官能と少女 (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA ミ 15-1)

著者 :
  • 早川書房
3.45
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本棚登録 : 808
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312244

作品紹介・あらすじ

宝石に恋する女、誘拐された少女、病んだ眠り姫等、R‐18文学賞受賞作家が描く愛の毒

感想・レビュー・書評

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  • どの作品も影があって、
    「官能」「少女」に「影」が交わるとすごく胸がザワつく。

    言葉だけで官能的な表現をするのは
    とても難しいと思いますが…
    読んでいてどういう意味なのか
    スっと頭の中に入ってこないところがちらほら。

  • ふーん、えっちじゃん。

    官能は官能でも未成熟なグロくて痛くて病んでる感じ。悪くない。
    挿絵が可愛い。
    春眠の岸田は私のものにしたい。
    春眠とモンタージュが繋がりがある。
    ピンクのうさぎの恋人(彼女)は一体なんなんやって感じ。

    コンクパール
    春眠
    光あふれる
    ピンクのうさぎ
    雪の水面
    モンタージュ

  • 毒っぽいR指定本

    「二十歳を過ぎると、時間が経つのだけ早くて、中身の成長が遅くなる。」

  • 私が私であることを誰が証明できる?
    誰の言った言葉なのかやっぱり判らないけれど、
    まずらそれを証明するのは私でありたい。
                『モンタージュ』より

    少女が恋する物語が詰まった一冊。
    そのお相手は宝石だったり、先生だったり、
    色々だったけれど
    あまり読んだことがないような内容ばっかりで
    面白かったです!

  • 一作目の『コンクパール』は集英社より出ている『雨の塔』・『太陽の庭』の関連作。
    『コンクパール』から『雨の塔』・『太陽の庭』(後ろ二つはアダルト色なし)の順で読むとこんなことがあったのか、と黒川様に想いを馳せることができるはず。

    ---
    ロリィタ服のブランドのAngelicPrettyでなぜか本作を取り扱っていたのをきっかけに10年ほど前に手に取って以来の再読。
    当時はあんなに可愛いお洋服のお店でこんな官能小説が売られているなんてという衝撃が凄まじかった。
    (表紙の今井キラさんつながりだと思っていたけれど、宮木さんがかつてお店で働いていたとか)
    文庫化にあたり、表紙が改まることが多いなか今井キラさんの表紙がそのまま採用されていては嬉しいところ。

    帯には「近年まれに見る傑作恋愛短編集だ。」と書評の一文が掲載されていて、可愛らしい装丁もあいまってハッピーな世界を彷彿させるが、『コンクパール』のエロティックな描写に伴った虚しさ、『春眠』は健全そう、と思わせてからのグロテスクな光景…とハッピーエンドを期待すると大火傷するような作品ばかり。
    元気のない時は苦しいけれど、ふと思い出して読みたくなる作品。
    2021.11.10 (再読)

  • 初宮木あや子。嶽本野ばらの作中人物が自分の欲望のやばさをわかりつつどんどん溺れていくのに対して、この本の少女たちはどこか自分の身体感覚を外側から冷めた目で見ているみたいなところがあって、より賢くてバランス感覚が良いように思う。かしこくて公平なはずなのにどうしてわが身のこととなると破滅的なほうへ向かってしまうのだろう、っていうその(あれ、どうして? うそ いつのまに?)感が文章ですごく緻密に再現されていてすごかった。離人感のあるかんじ。湿度や匂いをつよく喚起させるのに、いわゆる「愛」とか「絆」とかが本来的に持つべたつきからは自由だ。6篇どれもそうなのだけれど、とくに「モンタージュ」は自傷を記号としてではなく当事者の混乱した内面から混乱したままに描いた――というよりむしろ他者へむかう心とみずからの身体がかみあわないままの、混濁を帯びたふるまいこそが自傷行為の本質であることを描き出した点で、自傷小説(そんなジャンルはいま勝手に作ったのですが)の金字塔ではないか。

  • タイトルから、まあちょっと百合とかロリとかくらいかな、と軽めに想像していたら、「おまわりさーん!ここに変質者がいます逮捕してくださーい!」というレベルの変態がゴロゴロでてきてビックリでした(苦笑)百合とかロリとか以前に登場人物全員「病んでる」ことが引っかかる。官能どころか痛々しくて目を背けたくなる種類の「性癖」だし・・・。基本的に宮木あや子さんは文章の上手さ自体を信頼しているので、どれもするする面白く読んでしまったけれど、登場人物たちをほぼ全員好きになれなかったのが残念。

    基本は「少女」の話ですが、唯一「少年」の登場する「春眠」がわりと好きでした。ただ、ラストの「モンタージュ」がこれの続編にあたり、「春眠」では好意的に見ていた養護教員が、こちらではとてもくだらない女性になりさがっていたのがガッカリ。それにしても教師と女生徒の恋という題材は、少女マンガでは普通にラブコメとして成立するというのに、現実には犯罪になっちゃうんだから厳しい。でもまあ例えばドラマの「高校教師」で、真田広之と桜井幸子の関係は「純愛」と思えるけど、京本政樹と持田真紀のほうは明らかに「犯罪」なので、その差ですかねえ。

    「光あふれる」は、全部妄想だろうと最初からわかっているけどとても怖かった。でもアイドルグループの名前がIKAZUCHIなのは笑ってしまった。雷って(笑)「ピンクのうさぎ」はちょっと気持ち悪く・・・。あ、グロとかじゃなくて、百合はかまわないけど僕っ子が苦手なんですよ。あと幼稚なのも。

    「雪の水面」は、一番ヘビーだった。なぜか「需要と供給」という言葉が浮かんでしまった。基本的にはロリコン犯罪者は全員死刑でいいと思ってるけど、虐待やネグレクトにあった子供にとっては、衣食住を与えて優しくしてくれる相手なら、それが犯罪者でも関係ないんだよなあって。寒い、ひもじい、痛い、は辛いけど、この三つを取り除いてくれるなら何ら問題ないとかうっかり思っちゃうもの。性的なことでさえ、痛くないなら(気持ち良いなら)別にいいんじゃない?って思ってしまう。こわいこわい。

    ※収録作品
    「コンクパール」「春眠」「光あふれる」「ピンクのうさぎ」「雪の水面」「モンタージュ」

  • こういう独特のエロティシズムのある雰囲気はとてもとても好き。
    漫画とかで読めたらまた違った印象だったかもなぁ。

    大学時代にでも読んでたらどっぷり浸かったような気がする。

  • 時間がないのに全部読んでしまった。
    グロさとエロさ。
    だけでない少女の、あるいは少女の心のまま体だけ大人になってしまった彼女たちの心の脆さ、したたかさ、本能と寂しさの危うさ、純粋さが根底を流れる。
    痺れるような読後感。

  • 完全に表紙買い
    でも、かわいい女の子やお洋服に包まれている気持ちになった 異常な人多すぎだけど

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著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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