黒猫の刹那あるいは卒論指導 (ハヤカワ文庫 JA モ 5-2)

著者 :
  • 早川書房
3.95
  • (68)
  • (110)
  • (73)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 959
感想 : 94
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311353

作品紹介・あらすじ

卒論に悩む私は、ある事件をきっかけに黒いスーツ姿の青年から美学とポオの指導を受けるようになり……『黒猫の遊歩あるいは美学講義』の2年前、二人が黒猫と付き人になるまでの物語

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「黒猫」シリーズのゼロ・エピソード集。
    本シリーズの語り手である助手と黒猫の出会いから、半年のあいだに起こった出来事を綴った連作短篇集です。
    短篇ですが、美学の観点からポオ作品を紐解いていくドキドキ感は変わりません。

    ストーリーが進むに連れて呼び方が変わっていたり、相変わらずの思わせぶりな黒猫の発言があったり…と、2人の関係の進み方にもドキドキさせられっぱなしでした。

    相変わらず登場人物たちが美男美女で、少々気圧されてしまいます。
    その中でも群を抜いた存在感を放つ黒猫に圧倒されつつ、しかしこの先も見続けたい魅力を感じているのでした。
    シリーズ続編も追いかけていこうと思います。

    そして、巻末に収録されているインタビューでびっくり!
    著者は男性だったのですね!!
    女性視点でストーリーが進んでいるため、いつの間にか女性作家なのだろうと思い込んでいたのです…。
    結果的に「そ…そうだったのか…」という衝撃の余韻が一番強烈に残った読後でしたw

  • 黒猫シリーズ第4弾。黒猫と付き人がまだ学生時代だった話をまとめた短編集。スピンオフに近いものがあるので、本編とはあまり関係ないだろうと、読まないつもりだったが、第5弾の「約束」を読んだら、無性に読みたくて、珍しく人に借りて、読んだ。シリーズ5作目にして、ようやく面白さが分かってきたような、と言うか、作家さんの力みが少なくなってきた分、読みやすくなってきたような、とにかく読んでいて楽しい。洒落た言い回しも、最初は苦手だったんだけど、最終話の「最後の一壜」に出てきた「モントレゾール」、この一言に涙がこぼれた。「約束」を先に読んでしまったので、残るは「回帰」のみ。本来、シリーズは続けて読まないけど、これは読む!

  • 刹那ーほんの一瞬でしかない今の積み重ね。


    黒猫と私が親しくなった学部生時代のお話。
    を、私が黒猫の付き人になってから思い出すかたちで綴られている。

    相変わらず、美学講釈は完全には理解していない。
    読み戻ったりしてみても、んーーーー。
    それで、私はいい。
    でも今までよりも理解できたような?

    黒猫はいつから私を見つめていたんだろう?
    かなり前から観察してたよね。

    3年半後、パリに行っちゃう前(私はまだ知らないけど)手を繋いで歩いてるよね?
    モントレゾール君って呼んだよね?
    私の宝物、だよ。
    この、距離感もはっきりせず、こちらの妄想を掻き立てるだけ、ってもおーーーー。
    著者にやられっぱなしである。

    まだまだシリーズは続くので、楽しみに楽しみに。

  • 黒猫と付き人の出会いから今に至るまで、学生時代の出来事を綴った短篇集。本作では付き人の身に危険が迫り、ヒヤヒヤしたが、黒猫のナイスフォローに「おお~っ」と思わず拍手をおくりたくなった。というか、最初から目をつけてたんじゃないか、黒猫くん。それにしてもエピローグ、着物で乗って大丈夫なのか……?

  •  これだけは読んでなかったのを今更。付き人と黒猫の学部生時代の話なので、最新のラビリンスまで読んでいる身にとっては最初違和感。

    1話「数奇のフモール」
     噂に聞いていた2人の出会いの物語にしていきなり付き人が危険な身にあっているではないですか!!唐草教授の件(薔薇参照)を知っているとますます叶わないんだよなあと思ってしまう。それもまた皮肉。

    2話「水と船の戯れ」
     学生時代の自分に教えてあげたかったー!船の中に水は自分のことも少し重なるものがあって、なんだか分かるなあ。この辺りから黒猫のいつもの調子の片鱗が出てきて、お?ってなったり。

    3話「複製は赤く色づく」
     遊歩の2話の前の話だけどこの辺りから付き人と黒猫の関係が固まりつつある。赤死病がコロナと重なる。

    4話「追憶と追尾」
     またしても付き人を危険に晒したい森先生の癖が。。。ディストピアも似たようなテーマだったなと思いつつ、どこか重なるところがあった。

    5話「象られた心臓」
     黒猫シリーズには珍しいダークな感じの話。黒猫のポーカーにはこっちもドキドキしたし、付き人が怒るのもそうだそうだ!!

    6話「最後の一壜」
     自分も「アモンティリヤードの酒樽」の最後の一文は気になっていたのでその解釈はなるほど。水はある意味2話に回帰しますね。。。最後にサラッと黒猫がね。。。

    エピローグで今まで謎だったことが少し分かって、このやろー黒猫!と思いつつ、やっぱ2人はなるべくしてなったんだなと改めて思った。また遊歩に戻りたい。

  • 今回もよかった!!!
    黒猫は学生時代から素敵過ぎたなぁー。
    こんな人がいたら、そりゃ気になるよねぇ付き人。わかるよ付き人。
    2人ともかわいい!それに微笑ましくて、とても癒されました。
    ミステリーも秀逸。
    もっともっと続き読みたいなぁ。

  • 上質のワインが喉を通った後のようなすばらしいこの余韻。
    なんてステキな酔い心地。
    黒猫と私との出会いと極めて美学的事件の数々の短編集。

    ひとつひとつの物語が宝石のように輝いている、そんな1冊。
    買ったのはずいぶんと前だったのに
    大事に大事に一章ずつ読んでいたのでわたしにしては珍しく時間がかかった。
    それでも読み終えるのがもったいなくて。
    もうちょっと黒猫と私の美学的世界にひたっていたかったな。
    この後味が消える前にぜひ次作を!

  • ポオの名前は知っているし、作品の名前も知っている物もある。だけど何となく敬遠して読んだことがなかった。
    その作品を知っているとより楽しめるんだと思ったし、逆にこの小説を読んでポオを読むこと面白そうだと思った。
    二人の関係性が心地よい。

  • 今回もポォ作品に絡めた短編集。黒猫と私の出会いの話。これが第四弾なのか!!前日譚だから違和感なく読めたけれど…そもそも第一弾が前すぎて覚えていないというか…合うか合わないかといえば合わない(笑)けれどつい読んでしまう。

  • 黒猫と付き人が出会う話。お互いに意識しているように感じる表現が、ところどころ読み取れた。付き人は博士課程に進むのか悩み、自分の研究に自信が持てないでいたが、黒猫との出会いが付き人の行く方向を定めていく。論文や研究に対する黒猫の考え方を知ることができて興味深かった。

    私も数年後には、卒業論文を書かないとなんだな。

全94件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森晶麿の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×