The Indifference Engine (ハヤカワ文庫 JA イ 7-3)
- 早川書房 (2012年3月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150310608
感想・レビュー・書評
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「The Indifference Engine」と「From Nothing, With Love」が圧倒的。特に「From Nothing~」は他の伊藤計劃作品のテーマの凝縮版とも言えるのでは? 長編で気になった文章の癖みたいなものも、短編では気にならない。ところで、「脳は体の行動を後付で認識する」という学説は、本当なのかな?
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虐殺器官のスピンオフである「The Indifference Engine」と、007シリーズを独自の視点で書いた(と思われる)「From the Nothing, With Love」がお気に入り。
最初のページから、これが読みたかったんだよ!!となった。
屍者の帝国読んで見よかな -
The Indifference Engineの少年の心の葛藤に、意識に共鳴します。純粋であることってどれほどの痛みを伴わねばならないのでしょうか。泣かせます。とても思考を促してくる作家です。私の意識はいつもより過敏になります。でもいったい意識ってなんなのでしょう。もっともっと著者の作品を読んで感じて考えたかった。残念でたまりません。
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伊藤さんの作品は遠い戦争が少し身近になる気がする。
短編集で、作品につながるアイディアが散りばめられていた。
もっと読みたかった・・・。 -
女王陛下の所有物(コミック)
The Indifference Engine
Heavenscape
フォックスの葬送
セカイ、蛮族、ぼく。
A.T.D:Automatic Death■EPISODE:0
From the Nathing, With Love.
解説(伊藤計劃&円城塔)
屍者の帝国 -
表題作は面白く読めた。
戦争は恐ろしく残酷で絶対あってはならないものある、
というのは戦争が無い場所で生きている人間の身勝手な
希望であり妄想の押しつけでしかないかもしれない。
少年にとって、「終わらさせられた戦争」はまだ終わっていなかった。 -
あまりにも職人芸で日常見るものを書くと却ってホ???と思う。そういえば地続きなのか。
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虐殺器官やハーモニーそれぞれの根底的な思想が散りばめられた短篇集
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伊藤 計劃 遺稿集から創作をまとめたものだそうな。
読めば読むほど、早世なさったのが惜しくてたまらない。
これを読む限り、007をモティーフにした長編とか考えてたな。
ああ読みたかったですよ…… -
2009年にこの世を去った伊藤計劃の遺稿集からフィクションだけを抜き出したのが本作だという。
伊藤計劃以前、以後という区分すら使われるように、存在までもがエポックメイキングとして取り扱われるほど、日本のSFにとって大きな影響力を残した作者。
中でも「From the Nothing, With Love」が面白かった。
007へのオマージュもさることながら、上書きされる人格ってアイデアが他の作品のテーマとも共通していて、繰り返し取り扱われている人間の意識について深い興味を持っていたことが窺える。
経験により行動が規定されると、意識が邪魔になるなんてね。面白いよ。
蛇足ですが、タイトルもそうだけど、作者がギブスン&スターリング「Difference Engine」をオールタイムベストに挙げていたと知って嬉しくなった。かの作品は自分にとってもベストだった。