- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150312428
作品紹介・あらすじ
人生のすべてを記録・再生できる技術により"死後"の概念が失われた未来。南洋諸島で学者ノヴァクは死出の舟を造る老人と出会う
感想・レビュー・書評
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「誰も気にしないのだな。人が一人死んだというのに」
「気にしていない訳じゃなくて、既に気にし終えたんですよ」
お笑いや政治など全ての事柄でもそうですが、
ある程度背景知識など詳しくないと楽しむことができないものがあります。
記憶を取り出せるようになることで、「死」がなくなる。
SFを読むために、さまざまな知識を得ようと感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これほどまでに巻末の解説をありがたいと思った本はないのではなかろうか。
この作品がSF好きの人達にとって傑作とされているのだとしたら、自分にはSFを楽しむための素養が決定的に足りていないんだなと教えてくれたような一冊。SFを楽しむためには、社会構造に興味がないとダメなんじゃないだろうか。
作中でどんなことが起きて、どんな仕掛けがあって、ラストにどんなカタルシスが用意されているのか、を雰囲気で感じ取ることこそできたものの、文系育ちの自分には「なんとなく」でしか意味を捉えきれていない単語がそこかしこで飛び交っているので、それを全部理解できたらきっともっと楽しめるんだろうなぁ……と思いつつ、そこを楽しむための努力をする時間はきっと他のことに使うべきなんだろう。少し寂しい。
作品としての完成度で言えばきっと星5つ。個人的に楽しめたかどうかと言われると星1つ。間をとって星3つです。 -
天国や地獄を信じてるわけではないですが、概念のしての死後の世界は確かにすり込まれている。そういった死後の世界が否定された世界という発想がまず面白い。
やや概念的な話になることと、章立てが断片化されていて人も時代もころころと入れ替わるので、全体像をつかむのが難しい小説です。読み応えは十分。 -
久々に読むのを挫折させられた
とても自分にはイメージしきれないです
多分、映像化されたら更に分からなくなる気がします
でも、賞を取っているのですよね… -
意識をコンピュータやネットに移して不死になるという話はたくさんありますがこれはユニークではないかと思います。でも、そのやり方だと再生できるのは生まれてから死ぬまでの間のはずなので、永遠にループするの?などと少し疑問も。
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自分の好みにバッチリはまった。人間の行動は、思想は、何に起因するのか、そういう概念と死後の世界や生体による計算、通信の技術が、違和感なく扱われているのが良い。
構造も特殊で、この先に何があるのか、現実、現在は何なのか、ハラハラしながら読めた。
201114