UN-GO 因果論 (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2012年2月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (100ページ) / ISBN・EAN: 9784150310592

作品紹介・あらすじ

近未来の東京。探偵の新十郎と因果が怪死事件に挑む。坂口安吾『安吾捕物帖』原案作。

みんなの感想まとめ

近未来の東京を舞台に、探偵の新十郎と少年因果が織りなすミステリーが描かれています。坂口安吾の作品群を基にしたこの物語は、戦後の日本が抱える閉塞感や世相を巧みに反映し、現実の問題に通じるテーマが盛り込ま...

感想・レビュー・書評

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  •  坂口安吾の作品群をベースにしたアニメ「UN-GO」の前日譚にあたる本作!ifの近未来に舞台を移していながらも巧みに世相を反映させているところが安吾捕物帖に通じるところがあっていいですね。
     善意の押し付けや手のひら返しになる世論などなど…現実に通じるところもあって面白かったです。安吾にとって戦争・戦後が思想に強い影響を与えたものであるからこそ、この作品でも戦争について触れていたのが良かったです。
     久しぶりにアニメ見たくなりました…アニメよりも描写やエピソードが濃くなってるので最高でした。

  • 「自衛軍」の海外派遣につづく戦いに敗れたパラレル・ワールドの日本を舞台にして起こった奇妙な事件の顛末をえがいた作品です。

    主人公である「探偵」の結城新十郎は、「因果」と呼ばれる少年とともに行動し、不思議な力によってひとが心の奥底にかくしていた秘密を聞き出す能力を駆使して、Ⅰ国の貨物船にダイヤ泥棒が逃げ込んだという事件を解決にみちびきます。

    その頃、東京地検特捜部検事の虎山泉(こやま・いずみ)は、多くの信者を獲得していた宗教団体「別天王会」にまつわる謎を追っていました。彼らは「ヤミヨセの獣」と呼ばれる巨大な生き物を呼び出し、信者の一部が死んでいたのですが、その獣を目撃したという人物は数多くいるのに、その正体を警察はつかむことができないでいました。泉は、巨大インターネット企業の会長を務める海勝麟六(かいしょう・りんろく)という人物に出会い、彼から「探偵」のことを教えられます。こうして、日本に帰国した「探偵」と彼女が出会い、別天王会の教祖である大野妙心にまつわる謎と、かつて「探偵」がK国で体験した事件とのつながりが明らかにされていきます。

    坂口安吾が戦後日本に見た閉塞感を、パラレル・ワールドの現代日本に再現した翻案小説として、おもしろく読みました。近代以降の日本におけるミステリと、現代におけるサブカルチャーを高いレヴェルで融合した、新伝奇小説の正統な流れを汲んだ作品としても位置づけることができるように思います。

  • これは良いシナリオ。 届いた当初はなかなかの厚さに飽きずに読み切れるか少し心配になりましたが、杞憂でした。最初から最後までおもしろかった! 起伏のない文体で綴られてはいるものの、過去と現在が結びつき、次々と明らかになる真実が気になる気になる。 盛り上がってるはずのところまで同様の文体で書かれているのが味気なくはありますが、これはこれであり、かな。 で、終盤の因果が感情をちらちら見せるところが意地らしくかわいかったです! 最後の心配そうにしながらの質問には、グッときました。

  • アニメの前日譚。
    まず、元ネタについてあまり詳しくないので、そういった方面のくすぐりのポイントについてはほとんどわかりませんでした。(^^;
    推理小説のフレーバーはあるものの、本格的かというとそうでもなかったかな。
    アニメが楽しめた人なら楽しめることと思います。

  • 67:やっと読めました。アニメのノベライズだと思っていたので(未見なので)買ったのですが、劇場版のノベライズだったんですね……。書いてあることはわかったんですが、アニメを見ていたらもっと楽しめたんじゃなかろうかと思います。残念。

  • TVアニメ『UN-GO』の前日譚。敗戦探偵・結城新十郎とその助手・因果に隠された過去、秘密、そして真実の物語。映画『因果論』は結局見に行けなかったため、「ノベライズが映画本編ソフトよりも先にリリース」という報を聞いて手に取ったわけだが、いやはや参った。面白すぎる。内容の奥深さ、世界観の構築、新十郎が抱える苦悩の巧みな書き込み。全てが渾然一体となった、強烈な知的興奮。読んでいる最中、まるで脳の錆びついた部分に上質な油を差されているかのような気持良さを感じていた。素晴らしい。新十郎はなぜ、真実を求め続けるのか。その答えはここにある。

  • あらゆるテロ・犯罪に関して、その真相を解明するのではなく
    大衆と、国家権力の都合のいいように「解釈」して発表する
    それを行うものが名探偵と呼ばれる時代なら
    旧来的な探偵は、あらかじめそれに敗北することを決定づけられた存在だ
    そんな「敗戦探偵」を主人公としたTVアニメシリーズ
    坂口安吾の小説を原案とするものだが、さらにその劇場版作品を
    再度ノベライズしたものである(ややこしい)
    TVシリーズの前日譚となるので、佐々風守は登場しない

    誰もが笑顔の世界を夢見つつ、誰かを蹴落とし続けなければならない
    そんな矛盾に耐えられなかった若き日の敗戦探偵は
    ひとり日本を逃げ出し、東アジアの奥地に巡回
    映画を上映する人となるのだ
    ちなみに時代は近未来、2020年代だ
    インターネットの時代にそんなことする馬鹿馬鹿しさを知りながら
    彼はまるで優しさの伝道師
    1980年代日本の、戦後民主主義の使徒として
    危険地帯をかけめぐるのだった
    そしてあるとき「戦場で歌う会」の女に出会う

    若者たちの、優しさと甘さを象徴するものとして
    武田鉄矢「少年期」が愛唱される

  • UN-GOエピソード0
    アニメが気に入って買ったのですが、それも終わり何となく部屋に積んでおいたらそのまま忘れていました。
    アニメの内容もあやふやになった頃に読み出し、最初の話に入り込むのが難しかったです。
    戦場で歌う会とか、別天王会の話ではなかったのかなと思った頃にやっとそんな話になりました。
    アニメを見て、何をそんなに執着してるんだい?って思っていたところが分かったので、またアニメの方最初から見たくなりました。

  • 坂口安吾の原案を下敷きにしたテレビアニメ『UN-GO』の劇場版をノベライズした作品。テレビシリーズ以前の新十郎と因果が出会った事件が描かれています。
    内容はほぼ劇場版と同じですが、この他にオリジナル短編「日本人街の殺人」(原案「南京虫殺人事件」)が添えられており、既に鑑賞済みの人でも楽しめます。
    また、本書は劇場版よりも細部に至るまで精巧に出来ているので、劇場版で理解し切れなかった部分を補完することも出来ます。推理小説としてはやや物足りないストーリーですが、原案を知っている人や『UN-GO』をより楽しみたい人なら読んで損はないと思います。

  • 「UN-GO」劇場版のノベライズ。劇場版は見ていないのでノベライズとしてどうかは判断できないが、アニメで不明だった部分がかなり説明されていてすっきりした。(探偵の過去や因果、別天王についてなど)
    アニメを見ていなくてもその前日譚なのでストーリーにはついていけるが、アニメを最初から見返したくなったし、この劇場版も見てみたい。

  • アニメ・劇場版は未視聴。
    近未来ながら古臭さを感じる不思議な雰囲気。

  • これの解説読んでて知ったんだが、小学生時代に好きだった「快刀乱麻」がコレと同じ原作のドラマだったらしい。

  • アニメもう一回見たいなあ、と。そして會川氏のすごさを実感。

  • まだ読み途中なのですが…

    安吾捕物帳を原案にしたアニメの脚本家自身によるエピソード0のノベライズ。
    アニメが好きだったので本屋で見かけて思わず購入。
    思ってた以上によかった。

    架空の戦後日本を舞台にした探偵もの
    急激な社会の変化に翻弄される人間の様が描かれているていて、そこが好き。近未来を舞台にしながらも現代封止的な側面を持つのも魅力(SFとはそういうものなのかもしれないが)

    また、ところどころに挿入される坂口安吾の言葉が鋭くかっこいいです。キャッチーな台詞があると印象に残りますね。
    「私にもできることがあるでしょうか。」
    「さあな。俺たちはただ生きて、堕ちるだけだ。」
    まあこれはアニメの方でのやりとりなのですが

    戦後文学者が書いた明治を舞台にした小説を近未来に翻案して現代を映し出す完骨堕胎の妙
    原作モノとはかくあってほしいと思う。

  • アニメ本編のエピソード0にあたる劇場版のノベライズ作品。
    アニメ本編を観た時に分からない点がいくつかあったため、劇場版アニメを後から観て満足していました。
    しかしノベライズ版まで読むと、各キャラクターの心理描写が細かくてより個々の登場人物を魅力的に感じられるようになりました。特に泉ちゃん。
    劇場版では因果の子どもバージョンについての説明はカットされていたので、こちらでしっかりと説明されていてすっきりしました。
    最後まで読みたくなる、いい作品だと思います。

  •  今作は敗戦探偵・結城新十郎と助手・因果の捕物帳であるTVアニメ『UN-GO』(フジテレビ系列“ノイタミナ”枠で2011年10月より放送・全十一話)の前日譚にあたる映画『UN-GO episode;0 因果論』のノベライズで、文豪・坂口安吾を原作とし、謎解きのポイントはちゃんとある骨太社会派ミステリに仕上がっています。
     今作でも新十郎と勝海燐六の推理バトル的要素は健在ですが、本編に繋がる話ですので、ちょっとこの要素は薄いようにも感じられます。しかし、新十郎の過去と因果の存在理由について語られるこの小説は単品で味わってもいい、そんな作品になっています。
     原作の発表は約半世紀前なので、文体や台詞はやや難しいかもしれません。ですが、独特のユーモアと毒舌の中に文明批評を込めた安吾を會川が継承し、卓抜な構成を魅せた小説家・會川昇としての上質な一冊になっています。

  • アニメは見れなかった(放送されない)。でも面白そうだったから本を買った。アニメが見たい。

  • 面白かった!劇場版を見て、その記憶もずいぶん朧げになってから読んだのだけど、物語の輪郭も人物の心情もよりくっきりと鮮やかに浮かびあがってくるようだった。
    最初のほうしか見ていなかったアニメ版も、この話に続く作品としてチェックしたいと思った。主人公が手にするであろう真実は何かを見極めたい。

  • 原作も読んでみたくなった。

  • ここからアニメに繋がる、と考えるともう一度アニメを見返したくなります。小説版だと各キャラクターの印象もかなり変わってくる気が。アニメでは泉ちゃんはもっと探偵さんに冷たいし、海勝さんを信頼しているイメージ(だったはず)ですが…何らかの心境変化があったのかな?最後まで明かされなかった本名も気になりました。推理を覆す謎、一筋縄では見つからない真実がこの話の見どころかなあと。優しすぎた探偵さんが痛々しくも愛おしいお話でした。

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