ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
制作 : redjuice 
  • 早川書房
4.13
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本棚登録 : 1899
レビュー : 184
  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311667

作品紹介・あらすじ

優しさと倫理が支配するユートピアで、3人の少女は死を選択した。13年後、死ねなかった少女トァンが、人類の最終局面で目撃したものとは? オールタイム・ベストSF第1位

感想・レビュー・書評

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  • なんか映画をちょっとだけ見て、そちらもやめてしまって、ちょっと残念だった映画のイメージがついたまま小説に言ったら、小説もあまり楽しめなかった。

    これは私のせいなので、原作から映画に行くような習慣は作りたいなぁと思った。

  • 天才の所業、私にとっては言葉が出ないほどに名作
    この本に出会えて本当に良かった

  • 虐殺器官より面白かった。etmlのアイデアは感動した。メインの意識に関するアイデアは、その実現可能性も含めて納得いかないところもある。アクションもよい。少し典型的な場面は違和感もあった。

  • ハーモニー…この小説の世界観はなんともいえない気味の悪さを感じる。

    さこの世界は大災厄が起こったあとの日本の話だ。
    二度と悲劇を繰り返さないように人々は平和な世界の実現を目指した。

    子供はリソースとして社会に存在し
    大人になるとwatchmeという機械を体に埋め込まれる。

    「あなたは残酷なものを見ました。セラピーを受けてください」
    「体重が一キロ増えました」「この食事は塩分が…」
    などなど、人々の体を1から10まで管理してくれるので
    人々は病気から解放された。

    おまけに人の健康状態や個人情報まで知ることができる。
    つまり、犯罪を犯せばすぐに知られることになる。
    その前に人々は平和な世界で善意に包まれて生きているので犯罪すらない。

    そのお陰で、この世界は平和になった。

    しかし、優しさで窮屈なこの世界で 
    平和を憎んでいたミァハという少女がいた。
    彼女もこの世界では重要な資源だ。

    物語の主人公トァンとキアンと共に
    このきれいな世界を汚すために自殺という形で
    抗議することにした。
    リソースである自分を殺すことで社会に
    痛手を負わせようとするというお話。

    この小説…特に序盤は読んでて謎の窮屈さに見舞われました。

    ちょうど「規制」「嫌煙」「悪影響」などと
    ヒステリックにがなりたてる人々を見たときのような
    居心地の悪さににている。

    人間には少しの毒も必要なのだ。

    それを一切、取り除いたら
    人はどうなるだろう?本当に平和になるのだろうか?
    そう考えさせられた。

    ちなみに、この物語は自殺に失敗し大人になったトァンが主人公。
    前作の「虐殺器官」がハードボイルド系統だとすると
    「ハーモニー」は少しミステリー風味で楽しむことができました。

  • 健康や感情、すべてが管理された平和な世界で自分の意思というものがどれだけの価値があるのか。少女たちはそれを確かめるために自殺を試みた。
    世界観にすごく浸れる厨二心満載のテンポのよいSF、なのですが私は百合を期待しすぎたんです。ある人はきっとこれが究極の愛の形とか言いたくなるやつ。

  • 2冊目として読了。「平和」であることの意義・理由を問うという点では良い。アニメ版も比較的忠実で良かった。
    読後感は別として、雰囲気としては平和な本書の方が好みではあった。

  • 第4回(テーマフリー)

  • アニメがなかなかよい作品で原作を読んでみる気に。文字で読んでこそ面白い物語。アニメで背景説明が足りなかった部分も補完されて満足。

  • 徹底的に管理された「幸せなやさしい世界」。
    ユートピアの仮面をかぶったディストピア小説。
    でもそう考えることすら正しいのかわからなくなる。個人とは何か。自己とは。

    世界観は好みなんだけど、SFになじみがないせいか、文章が読みにくかった。

  • 作者は世界を書きたかったのか、それとも人間を書きたかったのか。
    読みながらずっと考えていた。

    世界を書きたかったとしたら、それはかなり成功していると思う。
    清潔で安全で健康な世界。
    病気で人が死ぬことがほとんどない世界。

    生命至上主義というのだろうか。
    身体に悪いものはどんどん排除していく。
    麻薬、タバコ、アルコール、そしてカフェインの規制へと続いていく。
    怒りや悲しみだって血圧を急に上げたり、食欲を低下させたりしたならば、体内に埋め込まれた健康維持装置の指導の下、正しい数値に戻るよう精神を安定させられる。

    健康こそが絶対の善の世界は、きれい過ぎて息が詰まる…なんて人すらもう少数派。
    ガン撲滅の研究を最初にしたのは、タバコのない世の中を作ろうとしたのはナチスだった。
    絶対の善からはみ出ることを許さない世界は、選択という行為を必要としない。
    誰も考えない。
    争いも競争もない恐ろしい世界。

    この物語の主たる語り手である霧慧トァンの少女時代の友人御冷ミァハ。
    自分が自分であることを手放したくないという彼女は、大人になるとWatchMeというチップを埋め込まれ、体の内部から自分自身をモニタリングされることに反発し、「大人になるまえに一緒に死のう」とトァンと、もう一人の少女零下堂キアンを誘う。
    洗脳するかのようにこの世界の欺瞞をあげつらうミァハ。
    健康に生きながらえさせられているために、生きている手ごたえを、痛みを、苦痛を感じることのない世界の薄っぺらさ。

    ミァハの勢いにうっかり流されそうになったけど、この世界が嫌なら、少数ではあるけれどこの世界のシステムに加入していない人たちの元へ行くことはできないのか。
    中東の紛争地帯に住む人たちだけではなく、きっと太平洋に浮かぶ小島やアマゾンの流域や山の奥などに隠れ住む人たちはいるはず。

    ミァハと死のうと思ったのに生き残ってしまったトァンの後悔。
    世界にも自分の人生にも期待も希望も持てずに生き続けるトァン。
    ミァハの詩から13年後に突然自殺するキアン。

    そういう話なのだと思って読んでいたら、残り数十ページでひっくり返る世界。
    え?ミァハ?
    世界はそれでいいの?

    これがハッピーエンドだと私は思わない。
    ただ、ハッピーエンドであろうとなかろうと、この世界の先を作者はその責任において書かなければならないと思った。
    けれど、肺がんと闘いながらこの小説を書いた作者は、この世界の先を書き終えることなくこの世を去ってしまった。
    つくづく惜しまれる。

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著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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