富士学校まめたん研究分室 (ハヤカワ文庫 JA シ 4-2)

著者 :
  • 早川書房
3.56
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本棚登録 : 307
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311322

作品紹介・あらすじ

陸上自衛隊富士学校を舞台に、理不尽な挫折を味わった女性技術者による多足歩行ロボット戦車の開発と実戦投入を描く近未来技術開発SF

感想・レビュー・書評

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  • 人の命が何より重いこの国で、戦争をするために人の命を軽くする。
    二人の関係が進んでいくと同時に、着々と進められる戦争の準備、人を殺すための準備。
    不器用ながらも進む恋愛、語られる将来、そこに人殺しの未来が透けて見えるのがかなりつらい。
    しかしそれこそが兵器を作るということ。

  • 1つ1つできることを論理的に組み立ててものを作っていく描写がていねいで、でも制御アルゴリズムや物理設計といったSF部分は要点のみの描写に絞られていて、全体の軽い雰囲気がよかった。ラブコメパートが横やりなしのどストレートで個人的にどストライク。まめたんの敵味方識別法がちょっと危険な気がするが……

  • 読み始めのつかみはよかった。中盤、主人公の面倒くささと進展しないストーリーに少し疲れた。まめたんの開発がある程度軌道に乗って、主人公たちが落ち着くころ辺りから俄然面白くなってくる。
    終盤の東アジア情勢は、ありえないと笑い飛ばせない内容なだけに、うすら寒いものを感じずにはいられない。

  • なんだろう。
    独りよがりのめんどくさい女子のラブコメかと。いや、年齢が30だからめんどくさいのか。これが、10代ならラブコメですよ。

    まめたんは、タチコマにしか思えない。大きさは、ダイブ違うけど。あ、あれだ。タチコマの後継機のほうだ。
    やっぱり、大きさは全然違うけど。

    近未来の日本が舞台。アジア情勢ってこうなるのかなぁ、と思わせるシーンも多々あり。
    一番真に迫ってるなと思ったのは、反日・反韓感情ね。

    最終的に、殺伐とした社会への第一歩を踏み出す未来になるんですが。まめたんの存在(名前の愛らしさで、兵器である恐怖感を減らす)と、ラブコメの結実で、悲壮感は少ないかな。

    自動操縦のまめたんの進撃は、兵器である存在意義を存分に発揮してます。怖いですね。
    ピエロの怖さ。表情は笑ってるけど、目の奥は無感情みたいなピエロの怖さ。

    でも、SFというよりはラブコメの印象になるかな。
    一人称だからかな。

  • 青春SF小説かな?と思って手にとってみたら、有川浩風のミリタリー恋愛ラノベでした。データリンクシステムを搭載して群体として半自律行動する多脚戦車というアイディアは読み応えはあった。けど、この話が何を言いたいのか、メッセージ性がなくて、読後感がイマイチさっぱりしないのが残念。女子向けの内容なのかな?

  • せっかく造形したアラサー工学系女子なのに、すんなり信士くんとうまく行ってしまうのにはちょっと残念な感じ。主要登場人物が少ないからある程度仕方がないことか。あとがきにもあるように、物語自体は創作なのだろうけれど、自衛隊や近隣諸国との歴史のifはなかなか興味深かった。本書が書かれた当時はたしかにこんな未来もあるかもしれないという気がしていた。まめたんの六本足の説明を読んで、昆虫やタチコマが同じく六本足なのに納得した。ラストのあたりのネットワークで情報を共有する姿はまさにタチコマと同じで、未来のロボット像を見た気がした。

  • sg

  • 『マージナルオペレーション』で出てくるまめたんの開発秘話兼いとうさんの生い立ちからハッピーエンドまでの話。
    『マージナルオペレーション』とは違ったトーンではあるが、これはこれで面白かった。

  • SF。恋愛。ミリタリー。
    ストーリーはわりと真面目、けど基本はラブコメ。
    軽く読めて良いし、個人的に女性研究者に憧れているので、主人公にも感情移入しやすかった。
    『セルフ・クラフト・ワールド』に続き、この作品もなかなか好み。他の作品も読みたい。

    "ロボットが戦場に出るのは、もうSFの話ではない"(317ページ)
    SFと時代の流れについて考えさせられる、この一文が印象的。

  • 評価が低いのは、お話がつまらなかったからでは無く、恋愛モードの分量が予想外に多かった上、読んでて(身につまされるものがあって?)辛かったから。客観的には☆四つくらいかな?

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著者プロフィール

ゲームデザイナー、作家、漫画原作者。
第5回日本ゲーム大賞優秀賞、第32回星雲賞メディア部門を受賞した『ガンパレード・マーチ』をはじめ、『絢爛舞踏祭』や『ガンパレード・オーケストラ』三部作などを手がける。
その特異な世界観と研ぎすまされたシステムから、「芝村ゲー」と呼ばれ、高い評価と熱狂的なファンを多数獲得している。
小説の代表作に『マージナル・オペレーション』シリーズ(星海社FICTIONS、全5巻)があり、同作は『月刊アフタヌーン』でコミカライズが連載中。また、『マージナル・オペレーション』前史にあたる新シリーズ『遙か凍土のカナン』(星海社FICTIONS)もヒット中。近年は多くの漫画原作も手がけている。
現在、世界観設定などを担当したブラウザゲーム『刀剣乱舞』が大ヒット中。Twitterアカウント @siva_yuri

「2023年 『マージナル・オペレーション [F3]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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