開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)

著者 :
  • 早川書房
4.05
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本棚登録 : 1635
レビュー : 153
  • Amazon.co.jp ・本 (523ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311292

作品紹介・あらすじ

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が…解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描いた短篇を併録。

感想・レビュー・書評

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  • 2冊目の皆川さん。ちょっとダークで耽美な世界観のミステリー。ダニエル先生の解剖学教室で起こった死体が増える事件の謎を個性豊かな弟子たちや、盲目の判事が追う?
    舞台となった欲望渦巻く18世紀ロンドンがまるで見てきたかのような描写でそれだけでも読み応えあると思うのに、ミステリ自体も私は最後まで分からなくて面白かった。
    何考えてるかわかんないながらもエドに感情移入して呼んでいたから最後は少し切なかったな。

  • 初めて皆川博子作品読みました。解剖とか四肢を切断とか物騒な言葉があらすじに並んでいたので読むのに躊躇していたのだけれど、どうしても気になる悪夢のようでいて魅惑的なカバーイラストが忘れられず思い切って手にとりました。もうそれはそれは夢中になりました。いやいや、のめり込んでしまったという方が正しいようです。まるで阿片チンキを入れたワインを飲まされたようなめくるめく退廃的で淫靡な世界観。その中で起きる殺人事件は何が正義で何が悪なのか、境界線がわたしにはわからなくなっていました。殺人事件は解決し、バートンズの子どもたちの明るさや利口さ、絆に救われ、ダニエル先生をはじめ子どもたちを思いやる大人たちの想いにも触れ、ただただエドとナイジェルの未来にどうか幸あれと願うことを許してください神さま。何だか心の中に重石をおかれたような忘れられない一冊になりました。

  • 溜息がでるほど美しい装丁とタイトルですね。
    自分の皮で本をつくったら、内容はミステリーにしてもらおう。そして金の箔押しを。

    ダニエル先生と弟子の子たちのやりとりが微笑ましい。
    「隠せ!」から始まるやりとりにずっとニヤニヤ。解剖ソングが可笑しくて哀しい。

    なんともやり切れないラストなんだけど、でも!
    愛してる、愛してるよ!

    こんな素敵な本格ミステリを、いやいや読ませていただき光栄です。

    • HNGSKさん
      musicarossoさん、お邪魔します。
      素敵なレビューだったので、つい。
      その作品の装丁、綺麗ですよねえ。もし、自分が解剖されたなら...
      musicarossoさん、お邪魔します。
      素敵なレビューだったので、つい。
      その作品の装丁、綺麗ですよねえ。もし、自分が解剖されたなら・・・なんてネイサンみたいなことも考えてしまいますし。
       そして、最後のエドとナイジェルのあのセリフ。「愛してる」しびれました。
       共感するポイントが一緒すぎて、コメントをいれずに入られませんでした。
      2014/01/31
    • うさぎ堂さん
      ありがとうございます。
      とっても嬉しいです!
      何を書いてもネタバレになりそうで、でも愛してるだけは伝えなきゃと思いました…!
      素敵なコ...
      ありがとうございます。
      とっても嬉しいです!
      何を書いてもネタバレになりそうで、でも愛してるだけは伝えなきゃと思いました…!
      素敵なコメントをいただき光栄です。
      2014/02/01
  • 十八世紀のロンドンが舞台。
    法医学や筆跡鑑定等の科学捜査は、まだまだ未発達な上に、警察組織も確立されていない状態の頃です。

    そんな舞台設定なのに、きっちりとミステリ。
    しかも、事件は二転三転して、最後の最後に、まさかの「やられた!」感。

    ミステリ部分そのものもとても面白いのですが、ダニエル先生をはじめ、彼の弟子のバートンズが、すごく良いのです。
    悪い人は、とことん悪いのだけれど、正義を貫こうとするサー・ジョンや、盲目の彼の目の役割を担う、姪のアン、銀行のヒューム氏等、良い人も多いです。

    併録されている前日譚の短編も、面白かったです。
    バートンズの絆にほのぼの。
    鬘をもう被らせてもらえなくなって、しょんぼりするチャーリーも可愛い!


    本編とは全く関係ないのですが、ダニエル先生の容姿についての描写を読んでいて、昔、山城新伍氏が映画解説で、ジェラール・ドパルデューの事を、「じゃがいもみたいなおっさん」と言っていた事を思い出しました。
    なので、何となく、ダニエル先生は、ジェラール・ドパルデューみたいなイメージです。
    そう言えば、ジェラール・ドパルデューは、ヴィドック役をしていましたね。

  • まだ解剖学が整っていない18世期ロンドンの
    解剖教室で起こった、死体出現のミステリー。

    隠した死体とは別に四肢が切断された少年と
    顔が潰された死体の出現。

    これだけやと王道ミステリーですが、
    色んな時代背景や事件が絡まってて
    一筋縄なミステリーじゃないところが面白い。

    皆川博子さんの作品はその時代にも興味が持てて
    毎回色んな発見をさせられます。

  • 重厚なミステリをがっつり読みたくなっていざ。当時のイギリスの生活風景や時代背景の描き方も緻密で豪華でとても贅沢。読ませていただき光栄です。

  • きかせていただき光栄です。かと思って買って帰って、よーくみたら、ひらかせていただき光栄です。だった。タイトルが。18世紀のロンドン、解剖教室が舞台。
    第12回本格ミステリ大賞受賞作だけど、ミステリなんだけど、ミステリとかそうじゃなくて物語がものすごく面白い。一気に読んでしまう。伏線が全部綺麗に自然に回収されていく気持ちよさ。キャラクターには思わず愛してしまう感じがあって、三転四転とする物語展開は全く飽きさせない。
    すごいなあ皆川博子先生。すっかりファンです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「すごいなあ皆川博子先生」
      私もゾッコンです!
      「すごいなあ皆川博子先生」
      私もゾッコンです!
      2014/07/07
  • 楽しみにしていた一冊を読み終えた。

    物語の舞台は18世紀のロンドン、外科医であるダニエルの私的解剖教室をで発見された二体の屍体の謎解きミステリー作品。

    四肢を切断された少年と顔を潰された男性は誰なのか?

    何故に四肢を切断され、顔を潰されたのか?

    捜査に乗り出した盲目の治安判事ジョンは、ダニエルと5人の弟子と共にその謎の解明にあたる。

    謎が謎を呼ぶ重厚なミステリー作品でありながら、異国の歴史を感じ、個性豊かな登場人物に魅了され、青春ドラマのような要素も含む。

    至極の作品だと思います。

    説明
    商品の説明
    18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が……解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描く短篇「チャーリーの災難」と解剖ソングの楽譜を併録。解説/有栖川有栖
    内容紹介
    18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が……解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描く短篇「チャーリーの災難」と解剖ソングの楽譜を併録。解説/有栖川有栖
    内容(「BOOK」データベースより)
    18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が…解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描いた短篇を併録。
    著者について
    1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ・幻想小説・歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、時代小説『恋紅』で第95回直木賞を、幻想小説集『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、歴史ミステリ『死の泉』(早川書房)で、1997年の「週刊文春ミステリー・ベスト10」の第一位に選ばれ、第32回吉川英治文学賞を受賞した。そして本書が2011年の各年間ミステリ・ベストで上位を占め、2012年に本格ミステリ大賞を受賞。さらに2013年にはその功績を認められ、日本ミステリー文学大賞に輝くなど、第一線で活躍をしている。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    皆川/博子
    1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ・幻想小説・歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、時代小説『恋紅』で第95回直木賞を、幻想小説集『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、歴史ミステリ『死の泉』(早川書房)で、1997年の「週刊文春ミステリー・ベスト10」の第一位に選ばれ、第32回吉川英治文学賞を受賞した。そして『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU』が2011年の各年間ミステリ・ベストで上位を占め、2012年に本格ミステリ大賞を受賞。さらに2013年にはその功績を認められ、日本ミステリー文学大賞に輝くなど、第一線で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • すこしまえに「王妃の離婚」を読んだが、知らずに似た時代の傑作を読んでいた。
    ミステリーとしても、時代考察の資料としても、最高に面白い一冊だった。「壁」「恋紅」以来の皆川博子作だったが、歳を重ねても衰えない筆力に脱帽。

  • 骨太で圧巻。翻弄され、思わず唸ってしまう。凄すぎる、と。

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著者プロフィール

皆川博子(みながわ ひろこ)
1930年旧朝鮮京城生まれ。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ、幻想小説、歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁・旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞(長編部門)を、『恋紅』で第95回直木賞を、『開かせていただき光栄です‐DILATED TO MEET YOU‐』で第12回本格ミステリ大賞に輝き、15年には文化功労者に選出されるなど、第一線で活躍し続けている。著作に『倒立する塔の殺人』『クロコダイル路地』『U』など多数。2019年8月7日、『彗星図書館』を刊行。

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