アルモニカ・ディアボリカ (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2016年1月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (624ページ) / ISBN・EAN: 9784150312145

作品紹介・あらすじ

十八世紀ロンドン。解剖教室の元弟子たちが天使の死体の謎を追う! 歴史本格ミステリ

みんなの感想まとめ

厳しい社会情勢の中で人々が直面する悲劇と葛藤を描いた物語は、18世紀ロンドンを舞台にし、解剖医や治安判事が不可解な事件に挑む姿を描いています。前作の続編として、登場人物たちの過去や新たな事実が明らかに...

感想・レビュー・書評

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  • 前作『開かせていただき光栄です』を読み終えたとき、私は神さまに祈りました。死者として生きる道を選んだエドとナイジェルの未来に幸あれ。そう願うことをどうか許してくださいと。

    エドとナイジェルが、ダニエル先生や仲間の元を離れてから5年の月日が流れていました。
    身元不明の屍体。その胸に残された暗号が、無関係に思える人たちの辿ってきた過酷な運命の糸を紡ぎ、葬られた事件の謎を解く鍵となります。そして、それらが行方知れずのナイジェルへと絡み合っていくのです。
    登場人物の多さに戸惑うとともに、なかなか先の見えない事件解決への道筋に読みごたえたっぷりでした。それと同時に明かされていくナイジェルの過去が、彼の知られざる一面を浮かび上がらせてきます。

    人は誰だっていろんな顔を使い分けて生きていると思うけれど、そうじゃないと生きること自体が出来なかった人がいることに気づかされます。
    ナイジェルがそうだったんでしょうね。
    「弱々しいふりをするんだ」
    この言葉だけ切り取ると、何だか狡猾なイメージがするかもしれません。でも、ナイジェルが生きていくためには、そうするしかなかったのです。そして、この教えはナイジェルへの愛がこもった大切な言葉だったんだと思うのです。
    愛にはいろんな形があると思います。エドのナイジェルへの愛、アルたち仲間からのナイジェルへの想い。ダニエル先生の愛。そしてナイジェルとエドが助けたネイサンの想い。幼い頃をともに過ごした人たちの愛。
    ナイジェルはこれまで、いろんな愛の形に触れたはずです。ただ‹普通じゃない›ことが‹普通›だったなかで生きてきたナイジェルは、愛がどのようなものかわからなかったのではないかと私は思いました。だから彼はみんなに愛されていたことがわからなかったのでは……とも思いました。

    そして、もう1人の死者として生きる道を選んだエド。エドは愛する者たちのために、また自ら茨の道に進みます。どうして愛すること、愛されることがエドにとって、こんなにも枷を負うことになってしまうのだろうと悲しくなります。これもエドの愛の形なのでしょうか。

    僕は、僕が望むように君を変えた。
    でも、エド、君と再会できたら、君が望むように、僕を変える。

    これが精一杯のナイジェルの愛の形。
    彼はエドたちと知り合った頃は、本当の愛が何なのかわからなかったと私は思っているのだけれど、それでも彼らと過ごすうちに愛は密やかにゆっくりと育っていたんではないでしょうか。
    でも、そのことに彼自身は気づいていなかったのではと考えてしまいました。

    ナイジェルの愛はエドにちゃんと届いたはずです。それでも、やっぱりこの結末はやりきれません。そして、また旅立つ者たち。いつの日か戻ってきてほしい。そう願いながら、ダニエル先生たちとともに見送るしかありませんでした。

    • やまさん
      各位

      昨年ブクロクに登録した本の中からベスト7を選びました。
      なお、平成31(2019)年3月27日に読み終わった本からブクロクで管...
      各位

      昨年ブクロクに登録した本の中からベスト7を選びました。
      なお、平成31(2019)年3月27日に読み終わった本からブクロクで管理するようにしています。
      ① なんとなく・青空 / 工藤直子 / 詩 / 本 /読了日: 2019-12-11
      ② 螢草 / 葉室麟 / 本 / 読了日: 2019-12-16
      ③ あなたのためなら 藍千堂菓子噺 / 田牧大和 / 本 /読了日: 2019-04-10
      ④ 甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺 / 田牧大和 / 本 / 読了日: 2019-05-04
      ⑤ あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇 / 田郁 / 本 /読了日: 2019-09-14
      ⑥ てらこや青義堂 師匠、走る / 今村翔吾 / 本 / 読了日: 2019-08-27
      ⑦ ひかる風: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(四)  / 中島久枝 / 本 / 読了日: 2019-07-23
      ※もしよろしければ、皆様の昨年感想を書かれたものの中からベストの順位を教えて頂けたら嬉しいです。

      やま
      2020/02/07
    • 地球っこさん
      やまさん、こんにちは。
      ベスト7教えていただきありがとうございます。

      私のベストは、うーん、悩みますね。
      こちらの本棚の本には、ど...
      やまさん、こんにちは。
      ベスト7教えていただきありがとうございます。

      私のベストは、うーん、悩みますね。
      こちらの本棚の本には、どれも心に残るところがあるので……
      順位をつけるためには、なかなか選べないです(-""-;)
      ごめんなさい……

      でも
      『源氏物語の時代』山本淳子 朝日選書
      『十二国記』シリーズ 小野不由美 新潮文庫
      は、生涯忘れられない本だと思ってます。

      そして、昨年は時代小説を読んでいないので、今年は
      『半七捕物帳』岡本綺堂 光文社時代小説文庫全六巻
      を読んでみようと思います(*^^*)
      2020/02/07
    • やまさん
      地球っこさん
      こんにちは。
      コメントありがとうございます。
      『十二国記』シリーズ 小野不由美 新潮文庫
      書店で字の大きさを確認してみ...
      地球っこさん
      こんにちは。
      コメントありがとうございます。
      『十二国記』シリーズ 小野不由美 新潮文庫
      書店で字の大きさを確認してみます。
      読める字の大きさであれば、図書館に予約します。
      有難う御座います。
      やま
      2020/02/08
  • 前作を読み終えてから『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』も読んでいたため(まだ途中まで)、しばらくの間18世紀のロンドンに滞在していた気分。やっぱり遡って暮らしたくはないが。

    今回は前作の5年後。思ってもいなかった事件が起きるし、前作では知り得なかった事実が明らかになるので、しっかりと続編として読むのが良い。しかし、時代が時代ならこれほど過酷な人生もあるのかと思わずにいられないくらいに辛く悲しい。まるで身分の低い人はそもそも幸福など望んではいけないと突きつけられているかのように錯覚する。実在の地区治安判事ジョン・フィールディングが、本当にここで描かれるように日々思い悩んでいたのではないだろうかと思ってしまう。

    後半はサー・ジョンの推理と、ある人物の手記によって事実が明らかになる。複雑に絡み合った事情は、正直言うと複数人の地位や関係性を全てうまく把握できず理解できていないところもあるが、これ以外に選びようがなかった結末までの出来事と葛藤はとても辛い。小さな望みすら叶わない環境にいたもの、何かを背負い込まずに生きていけない環境にいるもの、それぞれが見据えた未来でせめて幸せになるものがいて欲しい。

  • 「開かせていただき光栄です」の続篇。

    18世紀のロンドン。公正な裁判は期待できず、正義が金で買える時代。犯罪を告発するにも金が必要で、「証拠はいくらでもでっちあげられるし、裁判となれば、金で偽証する奴らを利用できる」、なんともやりきれない時代に、正義を貫こうと孤軍奮闘するサー・ジョンとダニエル医師の元弟子達の姿を描いている。

    四肢を切断された少年の死体に端を発した事件から5年後。罪を犯したエドとナイジェルはダニエル医師の元を去り、行方知れず。アルとベン、クラレンスもダニエル医師の下を離れ、今は盲目の治安判事サー・ジョンを下で犯罪摘発情報新聞発行に勤しんでいる。

    そんなサー・ジョンとダニエル医師の元弟子達のもとに、殺人事件の情報がもたらされる。死体の胸には〈ベツレヘムの子よ、よみがえれ!〉〈アルモニカ・ディアボリカ〉の文字が記されていた。「ディアボリカ」は「悪魔の」という意味。「アルモニカ」はイタリア語で「和声」を意味し、かのベンジャミン・フランクリン博士が考案した楽器の名前と判明する。

    事件を取材しにオックスフォード郊外のウェスト・ウィカムに赴いたアル達は、そこで何と、ナイジェルの死体を発見してしまう。

    殺人事件の捜査を進めるうち、14年前にウェスト・ウィカムの洞窟で発生したある事件との関係が浮かび上がり、精神病患者を収容する「ベツレヘムの聖マリア病院」(通称ベドラム)の悲惨な状況が明らかとなり、そしてナイジェルの悲しい出自に行き当たる。ベドラムでは、有力者が都合の悪い者を口封じのため監禁しており、日常的に虐待が行われていた。そこに幼き日のナイジェルの姿も…。

    法の遵守と正義の履行との間で思い悩むサー・ジョンは、事件を解明すると共に、今回もリーズナブルな結論を下し、その贖罪のため治安判事の職に留まるこを決意する。

    前作同様、とても複雑な事件だが、最後はスッキリした終わり方だった。こういう後味の良い作品は自分好み。

    それにしても、18世紀のイギリスは、"こんな時代に生まれなくて良かった" と思えるほど悲惨な時代だったんだな。大陸と比べても社会制度の整備がだいぶ遅れていたようだ。なにしろ、犯罪を取り締まる警察は整備されておらず、治安判事は無給のボランティアに過ぎない(なので袖の下が通用する)。袖の下次第で犯罪をいくらでも揉み消せる社会、貧しい正直者がバカを見る弱肉強食の社会。庶民も、犯罪者の処刑や精神病患者への虐待を娯楽として見学したというから恐ろしい時代だ。映画「エレファントマン」どころじゃないな。現代に生まれて良かったとつくづく思った。

  • 『開かせていただき光栄です』の続編
    盲目の治安判事と解剖医とその弟子たちが再び不可解な事件に挑む
    前回の事件で去ったふたりの過去を中心に18世紀イギリスの汚濁に満ちた風俗にみちている
    大英帝国は大陸の先進国から大きく遅れていたのだなぁ、特に警察組織。

  • やーっと再会たときに、ダニエル先生がエドを抱きしめるところがホロリとした。
    エスターがアンディと再開する場面も読みたかったな。それは無粋かもだけど、話を一歩後ろから追いかけて結局追いつけなかった感じ。

  • 1冊目を読んでないと全く話についていけないと思われるのでそこは注意。
    前半ですでにとても悲しい事実が明らかになり、どこまで行っても切ない話だった。バートンズのその後が描かれているとは言え、むしろ知らない方が幸せだったのではと思えるほどの内容。
    でもやはり全体を覆う18世紀英国の空気感は最高に最低だし、話の展開には目が離せなくなる書き方は素晴らしかった。後半、人物が入り乱れてわかりにくくなるので再読したい。

  • 登場人部が多くて、しかも海外の名前。
    最近そういうのが本当に苦手になったなと思いつつ…

    色んな人の色んな事件が出てくるから
    ちゃっとゴチャゴチャになりましたが、
    最後は全部繋がってスッキリ解決でした。

    全てが全てハッピーエンドにはならない。
    前作もそうでしたが、今作もか!!!

  • 続編が楽しみになる終わり方だと感じました。
    法の不備、科学の革命的進歩の前夜、英国史の表裏絡めた展開、それぞれ完全ではない魅力的な人物たち。うーん、面白い!
    あの人物この人物はこの後どう生きていくのか、是非拝読したいものです。

  • 前作『開かせていただき光栄です』同様、いや、それ以上に、1700年代のイギリスにおける貧しい者や地位の低い者たちの命の価値の、何たる低いことかと嘆かざるを得なかった。
    現代を生きていることに感謝しなくてはならないだろう。
    今作は前作以上に正義の判事サー・ジョンの苦悩が描かれていた。
    そして彼が語る真実がせきを切ったように怒涛の勢いで流れる様は圧巻。
    次の第三作で完結となるが、どんな展開になるか楽しみにしている。

  • 18世紀英国。愛弟子エドらを失った解剖医ダニエルが失意の日々を送る一方、暇になった弟子のアルたちは盲目の判事の要請で犯罪防止のための新聞を作っていた。ある日、身元不明の屍体の情報を求める広告依頼が舞い込む。屍体の胸には“ベツレヘムの子よ、よみがえれ!アルモニカ・ディアボリカ”と謎の暗号が。それは、彼らを過去へと繋ぐ恐るべき事件の幕開けだった。『開かせていただき光栄です』続篇。

  • 面白かったです。「開かせていただき光栄です」の続編。
    懐かしい面々…また会えたね、と思いました。
    事件は悲しいのですが…ナイジェル、どうして。。
    カチカチとピースが嵌まっていく気持ちよさがとてもあります。そう繋がるのか!と。
    18世紀末イギリスの腐敗しているあれこれと、そのなかでも正しくあろうとするジョン・フィールディングの苦悩を考えると辛いです。
    ダニエル先生も。うっかりさんで周りからの気遣いが凄くあるのですが、弟子がどんどん欠けていくの寂しいだろうなぁ。バートンズの面々とネイサンもいいやつばかり。
    エドの強情っぱり!と思うのですが彼もとても真面目なんだろう。
    混沌とした酷い世界なので対比のように主要メンバーの、苦悩しながらも友のために動き回るのが眩しいです。皆さん、自分を守るためではなく、大事な人を守るために行動してる。
    でもユーモラスなところもたくさん。アンの「ダボハゼ!」という罵倒かわいいですし、サー・ジョンが熱くなってしまって(これではダニエル先生だ)みたいに思ってるの笑いました。
    面白かったー、3作目楽しみです。

    巻末の皆川博子さんセレクトの本リストも嬉しい。何冊か既読もありますが、片っ端から読みたいです。

  • パズルのように複雑な事柄が繋がっていく。おもしろかった。

    前作と同じく、復讐が物語の核となる。

    事件解決についてはほとんど判事の勘の良さと運のおかげといえばそうだけど、聞き込みするにあたって繋がりのなさげな事件や人物がするする繋がっていったのが気持ち良かった。

    キャラも良かった。正直、開かせていただき光栄ですを読んだのはだいぶ前なので登場人物は忘れかけてた。
    けど、なんだか少年探偵団をみてるようで楽しかった。けれど、さらにバラバラになってしまった彼らを思うと切ない。

  • 開かせていただき~の続編。
    ナイジェルの手記が切ない。

  • 前回同様、構成が素晴らしく!
    いくつもの筋が複雑に絡まり合い収斂する快感と言ったら…もう!すごい!
    http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-1105.html

  • 文庫化待ってました!前作文庫の感想に、続編が読みたい、ナイジェルの過去が気になると書いたのが2年数か月前。続編、ナイジェルの過去、どちらも読みたかった願いは叶ったけど、まさかこんな形になるとは(涙)ナイジェルがあまりにも不憫すぎて、文中の言葉を借りるならエドと一緒に「歔欷」しました。わけありだろうとは思っていたけれど、ここまで凄惨な生い立ちだったとは・・・しかも、本作ではもう生きているナイジェルの姿を見ることはできない。

    前作以上に事件の概要は複雑。登場人物も多く、解決も誰かが真相を順序だてて語るわけではなく基本的には判事の推理のみの部分も多いので、すべてわかったスッキリ!とはいかない。個人的には事件の真相そのものよりもやはりナイジェルがエドに残した手記(読ませるつもりはなかったにせよ)のほうに感情を持って行かれてしまった。

    エドのストイックさはキライじゃないけど、なんでナイジェルとずっと一緒にいてあげなかったんだよー!(泣)自分たちだけ幸せになることはできない、というエドの覚悟はわかる。それがナイジェルと別れることに繋がるという時点でそもそもエドにとってナイジェルと一緒にいることがそれだけで幸福だったのだとはわかるけれど。風木でいうならナイジェルのほうが明らかにジルベールタイプ。エドと別れた痛手はナイジェルのほうが大きかっただろう。アボットと暮らしながらも、エドの似顔絵を飾り、エドにあてた手紙を書き続けたナイジェルの5年間を思うと切なすぎる。アボットも気の毒っちゃ気の毒。ずっとエドのことを想っているナイジェルの傍にいて彼はどう感じていたのだろう。

    消化不良感が少し残ったのは、エドの心情について一切触れられていなかったからだと思う。判事たちより先に真犯人に気づいたエドが一人ですべてのカタをつけた部分が、アル経由で断片的に知らされるだけで直接は描かれていない点も。なぜクラレンスまでがエドと一緒に新大陸に去ることを決めたのか、そのへんの遣り取りも読者には一切明かされないし。そういう意味では続編があると嬉しいのだけれど、もうこれ以上何かを知るのは悲しすぎる気もする。

    ナイジェルにはエドと幸せになって欲しかったけれど、あの凄惨な生い立ちを背負った彼が外の世界でエドと出逢い、一緒にいられた数年だけでも幸福だったのだと思いたい。読書時間として至福だったけれど、個人的に今作ではキャラクターに感情移入しすぎて辛かった(涙)

  • 個人的に三部作の中で一番好きな気がする。
    事件解決の爽快感は前作の方が圧倒的だけど...
    今作はバードンズのことを深く知ることが出来る作品だったと思う。
    前作はあまり出番の無かった、アル、クラレンス、ベンが活躍していて読んでいて楽しかった。

  • ナイジェルとの再会がこんな形になってしまうとは予期していなかった。彼が抱えていたものと、18世紀のこの時代の歪みが重苦しい。
    ジョン・フィールディング判事の、法の下に公平であろうとする意識と正義感で揺らぐ姿は未来に繋がっていくのだと思う。それを理解しているからこそ、今回もエドは自分でかたをつけたのだとわかっていても、やはり哀しいものがある。エドは自分が手を離してしまった後悔も深いのだと思う。
    エドとナイジェルの関係は深いのだろうな、と1巻のときから薄々感じていたものの、この巻ではっきりわかった。再会を望むナイジェルの手記と、手を離してしまったがために死んでしまったナイジェルの痕跡を追うエドの距離があまりにも切なかった。

  • 550ページほどで断念した。
    理由は
    結末がどうであろうと興味がそそられない。
    入り組みすぎて訳がわからない。
    良い読後感が得られる展開への期待が持てない。

    冒頭は面白かった。だが、やはり長編ミステリーは私には合わないのかもしれない。
    最終巻も買ってあるのだが読むのは数年後になりそう。

  • 前作「開かせていただき光栄です」に続き読み応えがあり好きな本のひとつになりました。
    前作と比べて登場人物が多く、時系列が複雑て難解でした。少しでも油断したら振り落とされるような圧から謎解明への真剣さが伝わりました。
    この本の中でいちばん辛かったのはアルなのでは無いかと思います。エドとの約束に矛盾することなくサー・ジョンの追求に耐えました。
    親しい友と尊敬する人の間で不誠実にならないよう振る舞う彼の心情を思うと、、、。
    ですが最後までアルはエドとの約束を突き通し、選択を迫られたサー・ジョンの優しさに救われてました。
    またナイジェルとエドの関係性について、善と悪が拮抗するような2人の愛情がナイジェルの手記とエドの行動を通して垣間見えたのが嬉しかったです。
    雄弁に、直接的に書かれたナイジェルのエドに対する気持ちと、間接的にしか描写されていないのにナイジェルのためと分かるエドの行動が対照的な2人の関係性を表していてときめきました。
    最後の一文を読んだ時、ナイジェルの愛した男が何を思ったか想像するだけで心が締め付けられます。

  • 前作メインキャラのナイジェルが冒頭で死体として登場するという衝撃。前作はネイサンが主人公の立ち位置だったが、今作はジョン・フィールディング判事が主体。
    プロットや人間関係が複雑で、真相にあまりカタルシスを感じられなかった。ナイジェルのベドラムでの出自の話と、エスター&アンディの楽器作りの話と、レイ・ブルース&ケイトの結婚話が入り乱れており散逸している感がある。

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著者プロフィール

皆川 博子(みながわ・ひろこ):1930年旧朝鮮京城生まれ。72年『海と十字架』でデビュー。73年「アルカディアの夏」で小説現代新人賞受賞。86年『恋紅』で直木賞、90年『薔薇忌』で柴田錬三郎賞、98年『死の泉』で吉川英治文学賞、ほか多数の文学賞を受賞。著書に『聖餐城』『海賊女王』『風配図 WIND ROSE』『天涯図書館』など。

「2024年 『大江戸綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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