開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)

著者 :
  • 早川書房
4.04
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本棚登録 : 1257
レビュー : 121
  • Amazon.co.jp ・本 (523ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311292

作品紹介・あらすじ

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が…解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描いた短篇を併録。

感想・レビュー・書評

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  • 溜息がでるほど美しい装丁とタイトルですね。
    自分の皮で本をつくったら、内容はミステリーにしてもらおう。そして金の箔押しを。

    ダニエル先生と弟子の子たちのやりとりが微笑ましい。
    「隠せ!」から始まるやりとりにずっとニヤニヤ。解剖ソングが可笑しくて哀しい。

    なんともやり切れないラストなんだけど、でも!
    愛してる、愛してるよ!

    こんな素敵な本格ミステリを、いやいや読ませていただき光栄です。

    • HNGSKさん
      musicarossoさん、お邪魔します。
      素敵なレビューだったので、つい。
      その作品の装丁、綺麗ですよねえ。もし、自分が解剖されたなら...
      musicarossoさん、お邪魔します。
      素敵なレビューだったので、つい。
      その作品の装丁、綺麗ですよねえ。もし、自分が解剖されたなら・・・なんてネイサンみたいなことも考えてしまいますし。
       そして、最後のエドとナイジェルのあのセリフ。「愛してる」しびれました。
       共感するポイントが一緒すぎて、コメントをいれずに入られませんでした。
      2014/01/31
    • 黒うさぎさん
      ありがとうございます。
      とっても嬉しいです!
      何を書いてもネタバレになりそうで、でも愛してるだけは伝えなきゃと思いました…!
      素敵なコ...
      ありがとうございます。
      とっても嬉しいです!
      何を書いてもネタバレになりそうで、でも愛してるだけは伝えなきゃと思いました…!
      素敵なコメントをいただき光栄です。
      2014/02/01
  • きかせていただき光栄です。かと思って買って帰って、よーくみたら、ひらかせていただき光栄です。だった。タイトルが。18世紀のロンドン、解剖教室が舞台。
    第12回本格ミステリ大賞受賞作だけど、ミステリなんだけど、ミステリとかそうじゃなくて物語がものすごく面白い。一気に読んでしまう。伏線が全部綺麗に自然に回収されていく気持ちよさ。キャラクターには思わず愛してしまう感じがあって、三転四転とする物語展開は全く飽きさせない。
    すごいなあ皆川博子先生。すっかりファンです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「すごいなあ皆川博子先生」
      私もゾッコンです!
      「すごいなあ皆川博子先生」
      私もゾッコンです!
      2014/07/07
  • 十八世紀のロンドンが舞台。
    法医学や筆跡鑑定等の科学捜査は、まだまだ未発達な上に、警察組織も確立されていない状態の頃です。

    そんな舞台設定なのに、きっちりとミステリ。
    しかも、事件は二転三転して、最後の最後に、まさかの「やられた!」感。

    ミステリ部分そのものもとても面白いのですが、ダニエル先生をはじめ、彼の弟子のバートンズが、すごく良いのです。
    悪い人は、とことん悪いのだけれど、正義を貫こうとするサー・ジョンや、盲目の彼の目の役割を担う、姪のアン、銀行のヒューム氏等、良い人も多いです。

    併録されている前日譚の短編も、面白かったです。
    バートンズの絆にほのぼの。
    鬘をもう被らせてもらえなくなって、しょんぼりするチャーリーも可愛い!


    本編とは全く関係ないのですが、ダニエル先生の容姿についての描写を読んでいて、昔、山城新伍氏が映画解説で、ジェラール・ドパルデューの事を、「じゃがいもみたいなおっさん」と言っていた事を思い出しました。
    なので、何となく、ダニエル先生は、ジェラール・ドパルデューみたいなイメージです。
    そう言えば、ジェラール・ドパルデューは、ヴィドック役をしていましたね。

  • 本の厚さや舞台が外国である事、外国ならではのジョーク?が慣れずなかなか進まなかった。
    でも読み進めると二転三転する展開に衝撃が与え続けられた。本当に一気読みだった。
    最後の最後まで驚きと衝撃があった。何だこのサスペンス…
    本の厚さに挫けず、読んでもらえたら。

  • 18世紀のロンドンが舞台のミステリ。皆川博子は87歳の高齢ながら活躍する作家。本作は2012年の本格ミステリ大賞を受賞。解説は有栖川有栖、逆に『江神二郎の洞察』では解説が皆川博子。精緻な描写力と、隙のない伏線回収が見事。18世紀のロンドンなど誰も知らないが妙に現実味がある。皆川博子、実は300歳なんじゃないか・・・・・・。説明的になりがちな文化の描写が自然で、それでいて登場人物はきっちり書き分けられ、登場人物が全員生きている。翻訳のような文体が日本人の西洋のイメージをそのまま体現している。美しいミステリ。

  • ボリュームはあるが、この作者にしては軽い文体なのでさくさくと読める。本当にハッピーエンドでよかった!と珍しくニコニコしながら読み終えた。ウィリアム・ホガースの版画のことをイメージしながら読むと雰囲気出る。

  • 本格ミステリ大賞につられて読んだら、こってりグロくて食事がまずくなる系だったが、最後はすっきりとまとまって意表をつかれた。18世紀ロンドンの解剖学教室で、6ヶ月妊婦、手足なし、顔なし、の3つの遺体が次々と出現、って設定盛りすぎでしょ!暴行監獄、さらし首、墓あばき、階級格差、女装趣味、、重苦しく混沌とした前近代を舞台にしつつ、登場人物が皆どことなく優雅でコミカルなのが不思議な魅力。ミステリというより、大河ドラマを見終えた気分になる。有栖川有栖のリスペクトフルな解説がいい。80歳すぎてこれを書けるとは、さすがシニア作家のあこがれの的。

  • ある程度語られていく中で、限られていく
    容疑者のどんでん返しというのではなく、
    時代背景を利用しながら、
    この陰惨な「犯罪」を鮮やかに着地させてしまう
    二つの時系列が交互に語られる前半が、
    徐々に一つにまとまっていくところ、
    トリックとか謎解きとかではなく、
    物語自体が気持ちいい。

  • イギリスの当時の殺伐とした世界観の描写と登場人物の魅力がすごい。ミステリとしてもハッとさせる展開だった。

  • 18世紀のイギリスが舞台ということもあり、文化や当時の医学のレベルもわからず、また外国人の名前を覚えるのにも苦労し度々最初のページの登場人物説明を見直しながら読んだ為、かなり疲れました。内容的には素晴らしく面白いとは思うのですが、「訴えられなければ、人殺しても、お咎めなし」って、そんな時代を舞台にミステリーってどうなんでしょうね。やはり想像力に欠ける私には外国が舞台の小説は合わないと感じました。

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プロフィール

皆川博子(みながわ・ひろこ)
一九三〇年、京城生まれ。東京女子大学英文科中退。
72年、児童向け長篇『海と十字架』でデビュー。
73年6月「アルカディアの夏」により第20回小説現代新人賞を受賞後は、ミステリー、幻想、時代小説など幅広いジャンルで活躍中。
85年『壁――旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会協会賞、86年「恋紅」で第95回直木賞、90年「薔薇忌」で第3回柴田錬三郎賞、98年「死の泉」で第32回吉川英治文学賞、12年「開かせていただき光栄です」で第12回本格ミステリ大賞、13年 第16回日本ミステリー文学大賞を受賞。
異色の恐怖犯罪小説を集めた傑作集「悦楽園」(出版芸術社)や70年代の単行本未収録作を収録した「ペガサスの挽歌」(烏有書林)などの傑作集も刊行されている。

「2017年 『皆川博子コレクション10みだれ絵双紙 金瓶梅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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