Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 604
レビュー : 76
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311070

作品紹介・あらすじ

AmazonのKindleストアにて、「ベスト・オブ・2012」小説・文芸1位!話題の電子書籍、分量1.8倍以上の完全改稿版バーチャルリアリティ技術と遺伝子組換作物が浸透した近未来を描く、本格SFサスペンス。電子版の文体・構成を一新した完全改稿

感想・レビュー・書評

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  • お気に入りの本屋で購入。
    仮想現実を使ってるときの描写がカッコイイ。出てくる人物がカッコイイ。黒川さん可愛い。
    IT系もかじってると読みやすくて面白い。
    終わり方がスパッとしていて良かった。爽快な話。

  • 2013/7/7読了。
    セルフパブリッシング版よりも小説としての完成度が高くなっている。登場人物の姿を読者に伝える描写が豊かになり、セルフ版では急ぎ過ぎてやや稚拙な印象だったクライマックスが自然な場面になった。同じ本を二度買った、同じ話を二度読んだという後悔をまったくさせない改稿だ。

  • Gene Mapper
    知人に紹介してもらって、SF好きにはもってこいとのことで、Kindleで読んでみた。どうやらセルフパブリッシングで反響を呼んだ作品を書店が編集し直したもののようである。

    舞台は近未来。
    概要を引用しよう。
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    拡張現実が広く社会に浸透し、フルスクラッチで遺伝子設計された蒸留作物が食卓の主役である近未来。遺伝子デザイナーの林田は、L&B社のエージェント黒川から自分が遺伝子設計した稲が遺伝子崩壊した可能性があるとの連絡を受け原因究明にあたる。ハッカーのキタムラの協力を得た林田は、黒川と共に稲の謎を追うためホーチミンを目指すが‥
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    最近ではGoogle Glassも出て、拡張現実はまずますメガネ型のものであることが具現化されて来ているが、本書ではさらに網膜に近いコンタクト型のAR世界が描かれている。構想自体はすでにあるので、珍しくはないが、その描写に舌を巻いた。

    また、本書はバイオインフォマティクスの内容を多く取り入れていることも興味深い。あまり馴染みはないのかもしれないが、1サンプル200GBの遺伝子構造を持つという内容が出てくるのだが、これは非常に興味深いところである。
    マイクロアレイだと容量的にはどうなのだろう。バイト演算で試算してみようか。
    アバターに関する記述も興味深い。

    プログラムにおける浄化作用設計の組み込みという、あまり意識したことのない点も興味深い。基本、ゴーイングコンサーンな視点で設計される事も多いので、自立型のプログラムもといAIには必要な視点であるかもしれない。

    物語も総じてスリリングに進行するし、SF好きにはホントにもってこいな内容であると言える。
    こういう作品、もっとたくさん読みたい。
    ★5つ!ハヤカワさん、次もよろしくです。

  • 農業危機をきっかけに「蒸留作物(distilled crop)」が食糧生産の中心となった世界。
    蒸留作物の遺伝子設計(gene mapping)を生業とする林田は、蒸留作物製造大手L&Bコーポレーションから受けたプロジェクトで、重大な問題が発生したことを知らされる。
    交渉人の黒川、サルべージャーのキタムラと共に、林田は調査をすすめていくが…

    コンタクトレンズを利用した拡張現実が普及している世界観は、伊藤計劃さんの「虐殺器官」と似かよっている。しかし、今作の主人公は軍人ではなく技術者であり、拡張現実におけるガジェットもより日常的なものとなっているので比較的簡単に作中世界に馴染むことができるのではないだろうか。
    本作は、技術の暴走に対する警鐘よりも、新技術の危険性を認識しながらもその可能性を信じる技術者たちの姿勢に焦点をあてている。劇中で主人公達は、新技術のソースを全世界に公開することで劣化コピーの濫造やそれに伴う破滅を防ごうとするが、日進月歩の勢いで新技術が登場する現代において、技術を有用なものとするための方策の一つではあるだろう。核技術のような軍事技術においても有効かは疑問だが。
    また、蒸留作物に反対する環境保護団体が登場するが、彼らは「命を守るために中絶を行う医者を殺す」ようなグロテスクな存在として描かれている。また彼らと結託するジャーナリストも、スクープのためならねつ造も辞さないという、近年の過熱した報道・メディアを誇張した醜悪さを見せている。
    未知数の可能性を持つ技術に対し、思考停止して反対のための反対を繰り返すのではなく、その危険性を考慮したうえで技術を活用するためにいかに努力するかが重要だということではないだろうか。

  • 遺伝子組み換え、ネットワーク、AR、それらの非常にリアルな未来像を提示してくれている小説です。ものすごい考証の上に成り立っている小説だと思いますが、難しいところはほとんどなく、すいすいと読めるエンターテインメントに仕上がってました。おもしろかったです。

  • 作者の真面目さが伝わると共に、多少なりともデザインやエンジニアリング、ウェブの仕事でPCに関わっている人間ならば、もはやリスペクトとともに色んな角度から同調したくなるような用語やニュアンスに満ち溢れている。
    ギブソンを彷彿とさせるキラーなジャパニーズSFの名作と言って良いでしょう。

  • ルビのカタカナよりも漢字の方が理解しやすいとは
    年齢を自覚した。

  • 個人的に大好きなジャンル。農学と生物学(遺伝子工学)と、プログラミングが合わさった話。
    ジーンマッパーとして、遺伝子をプログラミングすることを生業とするフリーランスの主人公と、遺伝子組み換えではなく、遺伝子からプログラミングされて作りだされた植物の話。
    何故か、緑の革命を思い出しました。多分作物の名前の所為です。

  •  拡張現実、遺伝子デザインされた作物が広く行き渡る未来。
     遺伝子デザイナーは大手企業に依頼されて手がけた自身の仕事、稲のデザインに不備があったと告げられる。企業のエージェントとともに原因究明に乗り出すが・・・

     思っていたより楽しく読めました(当初はもっと難しいかと思ってた)。
     拡張現実のギミックがいろいろ挟まれていて、一応、遺伝とかの基礎知識があったからかな。
     最後は希望にあふれ過ぎとのむきもあるけど、オープンソースが叫ばれる中では割とありかなぁ、という気もしました。

  • 拡張現実とか設計生物とか。面白かった。

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著者プロフィール

藤井太洋(ふじい たいよう)
1971年、鹿児島県奄美大島生まれの作家。国際基督教大学中退。ソフトウェア開発会社に勤務しながら小説を執筆し、2012年電子書籍『Gene Mapper』をセルフパブリッシングして話題になる。翌年、増補改訂版『Gene Mapper - full build-』を早川書房より刊行、単行本デビュー。2014年には『オービタル・クラウド』(早川書房)を発表、「ベストSF2014[国内篇]」1位、第46回星雲賞(日本部門)、そして第35回日本SF大賞をそれぞれ受賞。2018年『ハロー・ワールド』を刊行し、同作が2019年に第40回吉川英治文学新人賞を受賞。
2015年には日本SF作家クラブ第18代会長に就任している。

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