黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫 JA モ 5-1)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 1233
感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311285

作品紹介・あらすじ

でたらめな地図に隠された意味、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられた香水、現れた住職と失踪した研究者、頭蓋骨を探す映画監督、楽器なしで奏でられる音楽…日常に潜む、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」と、彼の「付き人」をつとめる大学院生は、美学とエドガー・アラン・ポオの講義を通してその謎を解き明かしてゆく。第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙が気に入って以前からずっと読みたいと思っていたこのシリーズ。文庫になったので買いました。
    黒猫と呼ばれる若くして大学教授になった男性とその助手(付き人)の女の子。様々な謎を黒猫が解いていく話。
    とにかく黒猫のキャラが魅力的。頭がよく、どんな謎もすぐに見当をつけて解いてしまうのだが、こういうキャラにありがちな性格破綻もなくデリカシーのある人物だ。物語はエドガー・アラン・ポーの作品になぞらえて進んで行くので、ポーの作品を知っていたらもっと面白いかもしれない。

  • ミステリには「読者が謎解きをする楽しみ」と「探偵役が謎を解くのを鑑賞する楽しみ」があると個人的に思ってるのですが、この作品は後者にがっつり寄せてるなーという印象。
    推理というよりは、状況に込められた隠喩やメッセージを丁寧に読み解いていくような感じかなぁ。
    好みは分かれそうな気がしますが、私は大好きです!
    視点キャラクターの「私」もワトソン兼ヒロインとして、読者よりバカでも頭良くもないちょうどいいバランス感で読みやすい。

    ポオは全く読んだことはなかったけど、楽しく読めました。
    引用されてる作品を読んでから、また再読したいなぁ。

  • 好きなシリーズが増えました!

    黒猫の美学講義が難しいけどおもしろい(自分の無知さが際立ちましたが笑)
    ポオが読みたくなる作品でした
    そして描写、会話が繊細で上品。あぁ好きだなと思いながら読み進めていました。

    2人の関係も好きで女の子の不器用さも良かった……のでシリーズ買いしました笑
    ポオの作品も読もうと思います

  • 美学(二アリイコール哲学)、音楽、文学を架橋する物語。正しい重さで理解しようとするよりも、感じ取ろうとするべきタイプかも。

  • 第一回アガサ・クリスティー賞受賞作品。
    各章の冒頭にエドガー・アラン・ポーの作品が提示され、その作品の構造を分析することで事件の謎解きがなされるという構成になっている。
    主人公は、ホームズ的役割の24才にして教授となった若き天才美学・芸術学者の「黒猫」そして、ワトソン博士的役割の「付き人」の女性である「私」。

    これまで文芸作品を美学とか芸術学的観点から分析を行い、そこから事件解決の糸口を探すという構成の小説は読んだことが無かったので結構面白かった。
    ただ私は理系出身なのであまり細かいところは分からないのだが、ちょっとかなりこじつけっぽいところもある様な気もした。
    (特に、頭蓋骨と脳の関係に関する講釈について)

    ストーリーや登場人物達の会話などは、独特の雰囲気があり著者の個性を感じさせるものでいいんじゃないかと思う。
    特に作中で使用される詩の擬音のセンスなんかはすごいと感じた。

    また、主人公の二人の男女がかなり不器用ながら恋愛感情をはぐくんでいく様もなかなかいいですね。

    著者の文芸作品に対する深い愛情も感じれる作品なので、本好きなら読んでいて楽しい作品。

  • たぶんスタイリッシュ。しかし、残念ながら美学講義は頭に入ってこなかったです。それでも黒猫と付き人とのずれた会話に体温を感じます。

  • 第一回アガサクリスティー賞受賞作。
    アガサ・クリスティっていうと「アクロイド殺し」とか「そしてだれもいなくなった」が先にきてしまうけど、この小説はどちらかと言えば「スタイルズ荘の殺人」とか「ホロー荘の殺人」に近いかなぁ。奇想天外なトリック!よりは人間の心理の深さ!みたいな方。
    小さな日常系の謎を弱冠24才で教授職につく天才「黒猫」が鮮やかに解決!文学をはじめとする研究者が主要な登場人物なところがミソ。様々な蘊蓄が話を彩る。
    といっても最初の「ポオの描くパリ」の論考はどうなんだろう。傍目から見てめちゃくちゃな感じ……というか単純に蛇足な感じがするのだけど笑 文学研究論文とか読んでみたくなった!

  • 掴めない飄々とした探偵役と淡々としてるようで女子なところが女子な助手役…
    あれ最近何か読んだなと思ったら「花酔いロジック」の作者さんだった、納得。
    ポオ研究者の主人公に因んだポオのエッセンスが絡んでる事件と、その解法が個人的に好みだった

  • 端正で行儀良い文章のせいか、どことなくノスタルジックな雰囲気が心地良い。黒猫の美学講義の内容は私には高尚すぎて理解が追い付かないけれども(残念な自分…)、ワトソン役の女の子の合の手が可愛らしくリズム良くて十分楽しい。事件が解決されるというよりも、関係者の心の中が読み解かれるお話。

  • 非常に文学的な作品。
    気軽に読めない軽めのミステリー。
    説明が回りくどい。
    慣れてくると、心地よく読み進めることができた。
    エドガー・アラン・ポオ作品のネタバレには注意。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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