ファンタジスタドール イヴ (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.94
  • (34)
  • (53)
  • (26)
  • (3)
  • (3)
本棚登録 : 375
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311308

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • え?これアニメだと美少女日常系なの?嘘でしょ?と感じてしまった、「ファンタジスタドール」というアニメの前日譚を書いた小説。アニメは見ていないのだが、これを読んでいるとてっきり鬱々としたSF作品かと思った。

    そう、本作はエンタメSF版私小説とでも言おうか、根暗な主人公の一人称で語られる展開や言葉選びや音引きの使い方など、大正期から昭和初期の純文学を思わせるのだ。その癖読みやすいのだから、著者の筆力に脱帽だ。

    男女間に限らない、情愛と心の距離と体の変化、その機微もよく描かれ心が痛む。

  • 父子家庭に育ち、幼少期から使用人、同級生、など身近な女性たちと性に纏わる背徳的な思い出を重ねながら、それを払拭するかのように研究に打ち込む主人公と、その前に現れる、婚約者に裏切られた過去を持つ同僚。研究室の後輩女性を巡る主人公の想い、そこから導かれるものとは。

    これまでの「THE野崎まど節」のようなテイストではなく、どこか純文学や古典SF小説の香りのする文体。最後の最後の活字遊びが野崎風味?(でも多分野崎氏オリジナルの発想ではなく、メディアミックスありきの設定として前提に決まってた部分なんだろうな)

  • 薄いページ数に反して濃厚な体験でした

  • 野﨑さんが書く、と聞いて事前にアニメもちょっとチェックしておいたくらい楽しみにしていたのに、購入後積んでる間に見失って悲嘆にくれていましたが、このほど発見。面白すぎて泣きそう。
    純文系シリアスギャグ素晴らしいです。
    主人公と遠智さいこう。
    とりあえず、\ファンタジスタッドー/

  • 戦前かと勘違いするような古風で淫靡な雰囲気。女体に固執し、懊悩するマッドサイエンティストの独白が綴られます。女という生き物に絶望した彼が禁断の人体生成術の研究に至るまでの物語です。
    しかし…やめとけばいいのに、元のアニメを見て…脱力しました。
    この小説の尤もらしい物理学の結果があの理想のヨメ⁈ 人間捨ててまで、まさに狂気の所業ですね‼︎
    シリアスを貫く高度な笑い、嫌いじゃないです。

  • 野崎まどの名に惹かれて購入。アニメは未視聴。

    女性の身体、特に乳房に複雑なる感情を抱く青年が、人間であることから離れ、初めてのドール・イヴを作るまでの話、だと思う。だと思う、と書いたのは、後半は推測でしかないから。人間らしい生き方を教えてくれた親友と好意を抱いた女性から離れ、高次元の思考を持つがまともな人間とは軸がずれている青年と女性生成を目指す。まるで太宰治の人間失格を読んだかのように、自らの異常性の吐露と人間になろうとしてならなかったことなどが書かれる。アニメも見たくなったが、この小説にあるような重厚で秘めたような、ともすれば暗い告白をするような雰囲気はないのだろう。明るい女の子達のキャッキャうふふを見せられた日には堪らない。

    とても良い作品でした。本に厚みはないが中身が薄いとは全く思わなかった。

  • アニメ「ファンタジスタドール」の前日譚…らしい。
    アニメの知識無しで読んだが非常に面白い。世界観が確立しており年表まであり実在かと錯覚させるほどに作り込まれている。
    アニメも見てみようかと思う。

  • 野崎まどさんが著者ということと、あらすじが生々しそうだったので購入。元となったアニメはこの作品がきっかけで知りました。アニメの絵を見て、読み終わって、またアニメの絵を見てみて、その空気感の違いがすごいなあ、と。これ本当にアニメの前日譚であってるのか、私の勘違いじゃあるまいなと今現在も混乱中。どう考えても、アニメは「乳房がー」「私は狂ってるー」みたいな話じゃないと思うんだ。読んでて、『人間失格』を思い出すような、男の暗い心の話だったから尚更分からん。とりあえず、とっても好みでした。アニメも調べてみよう。

  • 妄執の話、或いは童貞を拗らせた話(実際そうではないのだが)。最後の事故以降は宛ら質の悪い冗談の如き雰囲気なのであるが、素っ気なく添えられた年譜や、何より解説の監督の口振りがそのまま「秘密結社」の一員であるかの様であり、何とも笑えない。

  • TwitterのTLで話題になっていた+同じ作者の『know』が面白かったので、アニメーションの朧げな概要以外、殆ど何の予備知識もないまま購入。



    …最後まで読んで、「何だそのオチはっ!」とリアルに叫んでしまった…(笑)
    (簡単に、矮小化した表現をするのはどうかと思うのだけれど、上手く言葉にできないので致し方ない。)
    「拗らせる」とは、こう云うことなのかしら、と思いました。
    何となく、色々な方面へものすごい波紋を投げかけたのではないでしょうか…。勿論作者自身も自分で少なからずなダメージを被っただろう、とも。
    大変面白かったです。

著者プロフィール

『[映]アムリタ』が第16回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》を受賞、同作品にてデビュー。『know』が第34回日本SF大賞にノミネート、『バビロン』がTVアニメ化。ほか、TVアニメ『正解するカド』、劇場アニメ『HELLO WORLD』の脚本も手がけるなど、多方面で活躍中。

「2019年 『舞面真面とお面の女 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ファンタジスタドール イヴ (ハヤカワ文庫JA)のその他の作品

野崎まどの作品

ツイートする