君を愛したひとりの僕へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-2)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 3082
感想 : 176
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312343

感想・レビュー・書評

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  • 誰もが意識することなく『並行世界』を揺らぎながら生きている、ということが常識となった世界。
    両親が離婚したあと父と暮らす10才の暦は、ある日、愛犬のユノが事故死した世界から、ユノではなく、祖父が死んでしまった世界、自分が父ではなく母と暮らしている世界へとシフトする体験をする。
    そのきっかけとなったのは、父の勤める研究所の所長の娘、栞。
    二人は、双方の親が再婚を考えていると知り、お互いが兄妹にならず結ばれる世界へシフトしようとするが…


    シフトに失敗した栞を救いたい、その事だけを望む暦の人生。
    同時刊行の『僕が愛したすべての君へ』を読了した後なので、ほんの小さな一点からかけ離れていった暦の幸福と不幸に、幸福に気づかない不幸に、やりきれない気持ちになった。

    けれど…本作を読了して、もう一度『僕が愛した…』に戻ると、その不幸も幸福なのだと…、たぶん、そうでなきゃ、と思う。
    どの道を選んだ暦も、深く愛する事、愛される事を知っていた、幸福な人間だった。

    こういう設定の物語は、伏線を後で見返してフムフムと考えるのも楽しみの1つ。それを2冊の本で、さらに楽しめる。

  • 私頻繁にパラレルシフトしてるわ
    酒飲んでよく記憶なくなってる謎が解けた

  • とても面白かったです!
    「僕が愛したすべての君へ」と繋がってる場面が出てくるところが面白くて好きです!(パラレル・シフトしているところなど)

  • 読む順番で結末が変わるらしい、面白そう、と聞きつけて、本好きの人と交換して読んだ!一緒に読んだのが楽しかったのと、2冊で1冊になるよう仕上げてある工夫が楽しかったので、星5個つけた。それぞれの本を一緒に読み進めながら、ちょこちょこ感想を交換して、でもまだ全部繋がってないからなんかお互い感じとってること違うな、と思ってたけど、こんなにストーリーの重さが違うと思わなかった。僕愛から読んだから、君愛のほうもヒロイン違いで、普通のきゃっきゃうふふの恋愛物なのかと思った。よくできてる。

    どのキャラが好きかで見方も変わってくるかもしれないけど、わたしは栞が好きだったから、終わりまで読んで、うわーんってなってしまった。受け止められないわけじゃないけど、受け入れたくない。どうにかして一緒にいてほしかったし、遠くへ置いていかないでほしかったな、って気持ちと、でも離れ離れになることでしか救えないのだから暦のしたことはやっぱり最善だったのかな、とか。一緒に読んだ人と話してたら、暦の気持ちがすごくわかるって言ってた。男女の思考の差かもしれない。もうひとつの僕愛のほうで出てくる淑女との会話があっちだけ読んでいるとふわっとした柔らかいシーンの印象でしかないんだけど、こっち読み始めると最初からわかる。あれが栞だったんだ、って。ようやく出会えたんだって。涙出る。ちゃんと暦に伝わっていてほしいな。どこかで生きる栞のこと。栞にも、暦のこと、伝わっていてほしい。出会っていなかったとしても。自分がこんなに愛した人が、ちゃんと生きていて、幸せになっているんだよって。ふたりにネタバレしてほしい。

    スピンオフがあるみたいなので、それも読みたい!!!

  • 何となく手に取ったこちらを先に読み終えました。かなり重く辛い話でした。
    君愛と僕愛どちらを先に読むかで結末が変わると書いてありましたが、確かに読んだ後の後味はかなり変わるなという印象です。

    君愛から読むと物語的にも順番に読んでいる(と思う)ので幸せで、でもどこか切ないハッピーエンド。
    僕愛からだと、物語的に後半→前半の順番(多分)なのでより多くの伏線回収、より切なさが残る読破感。僕愛の方がハッピーエンドなのでそれを思い出してより心がキツくなる。

    ただ、1冊目で謎だったここはこういう事だったんだ!という衝撃はどちらから読んでも感じられると思うので好きな方でいいと思います。

    私は君愛から読んだのですが自分的には正解だと思いました。(ただ僕愛から読んでないのでどう感じたかは分かりませんが、、。)

    ハッピーエンドが好きな方は君愛から、切なくどこにも行き場のない辛い読破感が好きな方は僕愛から読んでみるのがいいと思います。(ただ内容の理解のしやすさは君愛→僕愛の順番だと思います。)

    内容自体は2つのストーリーが繋がる、、、というよりは重なる、可能性が2つあったパラレルワールドの話で両方読めば面白さ倍増なので是非読んでみてください。

  • こっちを後に読んだ。
    絶対逆順で読んだ方がよかった。笑

    理論とか、概念とか、「ちょっと無理やりか…?」とは思ったりするものの、SFにはつきものなので、すんなり受け止めてそれ以外のところに重きを置いて読むのがいいね。
    設定自体の面白さとか、それによって人がどう動くとか、どう心が変わるかとか。

    エピソードも良かった。

  • 難しい分野の話で内容が頭に入りづらく、共感できる部分も少なかったので、2/3まで読むのに時間が掛かってしまった。但し後半に差し掛かってからは先が気になって一気に読み進めたくなる内容だった。終わりはとても切ない気持ちになったが、その後どうなったかが気になるので、もう一冊も早く読みたいと思う。

  • 映画を見た。君愛→僕愛

    小説を端折りすぎてて所々意味不明なMVみたいになってた。
    栞のビジュアルが氷菓の千反田えるちゃんに似てて可愛い。

    君が愛したひとりの僕へ
    暦と栞
    前半はユノとおじいちゃんにボロボロ泣かされた。
    中盤は最高の青春からのお互いの両親の再婚でバカ発動して平行世界へ駆け落ち紛い→失敗して栞が死ぬ
    ここが最高に意味不明なんだけど、なんで一旦調べないの??高校生なのに
    栞の死をきっかけに暦の才能開花。
    一途に思い続けて研究に没頭。
    和音と研究所のパートナーとして再会して飲みに行った時も交差点の幽霊になっちゃった栞に「後でまた来る」「うん」のやり取りが切なくて泣けた。
    最後の方で暦と栞が絶対に出会わない世界が幸せって結論づけた年取った暦があの時のままの交差点の栞に説明説得60年後の約束する時に当然栞が出会わないなんて嫌だって拒否るけどそれが肉体年齢ちぐはぐだから栞がやけに幼く見えてさらに切なかった。
    一緒に歳を取れないってこういう事なんだなと思った。
    で、ここからがまじで謎。0の暦は脳死で絶対に出会わない世界線の過去へ飛んできたわけだからその脳死の未来ごと消したってこと??
    なんかそこまで出来るなら栞の事故を防ぐ方法探した方が幸せだし早そう。


    僕が愛したすべての君へ
    僕愛はひたすら栞を忘れやがった暦にイラついて号泣した
    暦が100人の和音と暦がいたら100人がそれぞれ全員愛してるよみたいなこと言ってて、栞はどうした!!栞を愛してた暦はどこ行きやがったって涙が止まらなかった
    栞ぜんっぜん出てこない。
    でもこれがタイトル回収で、僕愛はすべての和音を愛してる。君愛は栞が暦を愛した世界線はあの10年間くらいの1回だけでもう何処にもないからひとりの僕って事なのかな?
    よく分からない所として、君愛と僕愛のそれぞれの暦(7歳の時に父母どっちに着いていくかで分岐した暦)はIP端末的にはどのくらい離れてるの??
    和音が良い奴なのに栞ポジにきてるから嫌いになる
    君愛から見たからだろうけど栞への思い入れが強い。
    下駄箱に手紙入れてカラオケ呼び出して和音に自作自演で仕返しされた後に突然告白してたのも意味わかんなかった。

    正直君愛だけでも良いかも。君愛見たあと僕愛見るとめちゃめちゃつまらなく感じた。イラつくし
    でも僕愛から見るとたぶん意味不明だと思う
    泣いて泣いて心が綺麗になった気がする〜

  • 栞を幽霊にしてしまったと思い込む暦は、半ば狂ったように60年を研究で過ごし、たどり着いた結論で、「僕が愛した全ての君へ」につながる。ホントのヒロインは和音。
    映画ではこちらから見ると解釈が変わる?

  • こちらを後に読むと、ちょっと切なくなります。

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著者プロフィール

1981年大分県生まれ。2012年、第18回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞した『ミニッツ ~一分間の絶対時間~』(電撃文庫)でデビュー。初の一般文芸作品『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』(ともにハヤカワ文庫JA)を同時刊行して、大きなヒット作となる。ほかに『ラテラル ~水平思考推理の天使~』(電撃文庫)、『正解するマド』(ハヤカワ文庫JA)など、トリッキーなアイデアを武器とした作品を得意とする。

「2021年 『アイの歌声を聴かせて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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