- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150312299
作品紹介・あらすじ
2020年、〈メテオ・ニュース〉の木村和海が
衛星軌道上で発見したデブリの不審な動きは
前代未聞のスペース・テロの始まりだった。
感想・レビュー・書評
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下巻になって圧倒的に面白くなった。
ぜひ映画化してもらいたい。
日本SF映画の金字塔になるはず。 -
"大躍進" 計画は、「スペース・テザーの〈雲〉で宇宙ゴミ衝突に擬装した事故を増やし、現在、人工衛星を運用している国家の宇宙開発に取り組む意欲を削いでい」く一方、逆に「北朝鮮が宇宙開発へのさらなる投資を発表」し、「優秀な科学者、エンジニアを集め」て北朝鮮(とその同盟国)が宇宙開発の主役に躍り出よう、とする北朝鮮の策謀だった。そしてそのメインミッションは、「四万あるスペース・テザーを全て投入して、低軌道を巡る二千個の人工衛星を、同時に、全て地球に叩き落とす」"低軌道虐殺" だという。
なんて壮大な計画! しかも北朝鮮に魂を売った日本人エンジニア(白石)が一人で遂行しようというのだがら恐れ入る。まあ、でもソフトウェア技術を駆使すれば一人でも何とかなってしまいそう、と思わせるものはある。
下巻では、スペーステロとの激しい攻防が繰り広げられる。スリリングで無駄のない展開、なかなか面白かった。ただ、話を盛り上げるためか、わざとらしい展開になっちゃってるのが少し残念。関口・黒崎がせっかく(もはやテロリストの)ジャハンシャ博士を追い詰めながら、黒崎が(関口に人殺しはさせられない、とか言って)邪魔してジャハンシャをまんまと逃がしてしまう展開は、さすがにあり得ないよな。和海主導の作戦でフィナーレを飾ろうという著者の魂胆がみえみえで、ちょっと白けた。
特に意味はないのだが、タイトルにもなってる「オービタル・クラウド」が出てくるセリフを二つほど。まずはチームシアトルのリーダー、クリスのセリフ「四万のスペース・テザー……。まるで、軌道の〈雲〉ね」。そして、地上の管制官がパイロットに向けて叫ぶセリフ「こちら、コントロール。マドゥ、見えたぞ。雲だ。軌道の雲だ!」 -
上巻が良すぎて下巻で落胆しないかとビクビクしつつ読了。結果的には大満足。(難しい理系ゾーンの話はあまりこだわらずに…)最後までハイペースで読みきってしまったので、またゆっくり読み返したいなぁ。
イランが打ち上げたロケットの2段目が、大気圏に落下せず逆に高度を上げていることに気付いた主人公。そこからJAXAやらCIAやらアメリカの大富豪やらが絡んできて、テロ計画に立ち向かっていくという…言葉にしてしまうとなんじゃそりゃ!的な話なのですが、これがまぁフルコースのエンターテイメントで面白い。
強いて気になった点を挙げるとすると、解説でも「感情的に行動する人物や頭の悪い人物はほとんど出てこない」と書かれていますが、登場人物がみんな完璧超人で、頭の回転が速すぎ。シン・ゴジラよりも展開が速いのでは(笑
特にジャムジェドが決断するくだりは「え、それなに一瞬で判断したの?」という印象で現実離れしているような気も。
また、シライシの意思をカズミがどう昇華していったのか、ちょっと不明瞭なのが残念。
とは言え、スピード感は本著の良い面でもあって、息もつかせぬ展開にページをめくる手が止まらなくなる没入感は何とも言えず気持ちが良いもので。最高にデカい舞台装置を使いこなしたストーリー展開も快哉を叫びたい気分です。
文字を読んでいて情景が頭に浮かんでくるようなシーンも多く、ついつい映画化を期待したくなるのですが、宇宙のシーンを抜きにしても予算がかかりそうな要素しかない。。いや、コレでも絶対良い映画になるなぁ。
藤井さんの本、もうちょっと読んでみたいと思います。 -
面白かった。各分野のプロフェッショナルが集結し、それぞれが死力を尽くして戦う構図が熱くてかっこいい。SFでありサスペンスであり、そのどちらの視点からも素晴らしいエンタメ作品として楽しめた。
ただ、主人公チームの能力がほとんどチートと言っていいほど高すぎるために難問が難問として機能しておらず、ただ主人公チームの「凄さ」を強調するための装置としての役割しかなくなっていることが惜しく感じた。
また、「なんてやつだ!」「たったこれだけの時間でこんなことを!」のような持ち上げが多すぎて途中から「はいはいすごいすごい」と感じてしまったのが正直なところだった。
しかし、最後は大団円を迎えて読後感も非常に爽やか。重ねて面白かった。 -
映画を見ているような感覚でした。
親ガチャと言われているように、生まれや育った環境により、本来画期的な発明を行う可能性を奪ってしまっている現状は寂しいと感じました。 -
解説で大森望氏が書いている「仕事小説のリアリティ」がすべて。上巻終わりの膨大な注釈も斜め読みし、雰囲気を味わう。宇宙に夢を持つということがよくわかる。厳しい政治情勢下のイラン人科学者が痛ましい。
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上下巻一気読み
物語の「関係のないプロ達が集まって敵に立ち向かう」構図がたまらない。
世界各地の人々ごとに
うまく場面を切り替えていく感じが
映画を見ているようにスピーディで
話が大きくなるのも気にならず
これはすごい -
ここ数年で読んだSFの中で最高に面白かった。前半だけは人も場所も移り変わりすぎて読みにくかったが、SF的アイデア、てんこ盛りの技術用語、壮大なスケールと夢が楽しくて後半はあっという間に読めた。
ファンタジーな三体よりずっとSF好きには受けると思うのだけど、何故かあんまり話題になっていない気がする。もっと有名になってほしい作品。 -
質の良いSF。ロマンですねえ
こんにちは!
上巻のレビューから、面白そう♪と気になっていましたが、下巻のレビューでもう確実に読みます(笑)
素敵な作品をご紹...
こんにちは!
上巻のレビューから、面白そう♪と気になっていましたが、下巻のレビューでもう確実に読みます(笑)
素敵な作品をご紹介くださいましてありがとうございます(^ ^)
嬉しいコメントありがとうございます!
ぜひぜひ(o≧▽≦)
とってもオススメです!
読み進めるうち...
嬉しいコメントありがとうございます!
ぜひぜひ(o≧▽≦)
とってもオススメです!
読み進めるうちに、まるでハリウッド映画を観ているかのような気分になりました。
ジャンルはSFですけど、お仕事小説としても読めます。
池澤夏樹さんの「いつだって読むのは目の前の一冊なのだ」で、SF好きの方の娘さん(たぶんSFのブックガイドも出されてる声優の池澤春菜さんだと、わたしは思ってます)にオススメされた本として紹介されてました。
ハイジさんのレビュー、楽しみにしてまーす♪