know (ハヤカワ文庫 JA ノ 4-1)

著者 :
  • 早川書房
3.98
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本棚登録 : 2509
感想 : 276
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311216

作品紹介・あらすじ

超情報化を遂げた2081年の日本、京都。情報庁で働く主人公は、地球規模のネットワークシステムの中に、行方不明となった大学教授が14年前に書き残したメッセージを発見する

感想・レビュー・書評

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  • はい、ブクログの特集を見て気になって手に取りました

    もうブクログお勧めにも素直に乗っかって行きます
    2022年は「素直」がテーマです

    最後なんかこう背中がゾクゾクってしました
    つまりこれはゾクゾクってする終わり方だったということです(そのまま!)

    もちろんタイトルの通り「知る」ということがテーマであり人類が決して「知る」ことができないはずのものが裏テーマのようです

    凄い難しいこと言ってるんですが割とすっと入ってきたのは日本的なものが仲介役になっているからかなって思いました

    独特すぎる世界観があってとっつきにくい作家さんというイメージをブクログの紹介文からは感じたんですがぜんぜんそんなことなかったです
    他の作品も読んでみます

    • 辛4さん
      ひまわりめろんさん、おはようございます。
      あら~
      玉ねぎだけじゃなくて、本も最近高くなったような気がしますね。
      1冊2,000円前後だとうー...
      ひまわりめろんさん、おはようございます。
      あら~
      玉ねぎだけじゃなくて、本も最近高くなったような気がしますね。
      1冊2,000円前後だとうーん、と。
      今朝はFACTFULLNESSをKindleのサンプルページだけ読みました。
      わかったような気になったので、まあいいかなあ。。。やっぱりちょっと高い。私も図書館いってみようかなあ。
      アムリタシリーズはいまなら300円くらいでしたよ~
      2022/05/11
    • ひまわりめろんさん
      辛4さん
      おはようございます

      ブックオフあさってみます〜
      辛4さん
      おはようございます

      ブックオフあさってみます〜
      2022/05/11
    • 辛4さん
      わたしも常連さん。。。
      見つけられなかったらサンプル送りますよ~
      わたしも常連さん。。。
      見つけられなかったらサンプル送りますよ~
      2022/05/11
  • 近未来、電脳化が進んだ社会を描いたSF。

    脳に埋め込まれ、ネットワークから膨大な情報を取得・処理して脳を強力にアシストする「電子葉」。この電子葉の移植が義務化された近未来、電子葉脳に産みの親、道終・常一は、量子コンピュータを用い性能を格段に向上させた「量子葉」の開発に成功した直後に失踪してしまう。その14年後、道終は最後の弟子(御野・連レル)の前に姿を現すが、量子葉を装着した娘(道終・知ル)を連レルに託し、目の前で自殺してしまう。この知ルこそは「世界最高の情報処理能力を持った人間」、神にも等しい驚異的な能力の持ち主だった。

    こういうタイプのSFは結構好きなので、ワクワクしながら読めた。ただ、ラストは呆気なくて、失速した感がある。"死" をテーマの一つにしてると思うんだけど、 "死" についてほとんど描かれてない(敢えて描いていない)点にもちょっと不満が。

  • 未来の日本には、あらゆる場所に情報センサーがあり、そのセンサーを通じてあらゆる情報が集められる。そして、人間の脳には、コンピュータチップが埋め込まれ、その情報を受け取ると同時に脳内で処理する。主人公の女子中学生、知ルの脳には、量子コンピュータチップが埋め込まれており、情報処理能力が、普通の人間とは段違いだ。色々な経緯を経て、世界中でもう1人だけ量子チップを脳に持った人間と、情報のやり取りをすることとなる。それは、世の中の全てを知るための対話だ。対話を通じて、世の中の全てを知り、その後、死後の世界に旅立った知ルは、死後の世界の仕組みを知り、それをこの世界に伝えることが出来た、ということを暗示する場面でストーリーは終わる。
    ストーリー的にとても面白いSF小説。一気に読んだ。

    でも、「全てを知る」ことというのは、世の中の情報を全て集めてデータベースとして一箇所に保管し、それを処理できる量子チップの力を借りた脳を持つことなのだろうか?
    物語の中に、知ルが恋心を抱く場面がある。誰かを愛することは、経験してみないと、どういうことなのか分からないのではないだろうか。世の中全てを網羅する情報データベースに知ルはアクセス出来、愛するということの一般的な意味合いや定義を知ることは出来る。でも、それでは、「愛」とは何かを知ったことにはならないのではないか。そういう風に考えると、愛ばかりではなく、何かを失った悲しみや、何かを達成した充実感や、誰かを妬む気持ち等も同じように、経験してみないと、知ったことにはならないはずだ。とすれば、人間として生きるとは、何かをデータベース的に知ることではなく、どれだけ心を動かされる経験をするかに大きく依るのだろう。

  • 面白い映画を観終わったような心地よい感じが残るSF小説でした。

    超情報化対策として、人造の脳葉〈電子葉〉の移植が義務化された2081年の日本・京都。
    情報庁で働く官僚の御野・連レルは、情報素子のコードのなかに恩師であり現在は行方不明の研究者、道終・常イチが残した暗号を発見する。
    その“啓示"に誘われた先で待っていたのは、ひとりの少女だった...

    Ⅰ.birth から V. death 、そしてepilogueへとぐいぐいと物語を運んでいく。
    コレ映画にしたらきっと面白い。
    超情報化社会ビジョンが興味深い。ICT屋さんが考えている未来ビジョンよりも愉しいw
    ハリウッドが好む建築物的な未来造形ではない。
    見えている世界はあまり変化がない、しかし見えていない世界を感じ処理しようとする捉え方が面白い。
    情報爆発社会とかビッグデータとか今でも言っているけど、もっと精神世界へと踏み込んだ超情報化社会観。


    「哲学は自然科学の最前線だよ」

    知らないことを知ることは悦びです。
    知る対象は過去、現実の世界、そして異性だったり。
    本を読むことは知らないことを知るとても愉しい手段です。

    知らないを知り、知り得たことから未来を知ろうとする。
    うん、愉しい。
    御野・連レルと恩師・道終・常イチとのやりとりに惹き込まれた。

    『know』は小難しいSFオタク向けの物語ではなく、エンターテイメント性も盛りだくさんです。
    御野・連レルが出会った少女が魅力的。
    最初は全知全能のロボット?と思ったw
    後半に出てくる御野・連レルと少女のとあるシーンは必要ないかと思ったが...
    (そんな所は悪い意味で映画的に感じた)

    野崎まどさん、興味深い作家さんです。

  • 情報のやり取りは脳に埋め込まれた「電子葉」で処理がされるのが当たり前の未来社会。全て、全知を手にいれるために行動する天才学者とその娘。

    ブラックホールの中を覗ける場にいたら、覗きにいくだろうか?2度と戻ってくることができないとわかっていても。知りたいという欲求を叶えるために、天才はあらゆる準備を重ねるのだ。凡人には思いもよならい方法で。
    今回も私の想像を超える世界を見せてくれた作品でとてもおもいしろかった。

  • 超情報化社会。大量の情報を処理するには、人の脳は脆弱すぎた。
    しかし、人造の脳葉〈電子葉〉の移植という技術が開発され、人々が膨大な情報を瞬時に活用出来るようになった現在、“情報格”=クラスにより定められた、新しい格差が生じていた。

    情報庁に勤務する御野・連レルは、0から6までのクラスの中でクラス5の能力と権限を持つトップ官僚。
    彼の恩師で天才研究者の道於・常イチは14年前から行方不明だったのだが、彼の残した暗号を読み解いた御野は、道於との再会を果たす。
    そして御野は、クラス9…ケタ違いの情報処理能力を可能にした〈量子葉〉を移植された少女、道於・知ルを託されたのだったが…


    てなことは読んでもらうことにして。
    『タイタン』が面白くて追いかけ…というか遡り始めた野﨑まどさん、3作目。
    まずは、近未来のSFを読んだ満足。現在の延長に、確かにありそうなリアリティがいい。
    すぐにでもアニメ化されそうな、文章だけでスタイリッシュな映像を思わせるのもいい。

    そして、birth から始まった章立ての、生まれて死んでその先にあるもの、最後のエピローグの余韻が良かった。
    知ルは、間違いなく帰ってきたのだ。

    幸福かどうかなど、どうでもいいこと。知れるだけのことを知りたいから、という力の凄まじさ。
    死んだ後のことまで知ることのできるようになった世界は、恐れることがない世界ではあるだろうけれど、何に夢を描き望めば良いのだろう。


    細かい事を言えば、登場人物の名前が凝りすぎて物語に入りにくいとか、こんな時代に制服とかどうでも良さそうなのに…とか、知ルは御野と実践しなくても良かったんじゃ…などなど、ちょっとした違和感はあるけれど。
    そして、ひたすらカッコいい感じで登場をした御野が、何とも微妙なダメさと有能さのスキマみたいなキャラに落ちついていくのが、お気の毒。

    作品世界の、超情報化世界のスピードに乗って、危うすぎるジェットコースターに乗せられた気分を味わう。たかがスマホやPCのスキルでギャップを感じるいまをわらう。
    トリップできるSFの面白さだと思った。

  •  2081年、国民の脳に「電子葉」を移植することが義務付けられ様々な情報に瞬時にアクセルすることが可能になった日本。日本の情報庁で働く連レルは情報コードの中に恩師であり行方不明となった研究者道終の残した暗号を見つける。

     今まで読んできた野崎作品と比べるとギャグの部分はないものの、SFの世界観、設定としてはしっかりと作りこまれていると感じます。

     他の野崎作品と共通しているのは、主人公が天才に導かれて(振り回されて)今まで見たことのない世界の一端が垣間見えるように思えることではないでしょうか。凡人である自分も主人公大変だな、と思いつつも、天才と共に知らない世界に近づいていく主人公がうらやましくもあります。

     そしてオチのヒネリ具合がいいですね。道終から預かった少女の命令で連レルはお坊さんの話を聞きに行ったり、御所に潜入したりと、目的が見えないまま振り回されるですがその最終目的はとんでもないところに…やっぱり野崎さんは一筋縄ではいかないですね。

     エピローグはとても意味深。人類は果たしてそんな極致にたどり着けるのか。知りたいような知りたくないような…

  • 文句なしで面白い
    正解するカドとかバビロンよりこっちを映像化した方がいいと思う
    風呂敷広げすぎないのがいいです
    生きること=知ること
    知識の終わり、終着点としての死に対して仏教、神話的な知識を持って人類最高の叡智が挑むという胸熱な展開
    そして全部描くのでなく、エピローグで示唆する形でこっちに想像する余地を残して終わりを迎える
    ぜひ映像化を願いたいけど、、
    バビロンこけたし、難しいよな。。

  • こういう系統のSFをはじめて読みました。
    文章をいれて、私の中で映像化していくという作業をしているので、まだ、完読してません。

  • 全ての情報を「知る」ことで行き着く世界とは何なのか。生きるために知り続けた少女が辿り着いた終着点と結末、それがもたらした新しい世界の在り方、そしてエピローグの締め方が本当に美しく、「いいSFを読めた」という高い満足感を得られました。どことなく「ハーモニー」に近い世界観(情報に管理された社会の在り方や、個性的な名前など)も好みでした。

    ただ、割と展開が力技に感じられたことと、主人公が好みではなかったこともあって、途中までハマり切れなかったのだけ残念でした。とはいえこれは個人の好みの問題なので、間違いなく日本SF小説の傑作の一つだと思います。

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著者プロフィール

【野崎まど(のざき・まど)】
2009年『[映] アムリタ』で、「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者となりデビュー。 2013年に刊行された『know』(早川書房)は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた。2017年テレビアニメーション『正解するカド』でシリーズ構成と脚本を、また2019年公開の劇場アニメーション『HELLO WORLD』でも脚本を務める。講談社タイガより刊行されている「バビロン」シリーズ(2020年現在、シリーズ3巻まで刊行中)は、2019年よりアニメが放送された。文芸界要注目の作家。

「2023年 『タイタン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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