クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅠ (ハヤカワ文庫 JA コ 5-1 クォンタムデビルサーガ)
- 早川書房 (2011年2月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150310226
作品紹介・あらすじ
神に乱る-荒廃の地ジャンクヤードでは、勝利者を楽園へ迎え入れると説く"カルマ教会"の支配の下、6つのトライブがいつ果てるとも知れぬ戦いを続けていた。しかし、そんなトライブのひとつ"エンブリオン"のサーフらが交戦中、謎の蕾と黒髪の少女セラに遭遇した刹那、世界の掟は根本から覆される。彼らは状況を探るべく交戦相手の本拠地を訪ねるが、そこで悪魔の力が発動し…神への漸近を描く本格SF大作開幕篇。
感想・レビュー・書評
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「変身ヒーロー大暴れもの」だったハズなのにどんどん話が膨らんで、ついには全能の存在や悟りの世界にまで突き抜けてく、超長編大河SF。
「自分が生きる世界が、実はさらに上の世界が作り出した実験室だった」という古典的なSFの発想を上手く利用しつつ、「AIデータが生命になれるかどうか」という命題が、切なさたっぷりで描かれています。
さながら未来版『妖怪人間ベム』。
1・2巻は箱庭世界内での変身バトルもの、3巻は箱庭世界が生まれた経緯と謎解き、4・5巻では箱庭世界から上位世界に具現化したAIデータたちと、実際の人間の軋轢と交流と大きな戦い…というのが大まかな流れ。
特に物語の発端が描かれる3巻は必読。ふたりの男とひとりの女の、愛と友情と裏切りと死と蘇りという「ハイパーインフレドリカム状態」だから、読みやすく感情移入しやすい。滅びゆく上位世界の倦怠感と焦燥感(さながら『北斗の拳』!)も、ジャンプ世代的にはしっくりハマります。この3巻1冊でもひとつの物語として成り立ってる。
全編を通じて「ふたりの男の友情」と、「そのふたりの男を基にした、AIデータ同士の友情」という、双子的な友情が描かれ、しかもそのふたつの友情が(姿形は一緒なのに)まったく違った関係性になっていくのも見どころ。
そして…人類が、悪魔や天使や地獄や神といった「明らかに上の存在」に進化することは可能なのか? という、紀元前から続く野望のひとつに対して、「AI世界で長時間に渡り、擬似的に上位存在になるための修行をする」ことで、肉体の限界を超えて精神を鍛え、“次のステージ”へ行ける可能性を提案しているのが非常に東洋SF!
ラストの読後感には、こちらまで擬似的な悟りを開いたかのような、清々しさがあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゲーム攻略した人がまず驚くのが喋る主人公!!かな。
まだ序盤だけどメリーベルが出て来る辺りから加速し始めるのが良い。 -
さらっと読めて面白かった。続きを読んでみたいとも思ったが繰り返し読むかと言われれば微妙。ただまだストーリーが動き出したところなので途中評価です。
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やっと出たアバタール・チューナーの小説版。
著者のあとがきによるとノベライズというよりは原案小説とのこと。
それにしてもなぜハヤカワから…?? -
21:ネットゲームの話なのかな、と漠然と思っていたけど、どうやら違うっぽい? ゲームの原案小説ということで、確かにゲーム的な要素がたくさんあるけど、そのぶん取っつきやすいかなと思います。ネットでの評判通り、すごく面白い! 図書館で借りたのだけど、続きは全巻買ったので、ぼちぼち読もうと思います。
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図書館で。
女神転生ってゲームは色々な世界観があるんだなぁと感心してます。サンスクリット語みたいな単語とか世界観とか中二設定だなあと思いましたがそれなりに面白かったです。今まで目的と手段しか知らなかったコマが感情を知った時にどのような方法を持って目標に到達するのか。
とりあえずまだまだ序章、という感じなので続きも借りて読もうと思います。 -
ゲームはやっていないがメガテン好きなので読んだ。五代ゆう作品の例に漏れずほどよく重厚な描写のあるファンタジー系SFで、シビアな世界観の空気がよく伝わってきた。
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5巻目に記載
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ゲームは知らないけれど表紙に惹かれて。確かにRPGっぽい感じ。