オランダ宿の娘 (ハヤカワ文庫JA)

著者 : 葉室麟
  • 早川書房 (2012年4月6日発売)
3.10
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  • 本棚登録 :136
  • レビュー :18
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310653

作品紹介・あらすじ

日本とオランダの懸け橋に。"長崎屋"の娘、るんと美鶴は、江戸参府の商館長が自分たちの宿に泊まるのを誇りにしていた。そんな二人が出逢った、日蘭の血をひく青年、丈吉。彼はかつて宿の危機を救った恩人の息子だった。姉妹は丈吉と心を深く通わせるが、回船問屋での殺しの現場に居合わせた彼の身に危険がふりかかる…「シーボルト事件」などの史実を題材に、困難な中でも想いを貫く姉妹の姿を描く歴史小説の傑作。

オランダ宿の娘 (ハヤカワ文庫JA)の感想・レビュー・書評

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  • 葉室麟さん初読。江戸時代のオランダ宿。外国人と多く交流を持つ若い女性たちだからこそ、偏見なく親身に人を案じ、そして未来を探していくことができるのだと思った。当時のオランダとの交易状況を知れた。特に、たどたどしい外国語で挨拶を交わし合うところが心に響いた。

  • 幕末のシーボルト事件を扱った歴史小説。ただし超常能力や殺人事件といった要素もあり、歴史、ファンタジー、ミステリ、恋愛に人情と盛りだくさんの内容となっている。残念なのは盛りだくさん過ぎて、逆に薄ぺらになってしまっていること。

  • 葉室麟さんの著作は他に読んでみたいものがあったのですが
    書店でこちらが目につきました。

    誰もが人のために自分の役割を全うし、自分の身を守ろうとした。
    周りの人のためにと尽くしたことが、思いもよらぬねじれた方向に
    進んでしまっただけのこと...

    丈吉さんばかりではなくシーボルトでさえもみんなみんなすべて...

    若者たちの純粋さが美しい。
    深く考えさせられました。

    シーボルトに関しては、簡単な"テストに出る"程度のことしか
    知りませんでしたし(笑)それももはやすっかり忘れ去られていたなかで
    時代小説として初めて出会ったことがとても新鮮でした。

    遠山の金さんの粋な計らいには笑みがこぼれます。

  • "冬姫"を読んで以来の葉室ファンタジー。地味ないぶし銀模様の展開の中、男性キャストよりも序盤からの宿の二人娘~妙心尼、そして締め括りは"イネちゃん"奮闘♪。

  • 葉室麟のミステリー?
    読みたい方向性とちょっと違う気がして順番後回しにしていたのだけど、手にとってみた。

    なんと、シーボルト事件や倭寇なんかの史実を背景に、高野長英、間宮林蔵、遠山の金さんなどオールスターキャストが活躍する、結構世界観の広い歴史ミステリー(ややファンタジーやや冒険)に仕上がっていたのはびっくり。文庫本300Pほどなので、テーマの割りに物足りないような気もするが、時代柄動きに制限のある主人公るん目線の物語なら、これぐらいのボリュームが無理しない範囲の落としどころかな。

    ガレた道を歩くような読み始めはちょっととっつきにくいけど、物語が動き始めるとグンと入り込んで読め、決して面白くない小説ではない。ただ、葉室作品には珍しいと思うのだけど、後味があんまりすっきりしない、理不尽な死人も多く出る。ちょっと重いちょっとやるせないエンディングは、なんだか心が湿気て、やっぱり方向性がちと違ったなぁと思ってしまった。

  • 今月の5冊目。今年の92冊目。

    初葉室氏。中古で100円くらいだったのでちょっと読んでみようと思って買ってみた。感想としては普通。ちょっと盛り上がりに欠けるなー思いました。話自体はすごい淡々としていて、別につまらなくはないんですが、そこまで引き込まれる感じでもなかった。

  • 蜩ノ記で感動したのと自分の地元が長崎だったという理由から購読。オランダと日本を繋ぐ使命を背負った宿場長崎屋の娘たちのお話。波乱する世相を背景に実在の人物たちとの心の交流を描く。若いながらも自分の果たすべき役目、役割をしっかり見定めて生きる彼女たちには得るものが多かった。生まれたときから使命をもっていると考えることができる彼女たちの時代と、私たちの生きる何にでもなれるとされている現代ではそういう人生における使命感は薄れがちで、見つけにくいものではあるけれど、根底では変わらない。それを気づかせてくれた良書。

  • 葉室麟は女性を心理を描くのが巧妙で、読者を引き付ける力がある。

    だが、葉室麟の本は、ワンパターンに陥りやすい面もある。
    良く言えば、安心感と安定感がある。
    「オランダ娘の宿」も、女性が主人公で、「逆境に立ち向かう強い女性の姿」が描かれている。また、偉人とのコラボも葉室麟の特徴だと思う。
    作者を知らなくても内容を読めば、すぐさま葉室麟が書いたと分かるほど(これは、どの作家にもいえるのだろうか?)。


    しかし、読めば読むほど、世界に引き込まれ、読み終るころには、心が洗われた気持ちになる。そして、ちょっぴり歴史に詳しくなっている。
    今度の作品は、どんな偉人とコラボしてくるんだろうかと、毎回楽しみで
    、ワンパターンではあるが、飽きることがない。

    個人的に、葉室麟贔屓であるので、★5.
    今回も、すっかり葉室麟ワールドにハマり、心が洗濯されました。

  • 薬種屋でオランダ人向けの宿も営む長崎屋。るんと美鶴、二人の娘を中心に江戸にやってきた長崎出島のオランダ商館長や随行員たち蘭学を学ぶ人たちとの出会いと交流がここにある。シーボルトと鳴滝塾、そしてあの事件。別の雑誌でシーボルトの娘イネの物語を読んでいたのが不思議な感じがする。

  • 読者がどこに焦点を合わせるかで、評価が大きく変わる作品だと思います。
    物語の大きな軸である『シーボルト事件』だけを捉えるなら、正直なところこの本は必要なく、ウィキペディアの該当記事でも読めば充分でしょう。時代劇ミステリとして読むならば、安っぽいテレビドラマ並みの陳腐さを感じて終わるでしょう。
    ただこれを、人情ばなしとして読むと評価は一変します。国籍、立場、果ては生死を問わずに結ばれた人々のつながりのお話として読めば、とてもさわやかで温かい気持ちになります。私、こういうの好きです。

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