リアクト (ハヤカワ文庫 JA ホ 1-3)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 445
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311544

作品紹介・あらすじ

2300年から来た少女・ホタルによって1992年夏に起きた『リライト』の真実が明かされる

感想・レビュー・書評

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  • 4つのプロローグから始まり、前作『リビジョン』で感じた違和感を序盤でちゃんと疑問として提示してくれて、『リライト』がそのまま作中作として存在して、メタミステリじみてきてますます好みの作品になっている。

    だがしかし、その分とてもややこしく複雑になっている(ぎりぎりついていけてるかなって感じ)。
    一応作中でお話を整理してくれている(んだろう)が、それを完璧に理解してるとは言えない。
    まあ、時には分かったふりをして読み進めるのも読書する上での一つのコツだと思う今日この頃。特にこういうSFは。。。

    ただそれでも最終巻『リライブ』でどういう結末を迎えるか気になることには変わりない。

  •  リライトの解答編になっているようで全然わからない三巻目。

     リライトで雨宮友恵が何をやったのか。
     実際に起きた過去と、雨宮友恵が小説家として書いた「リライト」との違いは何なのか。
     
     西暦3000年からやってきた園田保彦を追うホタルが、友恵と保彦の邂逅に介入する。
     友恵とホタルが仕組んだ演技、リアクトとは。

     実際に起きたことに加えて、あらに友恵が書いた小説の内容がごっちゃになって構造が分からなくなってきた。

     未だに話の構造が分からないまま最終巻、リライブに続く。

  •  『リライト』『リビジョン』に続くシリーズ3作目。平たく言うと未来を変えるために過去を望む方向に持っていく話なのだが、実際にあった過去と『リライト』で描かれた過去が混線しながら話が進むため、かなりややこしい。正直理解しきれていない。
     『リライト』で悪役だった雨宮友恵が実質的に主人公となり、『リライト』の種明かしという側面が強い今作だが、解決しきったわけではない。特に『リビジョン』の話には全然触れられないので、『リビジョン』の話はなんだったんだという気になる。シリーズ最終作『リライブ』でそのへんが総括されるのかもしれない。

  • シリーズ3作目。これが一番面白かったかも。イマイチ何を言っているかよくわからないところもありつつ、1作目「リライト」のからくりや新事実もわかったので楽しめた。

    でもやっぱり何だか置いてけぼり感があるんだよなー。説明がわかりづらいのか、私の理解力が足りないのか。2作目ほどではないにしても、一方的にどんどん話を進められている感覚は今回もあった。急に双子になった気もしたし…。

    4作目で完結らしいんだけど、今回で終わりで良いのでは?というのが正直な気持ち。キレイに終わったと思ったんだけどな。

    3部作と思い込んでいて4作目は持っていないので、買うか迷うところ。最後でスッキリできるなら読みたい。

  • はぁー、もう考えるの嫌になってきた。
    わざとなのか、説明がわかりづらいんだよな。
    もう気になったところが矛盾なのか、物語上のパラドクスなのか判断がつかなくなってきた。
    時間SFというよりファンタジー色が強くなってきて、「何でもあり」みたいになってきたのも引っかかる。

    『リライト』の物語を違う視点からひっくり返してくる、というのは面白かったのだが。


    以下内容メモのため、ネタバレ注意。



    ※ネタバレ注意※

    ・岡部蛍=友恵
     穂足から霞と保彦の話を聞いて、『リライト』を書く。
    ・坂口穂足
     1992年の岡部町に転校してきて、友恵の家に住む。
     保彦の物語が始まる前に、学校から脱出。
     美雪の担当編集者・相良となる。
    ・ホタル
     西暦3000年のタイムパトロール。
     保彦を追う過程で未来に帰れなくなる。
     自らに暗示をかけ、美雪として過ごし、「時を翔ける少女」を執筆。

  • 前2作「リライト」「リビジョン」を読んでいることが前提で、相当しっかりと考えながら読まないと混乱します。しかもそれまでに受けた衝撃と起きていると思っていたことがここで違った観点で覆され驚きました。それによってさらに混乱し、正直一部は分からないまま放棄…。読みなおすなら最初からだけれどそれでも理解できる気がしなくて。4冊で完結とのことなので完結巻が出たら、三冊を再読して挑むか、いっそ結末までわかってから4冊通して読むか、と考えています。こんな状況でも次作でどんな結末を持ってくるかすごく楽しみだったりします。

  • 前々作『リライト』前作『リビジョン』から続くシリーズ3作目。『リライト』の裏側の真相が明かされており、事態はより複雑化しエントロピーの増大した構成となっている。パラドックスの穴をつきつつ、矛盾を改めて演じ直すというのは分かりにくいものの、その真相は圧巻で非常にロジカルなものとなっている。前2作にあったホラー的な要素はやや薄れているものの、代わりにSF色とミステリ色は濃くなっている。理不尽を結末に置くことの多い著者ではあるが、今回はその理不尽さは動機になっている趣が強く、理不尽に演じ直す(リアクト)していく様は非常に面白かった。余談だが、文章は個人的にはかなり好みで複雑な構成ながら分かりやすく感情的な文になっている。

  • 三作目。
    これが、シリーズで一番難解なんじゃないか。
    一作目の設定を、あくまでくだらない自己満足に仕立て上げ、乗ってあげてる的なムードが満載。
    甘酸っぱい恋物語みたいなものは書きたくないんだな、てのはよく分かった。

  • 2018年75冊目。案の定複雑。今回の展開は面白かった。新しい複雑なピースがピッタリとはまっていく爽快感がある。

  • やっぱり一度読んだだけでは理解が追い付かない。
    未来のタイムパトロールが繰り返す7月に巻き込まれる話。
    冒頭でミステリーかと思わせておいてただのラストへの繋ぎ回のイメージ。

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著者プロフィール

1982年、静岡県生まれ。『バイロケーション』で第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞。

「2010年 『バイロケーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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