- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150312343
感想・レビュー・書評
-
誰もが意識することなく『並行世界』を揺らぎながら生きている、ということが常識となった世界。
両親が離婚したあと父と暮らす10才の暦は、ある日、愛犬のユノが事故死した世界から、ユノではなく、祖父が死んでしまった世界、自分が父ではなく母と暮らしている世界へとシフトする体験をする。
そのきっかけとなったのは、父の勤める研究所の所長の娘、栞。
二人は、双方の親が再婚を考えていると知り、お互いが兄妹にならず結ばれる世界へシフトしようとするが…
シフトに失敗した栞を救いたい、その事だけを望む暦の人生。
同時刊行の『僕が愛したすべての君へ』を読了した後なので、ほんの小さな一点からかけ離れていった暦の幸福と不幸に、幸福に気づかない不幸に、やりきれない気持ちになった。
けれど…本作を読了して、もう一度『僕が愛した…』に戻ると、その不幸も幸福なのだと…、たぶん、そうでなきゃ、と思う。
どの道を選んだ暦も、深く愛する事、愛される事を知っていた、幸福な人間だった。
こういう設定の物語は、伏線を後で見返してフムフムと考えるのも楽しみの1つ。それを2冊の本で、さらに楽しめる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私頻繁にパラレルシフトしてるわ
酒飲んでよく記憶なくなってる謎が解けた -
とても面白かったです!
「僕が愛したすべての君へ」と繋がってる場面が出てくるところが面白くて好きです!(パラレル・シフトしているところなど) -
こっちを後に読んだ。
絶対逆順で読んだ方がよかった。笑
理論とか、概念とか、「ちょっと無理やりか…?」とは思ったりするものの、SFにはつきものなので、すんなり受け止めてそれ以外のところに重きを置いて読むのがいいね。
設定自体の面白さとか、それによって人がどう動くとか、どう心が変わるかとか。
エピソードも良かった。 -
難しい分野の話で内容が頭に入りづらく、共感できる部分も少なかったので、2/3まで読むのに時間が掛かってしまった。但し後半に差し掛かってからは先が気になって一気に読み進めたくなる内容だった。終わりはとても切ない気持ちになったが、その後どうなったかが気になるので、もう一冊も早く読みたいと思う。
-
栞を幽霊にしてしまったと思い込む暦は、半ば狂ったように60年を研究で過ごし、たどり着いた結論で、「僕が愛した全ての君へ」につながる。ホントのヒロインは和音。
映画ではこちらから見ると解釈が変わる? -
こちらを後に読むと、ちょっと切なくなります。