- 本 ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150311285
作品紹介・あらすじ
でたらめな地図に隠された意味、川に振りかけられた香水、虚空に流れる音楽──若き大学教授「黒猫」は美学理論とポオの作品を通して、日常の中に潜む六つの謎を解き明かす
感想・レビュー・書評
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2011年第1回アガサ・クリスティー賞の
森晶麿さんデビュー作
今では、黒猫シリーズとして、第9弾まで出ているようです。
美学の若き天才大学教授“黒猫”が
エドガー・アラン・ポーの解釈を交えながら日常系ミステリーを解決する短編6編
第一話 月まで モルグ街の殺人事件
第二話 壁と模倣 黒猫
第三話 水のレトリック マリー・ロジェの謎
第四話 秘すれば花 盗まれた手紙
第五話 頭蓋骨の中で 黄金虫
第六話 月と王様 大鴉
ポーのお好きな方にはとても心地よい美学講座だと思います。私はといえば、かろうじて黒猫の壁はわかるかしらという程度。
他の作品も作中に入ってくるのですが
反応できたのは森鷗外と梶井基次郎の数行と
竹取物語のエピソードくらい。
この黒猫シリーズは人気らしく
作者さんの博識と軽快な会話から
文学の深掘りができそう -
表紙が気に入って以前からずっと読みたいと思っていたこのシリーズ。文庫になったので買いました。
黒猫と呼ばれる若くして大学教授になった男性とその助手(付き人)の女の子。様々な謎を黒猫が解いていく話。
とにかく黒猫のキャラが魅力的。頭がよく、どんな謎もすぐに見当をつけて解いてしまうのだが、こういうキャラにありがちな性格破綻もなくデリカシーのある人物だ。物語はエドガー・アラン・ポーの作品になぞらえて進んで行くので、ポーの作品を知っていたらもっと面白いかもしれない。 -
ミステリには「読者が謎解きをする楽しみ」と「探偵役が謎を解くのを鑑賞する楽しみ」があると個人的に思ってるのですが、この作品は後者にがっつり寄せてるなーという印象。
推理というよりは、状況に込められた隠喩やメッセージを丁寧に読み解いていくような感じかなぁ。
好みは分かれそうな気がしますが、私は大好きです!
視点キャラクターの「私」もワトソン兼ヒロインとして、読者よりバカでも頭良くもないちょうどいいバランス感で読みやすい。
ポオは全く読んだことはなかったけど、楽しく読めました。
引用されてる作品を読んでから、また再読したいなぁ。 -
好きなシリーズが増えました!
黒猫の美学講義が難しいけどおもしろい(自分の無知さが際立ちましたが笑)
ポオが読みたくなる作品でした
そして描写、会話が繊細で上品。あぁ好きだなと思いながら読み進めていました。
2人の関係も好きで女の子の不器用さも良かった……のでシリーズ買いしました笑
ポオの作品も読もうと思います -
ストーリー紹介だけ見ると、意地悪な探偵役とそれに振り回される助手のキャラクターノベルっぽいのですが、実際読むと黒猫はそこまで意地悪ではないし、付き人さんも研究者を志しているだけあってしっかししています。
美学を銘打っているだけあって、どのストーリーも寂しくも美しい結末。
エドガー・アラン・ポーの作品情報が出てくるため、読んでいるとなお楽しめるかもしれません。うんちくも多めですがそれも楽しい。 -
美学(二アリイコール哲学)、音楽、文学を架橋する物語。正しい重さで理解しようとするよりも、感じ取ろうとするべきタイプかも。
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第一回アガサ・クリスティー賞受賞作品。
各章の冒頭にエドガー・アラン・ポーの作品が提示され、その作品の構造を分析することで事件の謎解きがなされるという構成になっている。
主人公は、ホームズ的役割の24才にして教授となった若き天才美学・芸術学者の「黒猫」そして、ワトソン博士的役割の「付き人」の女性である「私」。
これまで文芸作品を美学とか芸術学的観点から分析を行い、そこから事件解決の糸口を探すという構成の小説は読んだことが無かったので結構面白かった。
ただ私は理系出身なのであまり細かいところは分からないのだが、ちょっとかなりこじつけっぽいところもある様な気もした。
(特に、頭蓋骨と脳の関係に関する講釈について)
ストーリーや登場人物達の会話などは、独特の雰囲気があり著者の個性を感じさせるものでいいんじゃないかと思う。
特に作中で使用される詩の擬音のセンスなんかはすごいと感じた。
また、主人公の二人の男女がかなり不器用ながら恋愛感情をはぐくんでいく様もなかなかいいですね。
著者の文芸作品に対する深い愛情も感じれる作品なので、本好きなら読んでいて楽しい作品。 -
たぶんスタイリッシュ。しかし、残念ながら美学講義は頭に入ってこなかったです。それでも黒猫と付き人とのずれた会話に体温を感じます。
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第一回アガサクリスティー賞受賞作。
アガサ・クリスティっていうと「アクロイド殺し」とか「そしてだれもいなくなった」が先にきてしまうけど、この小説はどちらかと言えば「スタイルズ荘の殺人」とか「ホロー荘の殺人」に近いかなぁ。奇想天外なトリック!よりは人間の心理の深さ!みたいな方。
小さな日常系の謎を弱冠24才で教授職につく天才「黒猫」が鮮やかに解決!文学をはじめとする研究者が主要な登場人物なところがミソ。様々な蘊蓄が話を彩る。
といっても最初の「ポオの描くパリ」の論考はどうなんだろう。傍目から見てめちゃくちゃな感じ……というか単純に蛇足な感じがするのだけど笑 文学研究論文とか読んでみたくなった! -
掴めない飄々とした探偵役と淡々としてるようで女子なところが女子な助手役…
あれ最近何か読んだなと思ったら「花酔いロジック」の作者さんだった、納得。
ポオ研究者の主人公に因んだポオのエッセンスが絡んでる事件と、その解法が個人的に好みだった
著者プロフィール
森晶麿の作品






ちょっとやる気になりました笑
ちょっとやる気になりました笑
その黒猫のポーです
私は 最近ではそれしか読んでません
これは無謀な挑戦でしたかしら
その黒猫のポーです
私は 最近ではそれしか読んでません
これは無謀な挑戦でしたかしら
実は私はアガサは小学生の時にいくつか読んでそのままー
なんか昔はテレビで洋画劇場とかで
アガサの映画をやったんです...
実は私はアガサは小学生の時にいくつか読んでそのままー
なんか昔はテレビで洋画劇場とかで
アガサの映画をやったんですよねー
観ると原作読みたくなるじゃないですか
そこで終わってますです。