楽園追放 rewired サイバーパンクSF傑作選 (ハヤカワ文庫JA)
- 早川書房 (2014年10月17日発売)
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感想 : 24件
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Amazon.co.jp ・本 (413ページ) / ISBN・EAN: 9784150311728
作品紹介・あらすじ
劇場アニメ『楽園追放』の世界を構築するにあたり、脚本の虚淵玄が影響を受けた傑作SFの数々。サイバーパンクの初期名作から現代の傑作まで8篇を厳選収録する
感想・レビュー・書評
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「楽園追放」は知らないけれど……
ウィリアム・ギブソン「クローム襲撃」、漫画『コブラ』の“サイコガン”を持つ男
サイバーパンクSFって、やっぱりあの頃のアニメがよく似合う。
『AKIRA』も『GHOST IN THE SHELL 』も、サイバーパンクの郷愁がただよう。
吉上亮『パンツァークラウン レイヴン』は現代ジャパニーズSFなのだろう。郷愁ではなく突き刺さるような刃を感じる。
また、最終話『常夏の夜』では作者お得意の〈お仕事小説〉的展開で、サイバーパンクはもはや現代SFと融合した。
なんだか時代をなぞるような順番で読んでいくと、わかったようなわからないような……。
そこはSFですから、ね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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いまこの世の中に氾濫しているエンタメのなかで、30年後に当然になっているものはなんだろう? どれだけあるんだろう。
サイバーパンク30年史を見守るような傑作選。このSFの一大ジャンルが、何処から来て何処へ行くのか。
なんか歴史ある古都をいいとこ取りで訪ねたような感覚になりますね。ときどきアンソロジー読みたくなるのは旅行の気分なのかも。
W.ギブスン、B.スターリングにはじまる初期作品は、現代のようにSF的知識がある程度一般化した(風に見える)中だといかにも古臭く、ワードセンスだけで突っ走っているようにも見えるけれど、そう感じるくらいに読者を育てたのは誰なんだ、ということ。親の顔を見て自分に似てるからつまんないと思うようなものである。
そのへん80年代というのは、国の内外を問わずいろんなエンタメの基礎が立ち上げられた時代なんだろう。この時代をリアルタイムで生きていたひとたちのエネルギーってすごいもんな…
そうした骨格がしっかりと打ち立てられると、その骨格に好き勝手肉付けをしはじめる好事家が現れる。“商業サイバーパンク”と云う言葉ははじめて聞いたけれどなるほど、娯楽という肉を大盛りにすればそうなるし、或いは思想を、宗教を盛ることも性愛を盛ることも出来てくる。
そうして多種多様なサイバーパンクが一旦拡散して、そこから純粋SFへの回帰が始まるというのも…なんかこうやって書いてるとやっぱりミステリとSFの親和性ってのは拭い難いというか。
“揺るがないはずの信念が、理屈によって揺さぶられる”という虚淵玄の言葉はそのまま、ロジック原理主義に繋がるところもある。
片や論理へ、一方は技術への飽くなき挑戦と憧憬。その姿勢の美しさよ。
そうやって突き抜けた先の現代サイバーパンクが、ストロスや藤井大洋のように明るく前向きになっていくのが印象的。
かといって吉上亮のような、技術の陰惨さも忘れていない。
まだまだ、読むものは増えていくばかり。
長生きしねぇと。
☆3.4
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虚淵さんの世界観のベースの数々
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《目次》
編者まえがき 虚淵玄
「クローム襲撃」 ウィリアム・ギブスン
「間諜」 ブルース・スターリング
「TR4989DA」 神林長平
「女性型精神構造保持者」 大原まり子
「パンツァーボーイ」 ウォルター・ジョン・ウィリアムズ
「ロブスター」 チャールズ・ストロス
「パンツァークラウン レイヴズ」 吉上亮
「常夏の夜」 藤井太洋 -
秋山瑞人好きとしてサイバーパンクを読んでおかなくてはという気持ちで読んでみたが、うん微妙。
どの作品も細かな描写やガジェットの面白さはあるが、一つの短編としてのまとまりが無い。 -
最初の6篇だけ読了。チャールズ・ストロス「ロブスター」と次点でブルース・スターリング「間諜」が面白かったが、他はあまり惹かれるものがなかった。チャールズ・ストロスは確かな知識に裏付けされた内容に、文章の面白さも加わり結構好みだった。長編も読んでみたい。
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タイトルはあまり関係なく、脚本家の選んだサイバーパンクの短編アンソロジー。
読んだことがあるのもあったし、いまや絶版の話もあったり、藤井太陽の明るさが好き。 -
いろいろな作者による短編集8編
それぞれ味わい深いが,ウォルター・ジョン・ウイリアムズの「パンツァーボーイ」が良かった. -
サイバーパンク傑作選。
30年も前に書かれた作品が、こうも現実になっているなんて!ウィリアム・ギブスン達の想像力にびっくりです!
更に後半の現代の作家達。電脳空間のテクノロジーを使ったイキイキとした生活。
テクノロジー解説本も良いけど、こっちの方がよっぽどイマジネーションを刺激してくれます。
最後の「常夏の夜」なんてもう、このハッカソンの高揚感、最高!! -
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楽園追放 rewired サイバーパンクSF傑作選 (ハヤカワ文庫JA)
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「楽園追放」というアニメを見たことないし、知らなかったけれど、著者リストに好きな作家が並んでいたので購入。
吉上亮というのは初読もしくは、読み流した作家か?
大原まり子を読んだのは昭和以来かも??
マストバイリストに入っている作家の作品と見慣れぬものや、好みじゃない作家の作品が混じる”サイバーパンク”なるシロモノ…良くわかっちゃいないって分野らしい… -
サイバーパンクのアンソロジー。
ギブスン、スターリング等のサイバーパンク創世時の作品も興味深いけど、やっぱり 0 年代以降の作品の方がなじみ深いかな。
間に攻殻機動隊が挟まっているのが影響しているのかと思います。
あの作品でサイバーパンクが印象づけられたからなぁ。 -
2014年10月25日、初、並、帯無、文庫
2016年8月25日、松阪BF -
なにより神林長平が最高だった!
あとはハイワイアードとかもかっこよい。
クローム襲撃もクールだなー。
というか巻末で大森望がサイバーパンクの例として忍殺を挙げているのに驚き。キャッチアップしてるのか・・・ -
久しぶりにサイバーパンク読んだ。
ギブスンの「クローム襲撃」がもはや古臭く感じるけど、でもやはり良いなぁ。
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内容紹介
劇場アニメ「楽園追放-Expelled from Paradise-」の世界を構築するにあたり、
脚本の虚淵玄(ニトロプラス)が影響を受けた傑作SFの数々――
W・ギブスン「クローム襲撃」、B・スターリング「間諜」などサイバーパンクの初期名作から、
藤井太洋、吉上亮の最先端作品まで8篇を厳選収録する。
「楽園追放」の原点を探りつつ、サイバーパンク30年の歴史に再接続する画期的アンソロジー -
劇場アニメ「楽園追放 -Expelled from Paradise-」の脚本家、虚淵玄氏が影響を受けたとされるSFを集めた短篇集。
こんな本が出版できたもはアニメの売り上げがよかったからだと思われるのでなにより。
収録作品は次の通り。
ウィリアム・ギブスン「クローム襲撃」
ブルース・スターリング「間諜」
神林長平「TR4989DA」
大原まり子「女性型精神構造保持者(メンタル・フイメール)」
ウォルター・ジョン・ウィリアムズ「パンツァーボーイ」
チャールズ・ストロス「ロブスター」
吉上亮「パンツァークラウン レイヴズ」
藤井太洋「常夏の夜」
収録作品のその後の展開をまとめると次のような感じ。
「クローム襲撃」を拡張したのが「ニューロマンサー」で、その後、「カウント・ゼロ」「モナリザ・オーヴァドライブ」に続く。
「TR4989DA」は「プリズム」の第2話。
「パンツァーボーイ」は「ハードワイヤード」の第3章。
「ロブスター」は「アッチェレランド」の第1部第1章。
「パンツァークラウン レイヴズ」は「パンツァークラウン フェイセズ(3冊)」の前日譚。
ということで、本短篇集をきっかけにサイバーパンクの世界へどうぞということらしい。 -
2014年に公開されたサイバーパンクSFアニメ映画「楽園追放」の脚本家・虚淵玄氏が影響を受けたサイバーパンクSFを集めたアンソロジー。ぶっとい帯には、「再び、サイバーパンクの時代がやってきたと感じている」との氏の詞書付き。収録作はこちらのとおり。
「クローム襲撃」ウィリアム・ギブスン
「間諜」ブルース・スターリング
「TR4989DA」神林長平
「女性型精神構造保持者〈メンタル・フィメール〉」大原まり子
「パンツァーボーイ」ウォルター・ジョン・ウィリアムズ
「ロブスター」チャールズ・ストロス
「パンツァークラウン レイヴズ」吉上亮
「常夏の夜」藤井太洋
不肖鴨、もう30年近くSF者をやっておりますが、サイバーパンクという「ジャンル」は前世紀で消滅したと考えています。現在のSF、いや現実世界において、かつてジャンルSFとして描き出されたサイバーパンクの世界観は、既にひとつのバックグラウンドとして日常に組み込まれていると思っています。それでもなお、サイバーパンクをSFの一ジャンルとして捉える意義とは、ひとえにもぅ「文体のカッコ良さ」だけなんじゃないかとヽ( ´ー`)ノ
そういう意味で、冒頭のギブスン「クローム襲撃」は完璧な作品ですね。とにかく「カッコ良さ」だけを追求した作品。本当にカッコいい、痺れます。そこに多少の思想を加えたスターリングまでがたぶんピュアなサイバーパンク。それ以降の作品は、鴨的には「サイバーパンクっぽい別の何か」でした。こうしてならべると、何故か不思議とフェアリィ・テイルっぽい読後感の作品が多いんですよね。
このアンソロジーを編むきっかけとなった「楽園追放」というアニメを鴨は観たことがありませんし、残念ながら興味もないのですが、これを機会にサイバーパンクを振り返るアンソロジーを出版できたということは評価できると思います。 -
「サイバーパンクアンソロジー」と聞いて即買いしてしまった。
サイバーパンクブームは高校生の頃(トシがバレる)。思春期の私にギブスンはネットワークの未来を見せてくれた。今、私がパソコンを使う仕事をしているのは紛れもない、サイバーパンクのおかげなのだ。
ギブスン、スターリング、ウィリアムズはリアルタイムで読んでいた。今はほぼ絶版とは悲しいばかり。
他は神林長平、藤井太洋がよかった。
大原まり子は、単に私がコメディが苦手だからであって、他の作品ならきっといけるはず。
吉上亮は読みたい本リストに上げていた作品なのだが、少し考えてしまう。ラノベや同人誌に近い文体で読みやすいが苦手である。
全体的に良質な作品揃いでサイバーパンク世代にも、新しいファンにも受けるのではなかろうか。
ギブスンの作品ではネットワークとつながるのに「デッキ」だったあたり、時代を感じられて面白い。 -
リアルタイムでサイバーパンクを経験した世代にも楽しめた短編集
正直、ギブソンやスターリングは暗さと訳の分からなさで衝撃は受けたが、楽しめたかどうかは別
最近、SFから距離がある身には後半の最近の国内作品は嬉しい出会い
早川良い商売してますね。だが、アニメの名前なしに出なかったのは時代か。
アンソロジーの作品
