本当には必要ありません。“白紙地帯”を許せること、それをそのままに置き去りにし、そこに世界の拡がりを感じられること、それさえ出来れば円城先生の世界の出来方を充分に楽しめます。理論で遊んでいるようで、あらゆる理をバットで打ち返す、勢いのある凝ったジョークといった印象です。それも古式ゆかしいインテリが好むエスプリに、今日的な雑味をわざと混ぜたようで、なんとも変な味。それはそれで、好きです。

  • 右脳から沸いてくる独特な世界感を、左脳の言語中枢をフル回転にして読めって言われてるかのよう。
    理解を求めて「読む」より、言葉を広い集めてこの世界を「感じる」と、オモシロい!
    広げた風呂敷は、もう、たたまなくていいんじゃないかな。
    角砂糖かじって、脳に栄養補給がしたくなる。

  • 4つもしくは5つから成る短編集。あちこちにトリックがあるように見えてただのブラフだったり、ネタバレされても難しい伏線だったりと、情報量が多い。
    円城塔作品を読んでいると、創造された世界の傍観者として読み始めるのに、いつの間にか読者も作中に取り込まれてしまい、「本」の領域にすっかり包まれてしまったようになる。
    ゴタク文学としての面白さがまずあるが、この「傍観者を取り込もうとする作品世界」が妙に癖になる。

  • それぞれが数学的図形や定理に基づいてその哲学的原理の想像を飛躍させた先に恋愛小説として描かれている。一読した時は意味不明な定理の羅列に見え、また各章間の論理的つながりも全く不明に思えた。それに耐えて、最後まで読み切り、また解説も加えればある程度理解できた気がする。(といっても解説も一癖ある。)数学、情報科学、科学史、文学の引用が多いので、それらの基礎知識を有した上に、SF耐性が付いてる人であればすぐにこの面白さを完全に理解できるのだろう。

  • もっとも難解な円城塔、と思いつつも短編によっては実体験もスクラッチされて組み込まれていたりするのかなぁと。答え合わせっぽいものは巻末に。とにかく何も考えたくない時に読むと、自分としてはかなり面白い光景が脳内に広がるので時折読み返しています。文章の美しさは「道化師の蝶」が最高ですが、読者突き放し度はこの本がやっぱり最高かも?

  • リズムや響きが心地よくて、美しくて、でもさっぱり分からない。でもハマる。これは数式なのかな、詩なのかな、と。時々わかる言語がはさまってるかんじ。
    恋愛小説だったのか〜
    確かにボーイミーツガールしてる。
    また読もう…

  • Boy's Surface◆Goldberg Invariant◆Your Heads Only◆Gernsback Intersection◆What is the Name of This Rose?

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著者プロフィール

円城塔(えんじょう とう)
1972年、北海道生まれ。東北大学理学部卒。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。複数の大学で研究員を務める。34歳の時、研究を続けることが困難となり、2007年にSEとして一般企業に就職。2008年に退職、専業作家となる。
デビューのきっかけは、研究のさなかに書いていた「Self-Reference ENGINE」。各所で認められデビュー作となった。2007年『オブ・ザ・ベースボール』で第104回文學界新人賞、2010年「烏有此譚」で第32回野間文芸新人賞、2012年『道化師の蝶』で第146回芥川賞、同年『屍者の帝国』(伊藤計劃との共著)で第31回日本SF大賞特別賞、第44回星雲賞日本長編部門をそれぞれ受賞。他にも2012年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)、2017年「文字渦」で第43回川端康成文学賞をそれぞれ受賞している。
その他代表作に『これはペンです』『エピローグ』などがある。「新潮」2016年5月掲載号で川端康成文学賞を受賞した短編小説、『文字渦』が2018年7月に発売された。

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