Running Pictures―伊藤計劃映画時評集〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 381
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310912

作品紹介・あらすじ

「マトリックス」「シックス・センス」「ファイト・クラブ」「トゥルーマン・ショー」「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ」-デビュー以前に著者が運営していたウェブサイト「スプークテール」で書き続けられていた映画時評67本+αを、2分冊で完全集成。数々の名作とほんの少しの「トンでもない」作品が、伊藤計劃のあらたな視点と映画に対する大いなる愛情をもって語り直される。第1巻は44本を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 言ってることが難しすぎて、私のような阿呆には半分も理解できないよ!な本(笑)
    でも、映画への熱い思いはひしひしと伝わる。

    1も2もリアルタイムで劇場で観たものがけっこうあって、懐かしいと共に、自分が映画をまったくといいほど理解してないのがわかり、少し落ち込む。

    伊藤さんも『人狼』を高く評価していたことが分かり、思わず「いい映画だよね!」と声をかけたい気分になった。

    でもなー、もっと映画見て、語っているのを読みたかったな。

  • 個人・伊藤計劃としての色が濃い映画批評集。
    しかしページが進むごとに文体や表現が整っていき、各所に思想的着想のタネが転がっている。「虐殺器官」「ハーモニー」の作家・伊藤計劃が出来上がっていく過程が垣間見えて面白い。

  • 恥ずかしながら伊藤計劃氏の作品を読むのはこれが初めて。映画批評だが面白かった。自身では批評ではないと書いているがそこら辺の批評やレビューよりずっと信頼できる。2巻も楽しみ。

    • 5552さん
      こんばんは。
      談話室でお世話になってる5552です。
      chikako0420さん、この本読まれたんですね!

      はじめて読んだときには...
      こんばんは。
      談話室でお世話になってる5552です。
      chikako0420さん、この本読まれたんですね!

      はじめて読んだときには熱くて濃いレビューばかりの伊藤ワールドにどっぷり浸かり、読了後も放心状態でした(笑)

      彼がもういないこの世にいない人で、もう映画も見れない、小説も書けないのが不思議でとても悔しく、悲しかったのを覚えています。
      一冊でファンになってしまいました~。

      好き嫌いが激しい人だな、とも思いましたが、それもまた伊藤レビューの魅力かと思います。

      でもウェブでの評論も小説群も読んでないのですが...。

      今ごろ二巻目を読んでいるでしょうか。
      レビューでも書きましたが、もっと彼の評論読みたかったです。っていうか自分は読めなくてもいいから映画見せてあげたかったな~。
      あんたは彼のなんなんだっという自分つっこみが入ったのでレビューには書かなかったんです(--;)でもま、いいか、と。

      それではお邪魔しましたー。
      2017/12/01
  •  伊藤計劃がブログ内で綴った映画評をまとめたもの。
     かなりの映画通であった著者は毎年40回は劇場に足を運ぶ。私はあまり映画は見ない(1年に50本以下だ)し劇場にはほとんど行かない。なのに映画評を読むのは好きという変わった人種だ。
     著者は冒頭で、「映画批評っていうのはレビューでは無い。もっと体系的だし/「面白い」「つまらない」といった感想程度のゴシップでは無い。/批評は、その映画から思いもよらなかったヴィジョンをひねり出すことができる、面白い読み物だ/だから、こいつは映画批評じゃない。/僕が紹介する映画を魅力的に見せるためにとった戦略だ」と書いている。新たなヴィジョンという点では町山智浩の批評などが浮かぶ。著者は批評ではないと言っているが、本書は立派に批評で楽しく新たな見識を増やせる良い批評だった。
     読んでいてもっと知りたいと思ったのは、著者の映画に対する見方だ。ドラマはあまり重視しないで、システムに淫しているのは何と無く分かる。定型のキャラ萌えではなく、世界の作り方や行動の末のドラマを求めているのは「人狼」のレビューに書いてある。所々に出てくる、映画はこうだ、映画らしさはこうだ、という言葉がハッキリと分からないのがもどかしく感じた。これが分かれば著者の言っていることがもう少し分かるのだろう。「人狼」や「ブレードランナー」のディティールは、テクスチャーを楽しむ感動と言っているし、私の知らない映画の楽しみ方がまだあるようだ。

  • 伊藤計劃の小説は読んだことないんだけど、映画評論を読むのは好きだし、観たいと思う映画でも見つけられたらよいなーと思って買ってみた。
    結論。観たい映画はいくつか見つけた。
    このレビュー集は、メジャーどころの映画を伊藤計劃氏がどう観たかの記録であり、つまり彼の価値観世界観を垣間見れる。(ファンにはたまらないんじゃなかろうか)
    私は特にファンというわけではないけど、面白く読んだ。
    自らをオタクと称しつつも(それゆえに?)、萌オタを嫌悪する計劃氏。(ある意味最もオタクらしい態度)
    しかしまあ、そんな杓子定規で決めつけんでもwと言ってあげたくなる。
    スチームパンクや組織にときめくのも、それは一種の萌と呼べるんじゃないですかーと。
    ご存命だったらこの方の思考がどのようになっていったのか、すごく知りたいなぁ。我々オタクは、惜しい方を早くに失くしてしまったのですな…

  • 彼の言葉は力を持っている。読む者の心を駆り立てる力がある。自分は彼の批評文を読んでいるだけなのに、なぜか、あらすじの説明部分では映画の予告編(とびきり完成度の高いやつ)を観ているようだし、解説部分では映画のメイキングを観ているような気分になるのだ。イメージを文章化する技術にかけて、私は彼以上の技巧に出会ったことがない。
    この本を読んでから、今までの彼の著作を読んでみると、ああこういうのが好きだったんだ、気づかなかったけどコレってアレだよな、とか発見が多いからファンには嬉しい一冊。2が出るのが待ち遠しいです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「2が出るのが待ち遠しいです。 」
      私もです!
      しかし、伊藤計劃30代で逝っちゃダメじゃん。もっと読みたかったゼ。。。
      「2が出るのが待ち遠しいです。 」
      私もです!
      しかし、伊藤計劃30代で逝っちゃダメじゃん。もっと読みたかったゼ。。。
      2013/02/20
    • こんさん
      コメントありがとうございます!本当に、私の一番
      好きな作家なので、急逝が残念でなりません…
      コメントありがとうございます!本当に、私の一番
      好きな作家なので、急逝が残念でなりません…
      2013/02/24
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「急逝が残念でなりません…」
      きっと書きたいコトが一杯あったでしょうね、、、ところで円城塔が引き継いだ「屍者の帝国」は読まれましたか?
      「急逝が残念でなりません…」
      きっと書きたいコトが一杯あったでしょうね、、、ところで円城塔が引き継いだ「屍者の帝国」は読まれましたか?
      2013/03/12
  • 伊藤計劃氏の映画批評。エッセイに近いラフな調子でぐいぐいと進んでいく。口調は軽快ですが、映画への思い入れや知識、監督や役者の個性やカラーまでを熟知して書かれる批評は絶品。一般的には駄作と評されるような作品についてもだめな部分は明確にしつつ、それでも愛すべき箇所を伊藤氏しか書けないだろう視点で書いているところには、映画という文化、媒体そのものへの愛を感じました。

    そのかわり、世間では名作と呼ばれているようないくつかの作品は容赦なく喝破されていましたが…笑

    ほんとうに早逝が惜しまれる人、というのは伊藤さんのような人なのだと思う。生きていたとしたら今の世界、映画をどう観てどう論じたのだろうか、そんなことばかりが頭をよぎりました。

  • 映画
    SF

  • 著者独特の視点から映画を語った、映画への愛情あふれるエッセイ。

  •  伊藤計劃三冊目。
     デビュー前に「スプークテール」という著者自身が運営していたウェブ・サイトにアップされた映画に関するレビュー全51作をまとめたもの(「今月のまとめ」としてまとめて紹介された作品も勘定にいれた)。
     僕自身はそれほどに映画に詳しくはなく、かといって全然見ないわけでもない、まぁそこそこ映画好きな人間、ってところだろうか。
     本書に掲載されている51作品のうち、22作品は劇場、あるいはDVD等で鑑賞済。
     決して多い数字ではないだろうけれど、「映画に全然興味ないもんね」と胸を張って言える(?)には多い数字だろう。
     僕としては、映画のレビューを読みたい、というよりも、あれだけの面白い作品を作り上げることが出来た人間が、どんな映画を観て、どんな感想を抱いたのか、に興味があった。
     なるほど、と思ったのは、物語の流れだけでなく、一つ一つのカット割り、場面構成、オブジェ、建物、シーン全体に漂う雰囲気、そういったものにかなり強い視点を当てて映画を観ているなぁ、ということ。
     そういった本流(物語)以外の、本流を支えている重要な要素にきちんと目配りが出来る、ということが彼の小説世界を支えている要因の一つなのかも知れないなぁ、と思った。
     そういえば彼は武蔵野美術大学の出身。
     だから美術的な要素に神経が向かうのかも知れない。
     ちなみに武蔵野美術大学の少し東には僕が卒業した中学校が、少し西には僕が卒業した小学校と高校があり、昔はよくこの美大の文化祭に遊びにいっていた(こう書くと、ネットで検索すればすぐに「あ、この学校か」と判ってしまうだろうなぁ)。
     映画レビューにあまり視点を置かずに読み進めてはみたものの、何作かはぜひ見てみたい作品があった。
     1998年~2000年にかけて上映された映画が紹介されているので、今ではDVDやブルー・レイで観ることになるのだろうが、伊藤計劃氏が語っている「ここでやっているのは映画批評じゃなく、読んでくれた人を映画館へ誘導すること」という彼の目標は、少なくとも僕に関しては達成されている。
     映画ファンがこの本をどう読むのか、また伊藤計劃ファンがこの本をどう読むのか、僕には想像出来ないが、そこそこ映画ファンであり、遅まきながら最近やっと伊藤計劃ファンになった僕は、予想以上に面白く読み進めることが出来た。

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著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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