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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784150311964
作品紹介・あらすじ
働かずに生きていけるアルカディアマンションでの人生とは──鬼才が描く、世界の終末
感想・レビュー・書評
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はしばしのフレーズに
既視感あり。
ん、まえに読んだこと
あるね・・・と。
やっちまったなあ、と
思いつつ、
なぜだか嬉しくもあり。
アルカディアと銘打つ
シェルターマンション。
世界の終末に備えると
きたもんで、
住人は全てを与えられ
働かなくても暮らして
いける。
一見、理想郷のような
世界だけど、
そこに生じるその人生
のニセ物感たるや。
自分に拠って立つこと。
人生に本物もニセ物も
ないけど、
なにもかも他人任せに
していたら、
それは「私」の人生と
呼べるのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何もしなくても安全に暮らしていける管理されたシェルターマンション社会の出来事を、色々な時系列で切り取ったような短編集?長編?
各パートの視点キャラクターたちに共通する「泥臭さ」みたいなものが、世界観にがっちり嵌まってて良いなって思った。
マンション住民側は自己実現欲求だったり片思いだったりで思い悩む場面が目立つ一方で、黎明期の人達や外側の人を描いたパートは妙にカラッとしてたりして、その対比も好きだなぁ。リアリティ。
ダラダラ何もしなくても生かされる側の凡人と、損してるって自覚してても働いちゃう変わり者、そんな理想郷のような環境を拒んで反抗する勢力。
自分がこの世界の住人だったらどの立場になりたがるのかな……とか、読後に考えてみるのも楽しい(楽しいか??) -
設定に惹かれて購入した。
本の内容がおもしろかったか否かは置いておいて、舞台設定そのものにいろんなことを考えさせられた。
仕事をしなくても生きられる、言い換えれば生かされるような世界。
日々働きたくない〜と思いながら生きているが、本当にそれが実現したら?
他人とほとんど関わらずに生きていけるとしたら?
肉体が不要になり、ある種の電脳世界になったら?
他人と関わらず相対的な価値観を持てないような世界で、自分を絶対的な価値観で定義することってできるの?
こんな世界で子孫を残す意味ってあるの?
などなど、いろんなことを考えてしまった。
だから読書はおもしろい。 -
世界の終わりに備えて、アルカディアマンションと
いう場所で共同生活を行う人々の話。
衣食住は補償され、暇を持て余した一部の人間だけが
仕事をする世界。
閉塞された天国で死ぬか、
開放的な煉獄で生きるか
各章によって主人公は違うが、目の色が左右違う
一族が脈々とその生きた証を残していくストーリー。
粗野で投げやりなメイン主人公が、
最後に求めたのは愛だった。
悲壮感の少ないディストピア世界と、
哲学的でもあり投げやりでもある
文体がよくマッチしている。
気軽に読めるSF -
なんやえらいロマンチックな話でした
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なかなかに人生はままならぬもの。いかんともしがたいのかもしれないけれど、[more]一族ほぼ全員がいい面の皮。洛音だけがちょっと異端か。でもそれでも、残念な一族だと思わずにいられない。舞台時間が章で飛ぶのがわかりにくかったのが残念。
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全身を義体にしてでも働き続けるワーカホリックと怖い女上司の話である『ペインキラー』が一番好きだった。
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正直、めちゃくちゃ評価に困る1冊。世界の終末に備えたシェルター的存在のマンションに引きこもった人間たちを主軸に置いたストーリーから、ノアの箱舟的な要素を強く感じる。マンションの中では労働も必要なく、ただ娯楽を消費しさえすれば良いという設定も偽りのユートピア感があって良い。
ただし、自分はそこまで惹かれなかった…。ひょっとしたら物語に隠されたメタファーに気づけないと楽しめないタイプの本かもしれない。 -
SF。ディストピア。終末。
連作短編集のような、長編のような。
アルカディア・マンション内の描写は、J・G・バラード『ハイ・ライズ』っぽい印象を受けた。
イマイチだなと思いながら読んでいたが、最終話「ディス・ランド・イズ・ユア・ランド」の結末と、エピローグ的な5章の読後感が良く、評価アップ。 -
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面白かったです。御園一族は一体何人いて、この人は何代目なんだろう…というところは混乱しましたが。ここまで世界が壊れても、意外と人間は滅びないのかもしれないと思わされます。でも何もしないでただ娯楽を消費する人生はわたしは無理だな…例えそれが底辺であっても。それともこんな世界になったら適応するのかな…もやもや考えました。世界の終末に備える。ラストの一行がとても好きでした。
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終始哲学めいた独白が続き、いまいち世界に浸れませんでした。しかし、これは今まで探していた理想の小説の一つになりそうです。
結局理想郷なんて人それぞれで、自分が納得するかどうかで決まるものだと思いました。 -
アルカディアマンションと御園の名前を持つ一族を巡る、世界の緩やか終焉と楽園と煉獄のSF。ただ、SFにしてはテーマというか、メッセージが茫洋としすぎていて、物語として読んでいて面白いかというと首をひねってしまう。語り手がコロコロかわるのはまだわかるとしても、焦点を当てられる人物すらどんどん移り変わっていくのでいちいち感情移入できないし、時系列もバラバラなので何がどうなっているのかわからない。そして、それがあまりはっきり説明されないままなんとなく終わる。あんまりおもしろくなかった。
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虚無主義的ですらない虚無的な終わりがよかった。全体はそれとして、細かい部分でいろいろと気に入るところが多くて楽しい小説だった
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あらゆる人々が引きこもり働かなくてもよくなった未来の世界のお話。時系列がバラバラで語り手も変わったりする。
働かず、生きていける場所が理想郷なのかどうか、登場人物が考えていたのが興味深い。結局、理想郷というのは頭の中にあるもので、その理想郷が現実になってしまうと、それは理想郷ではないというのは納得かもしれない。
労働とか理想郷とかいろいろ読みながら考えてたけど、まぁこの小説は恋愛小説だった。わりと好き。 -
理想郷ともいえるコミュニティを中心にした数世代にわたる連作短篇集。語り部が、本人だったり、その孫だったり、あるいは曾祖母だったりと、時間の並びが輻輳して分かりづらさはあるけど、人の繋がりや歴史ってのはそんなものだろう。ポジティブだったりペシミスティックだったりする登場人物達が個性的でかなり面白かった。
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これはわりと好きだ。SFなのに(?)読みやすい。
某書店のSFフェアで買ったのだったか。ポップから作品への思いがあふれていて、書いた文庫担当の人と友達になりたい笑
「世界の終末に備える」と嘯く輩たちが建てるアルカディアマンション。そこでは一切の労働をしなくてもよい。一見楽園のようなその場所で、描かれる男女の物語。4つの中編と幕間劇で構成されている。幕間劇の方が僕は好きで、そこでは世界がどう構成されていくかを描く。
どの中編も実は恋愛小説で、その辺も個人的には好きだった。滅びゆく世界で変わらない愛ってね。 -
タイトルは絵画。
アルカディア=理想郷。
アルカディアにも死の存在はある。死は必然、といったところか。
世界観は違和感なく受け入れられたが時代が前後するので読み終わるまで疑問が尽きなかったりする。短編集かと思ったけど、長編SFラブストーリーだった。
個人的にはクローズド・タイムは良かった。御園珊瑚への憧れと、憧れから来る焦燥・渇望が狂おしいほど感じられて、文章が生き生きしてた。
他の話は少し主人公に諦観が滲みすぎてて物足りなく感じた。
衣食足りて礼節を知る。が、衣食足りるだけでは満たされないのが人間。
個人の理想郷の実現と社会の安定を最大化できたとすればこんな世界になるのかなとも思うけど、ぞっとする。
やはり人間には衝動が必要で、個人の理想郷を追求すると他者のそれとは相容れることはないのだろうなぁ。
江波光則の作品
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