- 早川書房 (2014年1月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784150311445
作品紹介・あらすじ
映画監督志望の青年は、孤独死した老人の部屋でフィルムを見つけ、その軌跡を辿り……
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
孤独死した老人の遺品を通じて、青年がその人生を紐解いていく物語が描かれています。主人公は映画監督を目指す青年で、彼の成長と共に、戦争を経験した世代の思いや社会問題が浮かび上がります。遺された8ミリフィ...
感想・レビュー・書評
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涙の良作の一冊。
孤独死した老人の遺品を手にした青年が彼の人生を紐解いていく物語。
また一つ知る戦争という負の歴史。"伏龍"特攻隊。
なんて愚かな作戦か…。実験、任務を遂行しようとする特攻隊の心中はいかほどのものか…文字を追う度、心に打ち寄せるのは涙の大波。
そしてその時代を生きた人にしかわからない想いがあることを終盤に教えられた、見つめることができた良作だった。
亡き人の真の心はわからないけれど、散りゆく誰ものあの瞬間が幸せだけを感じる終幕だったことを信じたい。
そして平和の尊さを教えてくれたことに敬意を払いたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公は門川。
映画監督を目指し田舎を飛び出した青年。挫折を味わい、アルバイト生活に追われていた。
マンションの管理人業務の際に、帯屋老人の死に出会すことになる。部屋の整理を任された門川は、8ミリフィルムや映写機を発見する。そこに映された映像に強く心惹かれ、物語は動き出す。
孤独死、無縁社会、限界集落。
社会問題の渦中にいる人々の生き方や、戦争を体験した世代の価値観が交錯する。
日本の戦争が終わっても、戦争を経験した人たちは終わらない何かを抱えて生きて、死んでいく。
門川青年は帯屋老人の生涯を追ってドキュメンタリー映画の制作を決意する。
8ミリフィルムから始まった物語は、決して孤独という言葉だけでは表現できない複雑なものとなった。
門川青年の映画監督になるという夢は、最後に一筋の光に照らされることになる。
老人は人生のエンドロールに沢山の人達の名前が載ることに誇りを抱いて逝った。決して孤独なんかじゃなかった。
読了。
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主人公、映画監督になることを夢見ながら、アパート管理のバイトをする青年。彼が管理を担当するアパートで独居老人の孤独死が起きる。遺品の中には8ミリ・フィルムがあり、その中の映像に主人公は心惹かれる。
そして、亡くなった老人の人生を探っていくうち、太平洋戦争末期のある〝秘密〟にたどりつく。
……と、いうような話。
独りぼっちで亡くなっていったように見えた老人の生涯に、じつは多くの人との豊かな絆があり、熱い思いがあった。それを静かに浮き彫りにすることによって、作者は行間に秘める形で生命賛歌を謳い上げる。 -
映画のノベライズのようなイメージ。言いたいことは分かるが、やや説明が過ぎる感も。
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「一人で生まれ、多くの方と縁を作り、そして一人で旅立つ」この作品を読むまでは、これが寂しいと感じていた。今は違う。完全に逆転こそしてはいないが、人生のエンドロールに連なる名を見たとき、その一人一人の優しさを思い浮かべ、感謝出来る。そんな人生をおくりたい。それが「繋がり」だとか「絆」であるのなら、これらの言葉をもっと大事にして行きたいもんだ。
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ある人の人生が幸せなものか、そうではなかったかを評価するのに、ある一点をもってのみで、軽々しくなされてはいけない。そんなことを考えさせられます。
同時に、主人公である映画監督に憧れるフリーター青年の成長も嬉しい。
そして、田口幹人氏の解説にグッと来ます。
▲とにかく、人間の死を扱いたいのなら、地に足つけて生きることから始めるんだな。生き様が死に様なんだから▲ -
映画と戦争と廃村。好きな要素。
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死(孤独死)に対する考えが少し変わったような気がします。 奥の深い物語でした。
人は生前いろんな人と出会い、語り、泣いて、笑って、生きてきたんです。誰ひとり孤独で亡くなる人なんていません。
私もここで一人のまま逝くことになるでしょう。でも、私のことを少しでも、覚えてくれる方がいらっしゃるはず。それが縁というものでしょう。私はそれでいいと思っています。一人であっても、心の中に会いたい人を思い描いて、豊かな気持ちでこの世から去りたいんです。 -
孤独死という言葉その方の人生を否定出来ないということを教えてくれた
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映画監督になる夢が挫折して、アパート管理人のバイトでただ日々を過ごす青年・門川。孤独死の老人の遺品の中に8ミリフィルムを発見し、その映像に惹かれた彼は老人の人生を辿る。
現代社会の孤独死問題と、日本国家が犯した最大の過ちである戦争。一人の男性の人生を、全く縁のない青年が執念で追うという設定が見事だ。未来の自分自身を重ねた『孤独』という状況を徐々に打ち破る展開が巧みである。自分の人生は自分が主役だ。エンドロールには多くのキャストの名前が連なるが、最初は主役である自分の名前である。 -
うーーーーーん。これ以外と評価高いんですねえ…。なんか孤独死からのめり込んでいく気持ちの流れがイマイチピンと来なかったのと、最初の物凄い勢いで隠ぺいを図った状態から最後ああいう風に終わるかなあ?という部分が全然腑に落ちなかった。結局ノートの意味は、そしてそう思った理由はってのもよくわかんなかったし。適当に読み過ぎたせいかなあ…。
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凍花より格段に良い。あ、間違えた、白砂より面白い。
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孤独死の男性のそれまでの人生をたどる。テーマは重いけれど、文体の軽さからかさくさくと読むことができた。遺品の中から、それまでの人生に関わってきた人の名前が浮かぶ。しかし、その中で一様に語らないある人のこと。ミステリーの要素もありつつ、人生そのものはどんなものかを考えさせられた。
最後の投稿文がとてもいい。 -
なんか地味な作品なのに引き込まれてしまう。
孤独死とは単に死んだ時の状態が一人だったということで、大切な思い出の人たちがいたり、思い出してくれる人たちがいるのなら孤独では無かったのだろう。 -
孤独死によって明らかになる特攻隊員達の戦後を描いたミステリー作品。
地方の過疎化を鋭い観点で著述されており、都市市民が忘れてはいけない知識も重要な要素でありノンストップで読ませる。
そして、私が観たことがない名作映画を是非とも観なくては、マズいと思わせるぐらいに絶妙なエッセンスとしている。コアな映画ファンにも読んでいただき、作中の映画の評価を聞いてみたいです。
「永遠の0」に感動した人にはオススメと行きつけの本屋さんの宣伝メッセージが購読のキッカケでしたが、「永遠の0」は越えないかな。 -
遺品の8ミリフィルムを見て惹かれたことから門川くんの道行きが始まる。孤独に亡くなった老人にもそこに至るまでの道がある。エンドロールに流れる関係者の方々に恥ずかしくない生き方をしているだろうか……
著者プロフィール
鏑木蓮の作品
