- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150311247
作品紹介・あらすじ
新生児誘拐! だがそれは事件の序章に過ぎなかった。生殖医療の光と闇を描いた話題作
感想・レビュー・書評
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岡井崇『デザイナーベイビー (上)』ハヤカワ文庫。
古本屋で購入した100円本。
『ノーフォールト』に次ぐ、昭和大学医学部産婦人科学教室主任教授による社会派医療ミステリー。
城南大学を舞台に女児誘拐、医療ミス、薬剤盗難と様々な事件が発生し、やがて予想もし得ない大きな犯罪へとつながっていく。もっとも『デザイナーベイビー』というタイトルから大方の予想は出来るのだが……病院側の人物に比べ事件を捜査する警察の面々が悪意があるのではと思うほど間抜けに描かれているのが気になった。
城南大学病院で発生した生後3日の女児誘拐事件。誘拐された女児はダウン症状で、救出は一刻を争うのだが、身代金を要求する犯人に警察は翻弄された挙げ句に、身代金だけが奪われてしまう……
本体価格700円
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城南大学病院は衝撃に震えた。生後三日の女児が新生児室から連れ去られたのだ。誰が、なぜ、どうやって、産まれたばかりの児を?しかも誘拐された児には遺伝性の病気があり、救出は一刻を争う。やがて?院長あてに身代金要求の電話が入るが…狡猾な犯人に翻弄される警察。だが事件はまだほんの序の口に過ぎなかったのだ!
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体外受精をテーマにした、医療ミステリー。
最初から面白く、一息に読んだ。
医学的な知識がなくとも、理解できるように書かれているし、その部分は難しくはないので、体外受精というテーマに興味があれば面白く読めるだろう。
結末がどうなるか気になるばかりである。 -
文章は、いかにもドクターが書いたもの…という印象。分かりやすい医学書のようで、そういった意味でも楽しめた。
登場人物があれよあれよと増えていき、ミステリーは久しぶりだったこともあって人物の関係を把握するのに苦労した。が、第二の事件が起きた辺りから面白くなり、一気に読み進んだ。
誘拐犯は誰なのか?望美は無事なのか?そして、江嶋英恵は誰に殺されたのか?下巻を読むのが楽しみである。
著者の医療倫理観にも触れることができ、ちょうど出生前診断にも興味を持っていた私にとっては、お得感のある小説だった。