血と霧 無名の英雄 (2) (ハヤカワ文庫JA)

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  • 早川書房 (2016年7月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784150312374

作品紹介・あらすじ

ロイスに過去を思い出させた依頼。その先に待つ真実とは――血と記憶を追う冒険譚後篇

みんなの感想まとめ

血と記憶を追う冒険譚の後篇は、登場キャラクターたちの成長や過去が丁寧に描かれ、読者に深い感動をもたらします。特に、ロイスやルーク、ヴィン、ティルダといったキャラクターたちの強さと美しさが際立ち、彼らの...

感想・レビュー・書評

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  • 第四話の段階では、正直皆なんでその境遇でそんな甘っちょろい考え方でいられるんだよ!とイライラした。けど、物語は甘くて優しいから美しいのかもしれない……。
    幾人かの、名を残さぬ英雄たちに敬意を。
    ところで、まだ掘り下げる余地はありそうなんだけれど続編が書かれることがあったりはしないのだろうか。

  • 誰が、ギィが何者なのか教えて。。。

    もう少しこの世界線見ていたかった。みんな散ってもまた再開できるような終わりの余韻でしたね。
    ルークもヴィンもティルダも、そしてロイスも強く美しい矜持を持ったキャラクターでした。それが良かったです。

    後半戦はルークの成長、ロイスとグローリアの過去、そして結末まで一気読みでした。

    2024.9.23
    150

  •  1巻目の100pか200pくらいまで、主人公の男性のモノローグがどうもなじまなくて、多崎先生の声とダブって聞こえていたのですが、物語が動き始めてからは、男性の声が本物になっていました。
     それでもやはり、三人称の方がよかったんじゃないかと思っていたのですが、2巻目は一人称でよかったなと思えました。

     血液を媒介にしてやり取りされる記憶。意思。心。真実。
     それは過去のものでも、今のものでも通じ合える。
     ただし、過去の場合は一方的に。

     二冊読み終えて、これはプロローグにすぎない、ということでよろしいでしょうか。
     なんと、あとがきもついていないのですよ、今回。
     どうしたことか。
     次回の予告とか、いつもあったのに、今度ばかりはどうしたの・・・?
     とかいって、ブログを覗いたところ、次回は別のお話出会えそうですが、今回のこの「血と霧」は、以前予告していた吸血鬼のお話ですよね?
     そう、吸血鬼のお話だと気付いたのも2巻でした。
     いや、血のように赤いワインか何かを飲んでるんだ…? ん? って思っていたのですが、いやいや、これ、やっぱり吸血鬼だよ! 銀に焼かれるとか、日光に弱いとか、吸血鬼じゃん!と。
     吸血鬼と言えば人間が恐れて対立する構造ばかりイメージにあったので、いや、間が抜けていることに、気づきま……というか、世界観を呑み込むのにだいぶかかってしまってたということですね。
     人が織りなす物語を吸血鬼という縛りを持った人が織りなす。
     ついでに龍まで出てきてファンタジーだ。
     ルークに心寄せてしまうとなかなか辛い2巻目。
     というか、ごめんなさい、後が怖すぎて、実はちゃんと読み通す前に2巻のお尻の方さらっと見てから挑みました。
     だから、ショックは普通に読むよりは少なかったと思う。
     それでもやっぱり、子供は無垢に正義感に溢れていて、危なっかしいを通り越して勇ましく、長い時を生きて思い出や傷を退席させる時間もないために、理想のために己の命を手放して散らしてしまえるのか。
     大人はそうはいかないですよね。
     汚くても憎まれても、自分の命は結局ぎっちり握ったままになる。

     ミリアムについては、誕生当初からやたら元気だけど、グローリアの血をついでYなら、内側から食い荒らされることもあるんじゃないかと思っていたので、まあ、そうですよね。
     執事様が麗しすぎます。

     2巻の大半を占めるのは(占めるように感じられたのは)、第4章の道化の見せる夢。
     この辺、「夢の上」と「煌夜祭」を彷彿とさせられました。
    (と思ったら、ブログで「煌夜祭」との関連性が示唆されているではありませんか! 吸血鬼……そう、吸血鬼ですよ!!! そうだったんだ……!!!!! 早く第三シーズンまで出してください!!!!!)
     道化の正体が気になる。
     グローリアとロイスの恋物語は、思ったよりも低年齢でした(笑)
     10代半ば、もとい、15,6歳くらいで、ほぼ同い年で? の割には、大人びていてこなれている!のは上流階級の習わしだから?
     中世とかならそれも普通と言えばそうなのでしょうが、ロイスは勝手にグローリア15歳の4歳くらい上のイメージでした。グローリアのわがまま姫ぶり(恋人限定)は、同い年にはきつかろう、なんて思いながら読んでいましたよ。いくら精神年齢が高くても、ね。
     でも、美味しい姫騎士譚でした。
     ここで引かれていた、なぜグローリアは生まれてくるのが女の子だとわかっていたのか、という伏線は、今後世界の根幹にかかわる部分でわかるのでしょうか。
     女王の資質を持つオルタナの女性は未来が見える、とか。

     さて、今回ルーク王子は……ということですが、ミリアムも……ということですが、狼男がなんだか生きているっぽいし、なんとなく、どちらか一人くらいは、むしろミリアムは、実は生きてるんじゃないかとか、勘ぐってしまうのですが、どうでしょう。
     ギイの正体も気になりますしね。
     絶対どこかで出てきている関係者だと思うのですが。
     むしろオルタナの血をひいていたりしそうですし、夢の中の道化役であったりもしそうですが。
     正体、気になるところです。
     女性、なのかなぁ、なんて。ロイスへの心の傾け方が、最後のあたりでなんとなく、そんな気がしました。

     今後はアドリアとの仕事関係で舞い込む依頼を片しながら世界の謎もとい、戦争の平定やら、「歴史」と呼ばれる秘密結社との抗争に巻き込まれていくのでしょうか。
     ティルダとの間も気になる所ですが、絶対アドリアの婿候補に挙がってくると思うんですよね。(おいしい)
     それから、2番目のお姫様がどう仕掛けてくるのかも、気になる。

     地下の殻の中に築かれた世界に存在する国の物語。
     上殻、中殻、下殻、さらには昇降機の存在。
     カタツムリの殻のように螺旋になりながら地下に存在するのでしょうか。
     他の国との位置関係が気になりますが、それは今後わかるのかな。
     名前の付け方も韻を踏んでいるのが、得意な人と苦手な人といそうですが、多崎先生のこだわりが見られます。
     それから、子供は大事、貴賤なく愛せよのメッセージ性。
     前作の神殺しの話や四季の物語の時も、メッセージ性が前面に強く押し出され(過ぎ)ている気がしていましたが、今回もストレート。
     大事なことは言葉にして伝えないと伝わらないよ、とはいうものの、主人公たちの心の機微や行動を見ていれば、今回は前作ほど紙面を削られているようでもないので、十分に伝わると思うのです。
     「煌夜祭」の時のように、感じるものは自分の中に自分で見つけられるのが好きなのです。
     私は。
     それでも、そこが多崎節だと言われれば、首肯するところではあるのですが。
     登場人物の心の中に作者のメッセージが出すぎているのが、どうしても気になる……。

     それでも、多崎先生の作る灰色の世界の中で息をする人々が殻を破って色彩を手に入れる物語は大好物ですので、次回も期待して待ちたいと思います。

     別のお話もいいけど、「血と霧」の続編(正確な意味での2巻目)を待っています。
     せっかく拡げた世界ですもの、ちゃんと綺麗に畳んでいただかないと!
     というか、この世界結構好きなので、続編よろしくお願いします、出版者様。

     別のお話も出版の都合で紙面が削られることのありませんよう。思い切り、言葉の端を削らずともいいように書かせてあげてくださいませ。

  • 一生大切にしたいと思える、間違いなく私にとって宝物の作品になりました。表紙の綺麗な絵に惹かれたのがきっかけですが、この本を手に取った本当に良かった...!同著者の他の作品も読みたいと思います。

  • 切ない。
    読み終わって、胸に抱きしめたくなるような物語だった。
    確固たるオリジナルの世界観があるのにその説明が全くくどくどしくないのがすごい。
    余分なものは極限まで削ぎ落とされたような書き上がり。だからこそ人物の心の揺れや台詞が際立つのかもしれない。
    しかもその中でさりげなく張られた伏線がきっちりと回収される。
    なんだろうこのバランス感覚は。

    もっと長くこの世界に浸りたいという欲求と、いや、この小説はこれでベストなんだろうな……ああでも寂しい……という葛藤。それほど心に響くものがある幸せな読書体験だった。

    この2巻はこれで素晴らしく完結したとして、とにかくこの世界線で別の視点の話が読みたい。

  • 前巻であまり語られなかった主人公ロイスの妻グローリアの魅力的な人柄がようやく明らかに(ロイスとのやりとりに和んだ。これ大恋愛だなぁ)。ロイスの正体に驚いた。ルークが犠牲になる結末が痛ましい(ロイス達との出会いを糧にして大きく成長してくれると思っていたのに)。結局ギィは何者なのか。この2冊だけで終わらせるのは惜しいので続編希望。

  • 14:悲しい、というよりは痛くて痛くて重かった。子どもたちが、幼いながらに自分たちの選ぶべき道を選び為すべきことを為す、そうせねばならないと追い込んだ多くのものと、生きることを諦めなかった登場人物たちの意志が尊くていとおしい。めっちゃ良かった……!

  • 切なく悲しくも愛おしさが後引く一冊

    子供でありながら
    子供でいられなかったルークのロイスとの別れの場面が
    悲しく切なく感じる描写でありながら
    私の頭の中に浮かんだルークは
    満足感のあるキラッキラの笑顔を浮かべていて
    悲しみながら読むことも違うなと
    本を読んでいて感じた初めての感情だった

    最終場面の
    霧笛でのロイスとギィのやりとりがとっても好きだな

    真相はどこまでも残酷だけど
    ふんわりとした温かみも感じるお話だったなと
    私は思う

  • 壮大な映画を見終わったかのような読後感だった。世界観がすごいのはもちろん、キャラクター個々の個性にいつの間にか愛着が湧き、無名の英雄の最後には涙がでた。深い愛と革命の話。ずっと映像を見ているような感覚のある本だった。

  • 読了。80点。

    血と霧上下巻の下巻。
    全編通しでの第5話のロイスとグローリアの出会いから始まる話は凄く好きな話でした。
    やはり内面描写が主で話が進むものが好みなのか。

    また最後で色々と展開が動く。読み終わった際の読後感は綺麗にまとまって良かったというもの。それは確かにそう思いました。
    とはいえ、一晩寝てから考えるとこの世界がどうやって今まで成り立っていたのかやシルヴィア女王の強硬な姿勢の背景など描き切って欲しかったとは思います。

  • 最高!

  • 王子、国様々なものが抱えることが浮き彫りになって行く中で女王の絶対悪である感じが強まっていった。そして主人公の娘に関しても、息子同然に感じていた王子に関しても救いが無さすぎて辛かった。
    国のこととかを考えた全体を見るとハッピーエンドに向かう兆しが舞える結末だったけど、子供の多大な覚悟の上での犠牲の上でなされたのが辛すぎた。彼らも幸せになる道があって欲しかった

  • こんなに心揺さぶられる物語は久しぶりに読んだ。読み終わったテンションで感想を描いているので読みにくい文章、文章になっていないところがあるかもしれない。出来ることならば続きが読みたい。
    ギィの霧笛で、ロイス、ルーク、ヴィンセント、ティルダそして、ミリアムが一緒に暮らし、ルークの夢が実現することを私は想像していた(望んでいた)が、そんなことはなかった。
    ルークの血実を握りしめ霧笛に向かうシーンが印象的でした。
    ユイア・ノイアの行いは許すことができないが、私がもし彼女であったならば、同じ行動をとってしまうかもしれない。それだけ彼女はアドリア姫を慕っていた。

  • 子供たちの運命が過酷。大人たちがもうちょっと何とかしてあげられたらと思わずにいられません。

  • 「血」がすべてを決める世界で生きる人たち

    かなり作り込んだ世界観で大変好みでした。
    ラストまで容赦ない展開でとてもよかった。

  • ロイスの過去が少々食傷気味でした。グローリアの性格が受け入れられなかった。

    ルークの成長と覚悟に切ない気持ちになりました。
    続きはあるのでしょうか。

  • 血の力が社会を支配する世界のお話。
    血の三属性という世界観も女王をめぐるストーリーも面白かったのですが、やはり子供が悲惨な死に方をする話には抵抗がありました。

  • で、2巻。ネタバレますよーーーーー。


    まず表紙のルークのビジュアルで「可愛けりゃ許される」フィルターかけてやってもいいかと思っちゃいますが、最終的にね、本当に犠牲になるとは…そりゃ見直しますよ。
    定番ポジションとして、ティルダとヴィンスとか、ものすごくいろいろありそうなギィとかが、本当に脇役のまま終わったのが残念だけど、前後編だとこのくらいか。かと言って続編続編で続けられても萎えるので、あと1〜2冊くらいだったら蛇足にはならなそうだけどなぁと。

    ちなみに「吸血鬼✕スチームパンク」って帯に書いてあるけど、吸血鬼かどうかは微妙な気がするけれど、ファンタジー色強めのスチームパンクは、ありそうでそんなに読んだことなかったので、新鮮でした。

  • 1、2巻というより前後編とか上下巻と言ったほうが正しいような。

    多数あった伏線を回収しつつ、ラストまとめたのはうまかった。やたら登場人物が不幸だらけなのは最近の流行りっぽいけど、それが一応本筋に影響するので、まあよいか。

    血の内容ですべてが決まる世の中、という設定よりも、『殻』という世界設定が面白いなぁと思った。あまり活かされてなかったけれど。

    ラストがやたらヒロイズム満載でちょっとだけ鼻白んだので☆3つに下げました。

  • 完結編の2巻もとても面白かったです。ロイスやルークの過去が壮絶で切ない。そしてロイスが捜し求めていたミリアム…そんな!となりました。残酷な真実。ルークの決断と結果も、そんな!となりましたが。でもラスト辺りのロイスとアドリアの会話に一縷の望みを託して、続きもあったらいいなと思いました。血に支配された、この世界観がとても好きでした。

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著者プロフィール

2006年、『煌夜祭』で第2回C・NOVELS大賞を受賞しデビュー。著書に「〈本の姫〉は謳う」、「血と霧」シリーズなど。

「2023年 『レーエンデ国物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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