天冥の標 VI 宿怨 (PART3) (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2013年1月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784150310943

作品紹介・あらすじ

カルミアンの恐るべき誤解により《救世群》は絶望の色を濃くしていく――第6巻第3部

感想・レビュー・書評

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  •  やはり第6巻は「ターニングポイント」だった。これが第1巻「メニー・メニー・シープ」に繋がっていく。

     冥王斑ウイルスキャリアの《救世群(プラクティス)》と非感染者との壁。ロイズ非分極保険社団を中心とする人類と《救世群》の宿怨による戦いが始まる。これからどうなる? これから第1巻で「描かれた世界」(作られた世界でもある)の成り立ちが始まるのだろう。

  • SF。シリーズ6作目part3。9冊目。
    6作目の3冊だけでも、あまりに壮大なストーリーで、もの凄い満足度。
    1~5作目の内容の多くが繋がり、シリーズの中でも、大きくストーリーが動いた印象。
    ここから先の展開も非常に気になるが、微かに希望が見えるおかげで気が楽。著者の作品なら、きっとハッピーエンドになるはず…。
    この1冊の感想を一言で表すと、メララ可愛い、という感じ。冗談でなく、メララの存在が数少ない希望の一つだと思う。

  • とうとう読み終わってしまった。500年の間に積もり、ねじれ、溢れたものの結果がこれだとしたら、あんまりだ。でもこれが宇宙からしたらただの代理戦争でしかないところがまたさらに絶望でした。次はついに1巻の舞台惑星ハーブC。ここまで6巻9冊の道のり。長い…

  • 「全太陽系応答なし」、第6巻全3冊最終巻の終章題名が重く静かに響き渡ります。
    第2巻で描かれる地球でのパンデミックから冥王斑が太陽系を覆い尽くすここまで約500年、つぶさに見てきたわけだけれど……これは重い。
    よく、歴史のifやたらればなど話題になることがあるけど、「天冥の標」を読むと「回避する事柄や修正したらいいかもな地点なんてない」ことを痛感させられました。フィクションでも無理となるので、ましてややり直しの効かない現実なんて。。
    だから、対話が必要なんだな。ブレイド・ヴァンディとシュタンドーレ総督のように。このふたりの友情は貴かった…憎み合っててもこうなれる道はあるのだ、という救いでした。
    イサリとアイネイアも素敵。イサリってここからもうずっとこのままなのか……カドムのこともアイネイアの子孫ならそりゃ大事にするよなぁ。切ない。

    やり直すとすればノルルスカインが意識を持った時点だけれど、これは無理。何十億年も前だからノルルスカインがおらずともミスチフは発生するだろうし、ノルルスカインでない別の誰かが発生するだけだからさ……。
    ノルルスカインとミスチフの代理戦争で太陽系沈黙というのもやり切れないです。

    ミスミィ−救世群、ミスチフ−ロイズ、ノルルスカイン−セアキ一派?かな。全部〈偽薬売り〉。
    大まかなので、救世群についてるノルルスカインも、セアキについてる救世群もいる。これも難しいところであり光です。
    辛かった4巻も重要でした。そうだったキリアン救世群だ、だからラゴスの核のひとつは救世群だったのに。
    〈恋人たち〉から見限られたミヒルを擁する救世群、1巻で地下からやってきたのは??だけどきっとこれからわかるのでしょう。

    ここが第1巻に繋がるのか。ここまで9冊、残り8冊。見届けます。
    それにしてもドロテア・ワットのしびれる格好良さったらない。中に何飼ってるんだ、フェオのやつ……



    追記:冥王斑原種パンデミック時にアイネイアの実家にいるお祖母ちゃんがフェオドールを連れてたの、思い返すといつ持ってきたのかわからない。ノルルスカインの意識はドロテアに残ってて体だけ持ってきたんだろうけど、イサリがアイネイア奪還でドロテアに乗り込んだときにこのへんも全てやったのかなぁ

  • 容赦ない救世群の攻撃。カルミアンによる断種という現実を突きつけられ、自暴自棄に陥るオガシたち。宿怨とのサブタイのため、どんな破滅へ向かうのかと思いきや、5巻で出てきた宇宙農家タックの子孫、ブレイド・ヴァンディがテルッセン家の娘メララの告白を聞いたことにより、救世群との共生を模索し始める。話の流れが変わったかなと一息ついたところでまた急展開。ミヒルの謀略により、太陽系人類は一気に滅亡の危機へ陥る。あまりにも悲しい結末。唯一読者の希望であったジニ号もセレスに落とされ、これ一体どうなるのという感じ。

  • パート1からは想像もつかない展開、そして結末。
    巨大という言葉では形容できないほど大きな陰謀と振り回される人類たち。

    本巻でも引き続き激しい艦隊戦は繰り広げられるが、本巻の見所はそこではないだろう。
    シュタンドーレとブレイドの戦いこそが本巻の見所だと思う。本作のタイトルであり、宿怨PART3第2部第5章のタイトル"天冥の標"。ミクロな戦いではあるが、この戦いが暗雲立ち込める太陽系の先行きに対する光だったのかもしれない。

    多くの人が平和ボケしている感じが現実感があり興味深かった。対岸の火事から目の前の火事になり、最終的に自分のこととなってようやく剣呑な思いをするさまがリアルに描かれていたとおもう。

    ついに第1巻へと繋がったような気がする。
    しかし、まだ第6巻。ここからどういう展開になるのか期待せずにはいられない。

  • 燃え尽きた。ここまでやるか。最終巻ですと言われても納得しちゃいそうな濃度でしたが、もしかするとここからを描きたい物語なのかもしれない。底知れない。凄い。 ブレイドの孤独な戦いが好き。天冥の標とは彼が築いた関係のことかな?

  • 時間と空間のマクロな流れに、
    数々の人類のミクロなドラマ、
    継続中の大作シリーズゆえに、
    自分の中で話のつながりに整理をつけないと、
    消失点に吸い込まれてしまいそうだ。
    早く次を読ませてもらわなければ。
    素晴らしい作品だ。

  • 個人的には天冥の標で一番好きな巻
    子どもの無垢さからはじまり、差別と分断を見せつけられ、絶望の世界へ誘う感じが、SW Ep3味を感じて個人的には最高です

  • CL 2025.2.2-2025.2.3
    ダダーのノルルスカインとオムニフロラに乗っ取られたミスチフの何億年にも渡る戦いに人類が巻き込まれ大宇宙戦争となり、全太陽系応答なしとなってしまった。
    なんと壮大なスケールの作品なんでしょう。
    さて、ここから1巻の惑星ハーブCに繋がるよう。先が楽しみ。

  • 25世紀末。〈救世群〉議長の娘イサリはスカイシー3で脱走し、ボーイスカウト活動中だったMHD社の最高責任者の息子アイネイアと出会う。濃密な一日を通じて友人になった二人。だが、〈救世群〉の中枢は非染者社会への宣戦布告に向けて着々と準備を進めていた。太陽系外からやってきた異星人カルミアンや、被展開体のミスチフとノルルスカインの思惑も絡み合い、遂に全太陽系を巻き込んだ大戦争が幕を開ける。〈天冥の標〉シリーズ第6作。


    5巻までのキャラの縁者たちが大集結。イサリの名前がでるだけでもアガるが、メイスンたちの祖先であるミスミィがやっと登場してきたのが嬉しい!彼女たちと出会ったばっかりに、〈救世群〉は戻れない局面まで猛進していってしまうのだけど。
    ロイズは食を含め、全太陽系の画一化をさらに推し進めている。その裏をかかれてウイルスを撒くのに傘下のファストフードチェーンを利用されてしまうのだが、実はロイズも〈救世群〉もミスチフに操られている。羊のなかのノルルスカインからその秘密を伝えられたパナストロの少女メララは、商務大臣のブレイドに打ち明ける。
    ブレイドはメララの話を信じ、パナストロに派遣されてきた〈救世群〉の総督シュタンドーレと根気強く交渉することにする。今回はこのパートが一番好きだった。言葉を尽くし、非暴力的な態度を貫くことで、ブレイドは実は穏健派なシュタンドーレの人間的な側面を引きだしていく。「心底殺したいと思いながら、他のことをするべく悪あがきするのが、人間だと思いますよ」というブレイドのセリフが胸を打つ。その一方で、〈救世群〉の開戦は500年もの「悪あがき」の果てに起きたのだとも読者は知っている。
    カルミアンの技術で〈救世群〉は硬殻化し、人類とは異なる外見から戻れなくなってしまった。ここにミスミィとの意思疎通不足によるナメが入っているのが恐ろしい。人類は言語能力を持ったばっかりに、言語能力が劣っていると判断した相手をナメ続けてしまうんだろうか。
    次巻は遂に惑星ハーブCが舞台になる。今作は個人的に苦手な戦艦での戦争パートが長くてキツかったので、次巻は少ないといいなぁ。

  • ようやく小説らしくなってきた!

  • 全10巻全17冊

  • 「宿怨」というサブタイトルのように、長年溜まりに溜まった救世群の怨念が暴発してしまう。彼らは自分の信念に基づいて行動しているんだけど、それが完全に現代のテロそのものなんだよな…。いつの時代も結局人類は争いが好きなんだなと思わされる。
    只、黒幕にミスチフという異星人が存在しているようなので…完全に全て人類が悪いわけではないのかもしれないね。

    ここからどうやって、人類は生き永らえるの…?

  • ヴァンディとシュタンドーレとの駆け引きと、そこから生まれる信頼関係が良い(敵対する立場の二人がファーストネームで呼び合うシーンにぐっときた)。Ⅲ巻でも思ったが、ドロテアの異様さにはゾクゾクする(中の生物について詳しく知りたい)。その後の展開は絶望に次ぐ絶望。Part1で救世群の計画を知ったときから恐れていた事態がとうとう起こってしまう。権力を掌握したミヒルと、彼女が嬉々として語る未染者という言葉がおぞましい。全太陽系が沈黙する終盤の展開はスケールが大きく、不謹慎だがゾクゾクした。これ人類終わったのでは…?

  • ここで第1巻のアレソレに繋がるのかー! 

  • 第Ⅵシリーズまできて、全体のタイトルである天冥の標の名をもつ章がやっと出てきた。
    結局何のことかは明示されないけど、Ⅰ巻から繰り返される異文化交流の困難さとそこに垣間見える、理解の兆しが圧倒的に重苦しく絶望的な展開の中で唯一の救いなのかなと思う。
    それにしても膨大な文字数で数世紀にも及ぶ仮想人類の繁栄と瓦解を描く、これぞ小説の真骨頂というべき楽しみと思う

  • 著者:小川一水(1975-、岐阜県、小説家)

  • ちょ。なんか誰がどの陣営なのかわからなくなってきた。そして…これからどうするんだろう。

  • 小川一水は天才だ。シリーズ中盤にしてこの盛り上がり。今までの物語を大きく束ね、人々のそれぞれ懸命に生きる姿とその結果生じる悲劇を描くとともに、小松左京の系譜を正当に受け継ぎ、「宇宙にとって人間とは何か」との問いを真正面から受け止める。ここで物語は振り出しに戻った。後半も楽しみ。

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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