PSYCHO‐PASS ASYLUM (2) (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2014年11月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784150311735

作品紹介・あらすじ

六合塚弥生&唐之杜志恩篇と宜野座伸元篇の2篇を収録する人気アニメスピンオフ第2弾

みんなの感想まとめ

制度に翻弄される人々の姿を描いた物語は、現実の社会システムとの共鳴を感じさせ、読者に深い考察を促します。特に、シビュラシステムによる影響を受けるキャラクターたちの生き様は、単なるフィクションに留まらず...

感想・レビュー・書評

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  • シビュラシステムに興味がわいて読んでみた作品。
    シビュラによって人生を翻弄される人達の姿が見えて面白い。現実でも私たちの人生は制度というシステムに束縛されているので、彼らの生き様が作り話と割り切れない所も良い。
    人間性に肉薄しているのだけど、少し大味になってしまっている感がある。女性同士の恋愛描写が妄想レベルでしかないのが残念。妊娠や出産に対して女性がどう考えているかという点でもステレオタイプだと思った。二次創作を読んでいるようだった。

  • 「About a girl」六合塚弥生。
    昔愛した滝崎リナとの訣別。

    「別離」宜野座宣元。
    セラピーのためにあんな事を。
    イヌサフランの花言葉は「私の最良の日々は過ぎ去った」。

    1ほどではないけれど、この巻もグロい。

  • 現在三期放映中のサイコパスノベライズ。
    二巻では弥生と宜野座に焦点があてられる。
    本編を視聴している者の多くはさすがに気付いてるだろうが、弥生はレズビアンであり、同僚の志恩と関係を持っている。
    彼女が主人公の話は親から子への支配、または組織間での差別の形で男性に搾取されるジェンダーの問題も扱っており興味深い。
    これもノベライズを読まねばわからない情報だが、シビュラ社会では同性愛が禁じられておらず、相性さえ合えば同性との婚姻も推奨されている(霜月の幼馴染の二人も結婚推奨判定が出ており、それが霜月の嫉妬を招いた)
    そんな価値観が定着しているので、同性愛者を差別し暴言を吐けば、逆に「時代遅れ」と軽蔑される。
    シビュラの功罪は今後も物語の命題として論じられていくだろうが、歴史上弾圧されてきた性的マイノリティにとっては、こちらの方が断然生きやすく思える。
    弥生と志恩と絆の強さがわかる話で、弥生の元恋人・リナが、印象的な悪役として再登場する。
    本編で「思ってたのと違うな」と呟いた軽さとは一転、絶望を突き詰めてカリスマ性を獲得した聖女として描かれているのがキャラ違いすぎて違和感だが、短編としての完成度は高く余韻を残す。
    未来は脆さと母性を兼ね備えた非常にいいキャラだと、同性の私は評価している。
    「大人すぎる」という意見もあるが、それはシビュラ社会の弊害である閉ざされた環境に育ち、早く大人にならざるえなかった悲劇でもあると思った。
    付け加えれば、弥生や志恩ほか一係のメンバーと出会った事で世界には信頼できる大人もいるのだと知り、短い期間で劇的に成長したと考えればさほど不自然でもない。

    宜野座が主人公の話は、彼の繊細さや狡噛との関係が掘り下げられファン必読。
    ドッグセラピストの資格を有している、犬をプレゼントしてくれた祖母がいるなどの情報は、ノベライズでしか得られない。
    狡噛との出会いにも少し触れられているが、互いを対等に理解しあった二人の友情が爽やかで、当時の話を読みたくなる。
    本編では故人の佐々山も、女好きでチャラい振る舞いに比して宜野座を諭すなど思慮深い一面を見せ非常に魅力的。さりげなく宜野座のぶんもコーヒーを持ってくる場面に気遣いがあらわれている。
    事件の真相はシビュラ社会の歪みを抉り出す苦いもので、人間の醜悪さをこれでもかと突き付けられる。
    終盤に正体を現した「彼」の口から語られる真相はショッキングで、読者の色相も濁る。
    極寒の野山に放たれた「動物」たちが、あの環境で衰弱もせず病気にもならず数週間(ことによると数か月)生きられるものか?など疑問もあるが、クライマックスの執行シーンのカタルシスでこまかいことはどうでもよくなる。

    本編では語られなかった部分を補完し、アレンジも加えた上でさらに六合塚弥生と宜野座伸元という人間を魅力的に肉付けしたノベライズなので、二人のファンなら買って損はない。

  • これまたなかなか色相の濁る出来で、「ユートピア=どこにもない」というものであることを実感せしめられる。信念など持たない羊でいた方が生きることは容易いかもしれない。けれど私たちが物事を感じ、考えられるように作られたということは、やはりそうすべき理由があったから。歪であるけれど、善にも悪にも「為すべきものが為すべきを為す」理由があったのなら罪を憎んで人を憎まずいるべきだろうか。しかし自らを守るために弱いものを傷つけても良いと言う人はやっぱり許せない。やっぱりシビュラっておかしいよ←潜在犯決定

  • 弥生にとって自分の手で捕まえたいと思った相手であるリナとの再会を描く物語。
    サイコパスの男性陣は良くも悪くも真っ直ぐで折れてしまう人たちばかりだったけど、逆に女性陣は本当に強い。弥生も志恩もきちんと乗り越えていけるんだろうと思いました。

    宜野座さんの話は佐々山と宜野座の関係が微笑ましい。やっぱり宜野座にとっても佐々山は大きな存在だったんだろうなと感じた。

  • サイコパスサイドストーリーの第二弾
    今回は弥生と伸元
    本編が終了してから久しいですが、サイコパスらしい展開、臨場感、どんでん返しでとても楽しめました。
    映像化してくれると良いんですけどねぇ〜

  • スピンオフ二作目。
    弥生とリナの因縁が描かれているとあって、楽しみにしていた。ボリュームもしっかりあって、映像化されても申し分ない内容。

    後半は宜野座編。
    第1期と第2期の変化が一番大きい人物。不器用なお坊ちゃんは嫌いじゃない。

    シビュラシステムの盲点や弱点を上手く突いたストーリーが、なかなかすごい。
    完璧な社会はない、けれどそこは全くの地獄でもない。だからこその葛藤。
    選択された者だけが謳歌し、選択されなかった者は社会的に抹殺されてしまう現実。
    現状、我が国にこのようなハイパーテクノロジーこそ存在しないものの、我々の脳は静かにシビュラシステムに成り代わる可能性を秘めていると思う。

    見えない「善」を、誰もが一方向に有ると認識したとき、それはきっと起こるのだろう。

  • 『PSYCHO-PASS』のスピンオフノベライズ。これ1冊に2篇収録されており、主人公はそれぞれ六合塚弥生と宜野座伸元。アニメ『PSYCHO-PASS』を見た人なら、登場人物の奥行きが楽しめるだろう。まずは『PSYCHO-PASS』を見よう。本書はそれから読むとよい。
    六合塚弥生が主人公の『About a Girl』は、解説によると、文庫化にあたりSFマガジンに掲載されていたものに最も大きく改訂を加えたものらしい。もう一つの『別離』は書き下ろしらしい。
    ストーリーとしては、『About a Girl』の方が派手さがあって面白かった。この時代の国境ってこんなふうになっているのねとか弥生と志恩の関係はこうだったのかというのが分かって、『PSYCHO-PASS』の世界が少し広がった気がした。

  • About a Girl
    弥生があのとき引けなかった引き金を引く話。彼女はもちろん、志恩のいい女ぶりに歯止めがかからない。
    人気作品のスピンオフという枠を越えて、1つのSF小説としても完成度の高い作品。また、アニメ本編ではどうしても、狡噛や朱が単独で話を牽引している印象になってしまうが、弥生・志恩・朱・宜野座がそれぞれの能力を活かし協力して事件に臨む展開に胸が熱くなった。


    別離
    有能な監視官だった頃の宜野座と犬のロンの話。
    女性たちが活躍する華やかな印象の弥生編と比べると、だいぶハードボイルド。いぶし銀。男4匹が、1匹の犬が鍵を握る事件を追う。アニメになったら、画面が全体的に黒っぽくなると思う。
    ロンの姿に、どこか征陸智己が重なって見える。

  •  六合塚弥生さんのエピソードは普通にアニメで1シリーズ出来るだろって密度。結構力業の部分もあるので、むしろアニメ向きかもしれない。リナさんの格上げがすさまじいなぁと思いつつ、志恩さんの情が深すぎて泣ける。重い。

     宜野座さんは、ダイムが居るなら色相を保てたのではないか?という気が少し。でもダイムが居て良かった。
     映画版と合わせてこれを読むと、咬噛さんのポジションがあまりにも可哀想でじわじわくる。佐々山さんが魅力的だなぁとも。

     しかし、サイコパスというアニメは、簡単に言えば「懐かしいディストピアものSF」である。科学技術の進化が人の幸せと直結しない未来。

     割と「いやいや、それは無いだろ」「えっ?」って突っ込みながら見ていたアニメだった。
     じゃあなんで面白く見られるのかというと、ストーリーの勢いだったり、キャラクターの魅力だったり、残酷さという分かりやすいキャッチーさで有ったりした訳で。

     それが、この短編を読むと「あり得たかもしれないSFの世界」だと感じる。
     地に足の付いた骨太のSFだなぁと。

     もちろん、アニメが悪いって訳じゃ無い。
     あり得ないような世界を描いたから、短編のイマジネーションがわき起こったわけで、まず飛躍ありきということで、かっこよくスタイリッシュに世界を描いて見せたアニメは素晴らしいのだろう。うん。というかこの短編集はアニメには出来ないよね。誰得だ。

  • 「ASYLUM1」がかなり読みながら色相悪化したので、ちょっとビビりつつも「2」です。「1」もハードなのは2篇中1篇だったので、これはどっちだ…やっぱり先か…?結果的にはやはり最初に来る話の方がボリュームがあって、それなりにどうしても色相が濁りがち(苦笑)、「1」よりはそこまで描写がハッキリガッツリでもなかったので、まだどうにか…。

    そんな「About a Girl」は弥生の話。1期12話の続きに近く、時系列は1期後。結構根の深い大掛かりな話になったのだな…。弥生と志恩の話と言われていたけど、弥生の話の中で志恩との関係性が語られるような感じ。どちらかというと志恩の方が謎が多いので、できればこっちメインの話が読みたかったが、まぁ弥生の決着を先に着ける意味では仕方ない。またの機会に是非お願いしたい。
    百合って精神的なものはまだしも、肉体を伴うものって正直よくわからないので、いまいちその絆の強さとかに思いを込められないのは、自分が女だからなのか、BL耐性の方が強くなりすぎてるからなのか…(黙)。もともと女性的な観念とかどろりとした感覚が苦手で、女性作家のものとかヒロインメインなものとか敬遠してしまうあたり、完全に腐海側の人間過ぎて自分でもどうかと思うんですが…。
    ともあれ、弥生が潜在犯堕ちし、執行官となった最初の楔を、何度も抜こうとして抜けなくてどうにかこうにか粉砕。リナがそこまでカリスマ性が持てた理由がいまいち消化しきれないような気もするけれど、まぁとにかく志恩がカッコイイのでやっぱり一度掘り下げてもらいたいのと、弥生は確かにライブハウスでモテそうだなっていうのと、「個人的には眼鏡をかけてたほうが、アリ」に全力で同意(笑)。

    書下し「別離」はギノ先生の話。「美しい(そして残酷な)物語となるよう、可能な限り気を配った。」吉上先生ありがとうございます…!まさにそういうのが大好きです!そしてそれが似合うからこそ、そういう話を書かせるギノ先生が大好きです!!!ベタだろうがなんだろうか何とでも言え!大好きだ!!!(ヤケ)動物との交流、静かな時間、残酷なキメラ。やっぱり色相が濁る事件ではあるけれど、それを全体に渡る静けさと美しさが相殺してくれて良かった。時系列としても、1期前をメインとして、あの1期を経た2期の宜野座の移り変わりがあらわれていて、本来こんなにも静かで慈しみ豊かで繊細な彼が通って来た道と、今在る事が感慨深い。どうか一時でもわずかでも安息を……ダイムがいなくなったらもうどうしたら…嗚呼………畜生狡噛いいい!!!(八つ当たり)

    …毎回色相悪化に悩まされつつも新刊を待ちわびる小説版です。

  • ギノさんが主役の「別離」に涙ぐんでしまった……。
    もうね、なんていうか、美しい……。
    あとがきによると、「そういうふう」に注力したとのことで、本当に、掛け値無しに、ギノさん自身も、風景も、残酷だけど美しい物語だった。
    とくにラスト数ページは泣く。
    ギノさん好きなほど泣く。
    あと犬派ほど泣く。

    今回のASYLUM2は、前半のAbout a Girlには1期後の執行官となった宜野座さんが、後半の別離には1期以前、まだ佐々山さんがいた頃の4人体制の一係から始まり1期の最終回に繋がるようになっていて、つんけんした若いギノさんから落ち着いたギノさんまで味わうことができて大変お得な1冊でした。

    About a Girlは、ストーリー的には面白かったけど<聖母>が一切感情移入できなくてうーん、と……。
    でも現在放映中のPP2で大変あれなことになっている霜月さんが大人しくちゃんと従順にお仕事していて珍しいもの見たなあ、と(笑
    そこら辺の連続性は、あんまり深いこと考えない方がよいかな。

    1冊目ほど世界観が広がる感じではなかったけれども、キャラクターの理解が深まった。
    次回、もっと世界に言及してくれそうなので、期待。

  • 読むと色相が濁ると噂の本を読了。
    psycho-passの世界観とキャラクターの掘り下げを上手く行っている最高のスピンオフ小説だった。

  • 『PSYCHO-PASS』世界の日本で生きるには何が必要なのか?この一冊の主人公になっている二人の物語はそれを端的に表している。社会秩序と人が持つ業の対立から彼らはシビュラシステムに否定されて堕ちてゆく。それでもなおこの二人はこの世界の日本で生きることを選択した。その人の業と意志が尊くて眩しい。

  • 弥生の心は苦しい。過去を克服出来るだろうか。

  • 常守朱監視官が指揮する公安局刑事課一係。六合塚弥生執行官と恋人の分析官・唐之杜志恩は、未成年妊婦を拉致しては出産後に惨殺する謎の集団〈箱舟〉を追うが、やがて弥生は意外な人物と再会する――TVアニメ一期後の事件を描く「About a Girl」、若き監視官の宜野座伸元がアニマルセラピストによる〈動物の再導入〉事件を追う書き下ろしの「別離」。全2篇収録の『PSYCHO-PASS サイコパス』スピンオフノベライズ。

    アニメの大ファンでわくわくしながら読みました。期待通りの重厚で素晴らしいスピンオフ。特に弥生と志恩の愛、絆にはぐっときました。なかなかアニメでは光が当たらない部分であり、あっさりとしているようにも見える彼女たちの温かい関係が悲しい事件の中で光となっています。ギノのお話も残酷なエピソードではあるものの、1係がどんな事件にあたってきたのか朱が来る以前の様子も面白かった。劇場版まで見てしまうとみんないないメンバーで少し切ないけど。

  • 宜野座の色相が濁るどころが、読んでるこっちの色相も濁りそうな事件だった…。
    私の知識不足というかPSYCHO-PASSの勉強不足なのかもしれないけど、ホロは目をごまかすだけではなくて物質の重さも変えられるものなのかしら。抱っこした時に重さで気づかないのかなぁ。

  • 2015.11,14

  • 「1」のチェ・グソンに比べてグロさは減った気がしますが、それでもなお…っていう感じでしょうか。次の「GENESIS」も入手しないと!

    グロいものって、それが虚構だから楽しめるんだよね。現実だったら心身ともに痛いしきつい…。その辺、父親の嗜好を受け継いでいるなぁと思いました。

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