ニルヤの島 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.55
  • (14)
  • (16)
  • (15)
  • (6)
  • (4)
本棚登録 : 313
感想 : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312428

作品紹介・あらすじ

人生のすべてを記録・再生できる技術により“死後”の概念が失われた未来。南洋諸島で学者ノヴァクは死出の舟を造る老人と出会う

感想・レビュー・書評

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  • これほどまでに巻末の解説をありがたいと思った本はないのではなかろうか。
    この作品がSF好きの人達にとって傑作とされているのだとしたら、自分にはSFを楽しむための素養が決定的に足りていないんだなと教えてくれたような一冊。SFを楽しむためには、社会構造に興味がないとダメなんじゃないだろうか。
    作中でどんなことが起きて、どんな仕掛けがあって、ラストにどんなカタルシスが用意されているのか、を雰囲気で感じ取ることこそできたものの、文系育ちの自分には「なんとなく」でしか意味を捉えきれていない単語がそこかしこで飛び交っているので、それを全部理解できたらきっともっと楽しめるんだろうなぁ……と思いつつ、そこを楽しむための努力をする時間はきっと他のことに使うべきなんだろう。少し寂しい。
    作品としての完成度で言えばきっと星5つ。個人的に楽しめたかどうかと言われると星1つ。間をとって星3つです。

  • 天国や地獄を信じてるわけではないですが、概念のしての死後の世界は確かにすり込まれている。そういった死後の世界が否定された世界という発想がまず面白い。
    やや概念的な話になることと、章立てが断片化されていて人も時代もころころと入れ替わるので、全体像をつかむのが難しい小説です。読み応えは十分。

  • ――

     まじで柴田勝家、本名だと思ってましたすんません。


     面白かった、と云うにはあまりにも問題提起が多すぎて、読後感を正直に書くなら「混乱」。それも、物語が入ってこなくて混乱してるのではなく、全部受け止めた上で混乱している。
     だいたい小説ひとつ読み終わったあとって、大なり小なりその作品の中で描かれていたことに対する持論、というか立ち位置、スタンス? そういうのがある程度定まっていて、なんかまぁあのひともこのひとも恋しい、みたいなことはあるにしても概ね言葉にできるものなのだけれど…
     これは…うーむ。

     読んだよ、ということだけを記すレヴュになってしまう。本当にまだまだ言葉が、足りない。それとも信仰が足りないのか? 立脚点が無いんだな。ふーむ。

     それでも☆3.9くらいはある。じっと、コアになる部分に繰り返し、死生観を問い掛けられる作品。

  • 作者初読 面白かった
    有名になるだけあるなーという感じで、SFといえばミーム、それについての扱いが丁寧だと感じる一作。
    個人的には宗教観と生死感という切り口もすごく好みでした。

  • 「誰も気にしないのだな。人が一人死んだというのに」
    「気にしていない訳じゃなくて、既に気にし終えたんですよ」

    お笑いや政治など全ての事柄でもそうですが、
    ある程度背景知識など詳しくないと楽しむことができないものがあります。

    記憶を取り出せるようになることで、「死」がなくなる。
    SFを読むために、さまざまな知識を得ようと感じました。

  • 意識をコンピュータやネットに移して不死になるという話はたくさんありますがこれはユニークではないかと思います。でも、そのやり方だと再生できるのは生まれてから死ぬまでの間のはずなので、永遠にループするの?などと少し疑問も。

  • 自分の好みにバッチリはまった。人間の行動は、思想は、何に起因するのか、そういう概念と死後の世界や生体による計算、通信の技術が、違和感なく扱われているのが良い。
    構造も特殊で、この先に何があるのか、現実、現在は何なのか、ハラハラしながら読めた。
    201114

  • 『娯楽』★★★☆☆ 6
    【詩情】★★★★☆ 12
    【整合】★★★★☆ 12
    『意外』★★★★☆ 8
    「人物」★★★☆☆ 3
    「可読」★★☆☆☆ 2
    「作家」★★★★☆ 4
    【尖鋭】★★★★★ 15
    『奥行』★★★★☆ 8
    『印象』★★★☆☆ 6

    《総合》76 B

  • 4つのエピソードがシャッフルされ、終盤に近づくにつれ段々と一つに繋がっていく。

    主体も時系列もバラバラなエピソードの断片を四次元的に組み上げながら世界観を理解するという、能動的読書が楽しめる。

  • SF ×宗教という組み合わせ。
    我々も正直 死後の世界については うっすら信じてるか信じてないかくらいなものだと思うけど、「科学が進歩して死後の世界が完全に否定されたらどうなるのか?」「SF的な観点から見る死者の国とは?何故 人類はそれを必要としたのか?」という感じの作品。
    読み応えある作品でした。時系列が作品の根本設定としても入り乱れてるので読み返し必須。


    “{ミームとは即ち、人間の持つコーデックなんだ。人はあらゆる文化事象をコード化し、自身の脳内にあるミラーニューロンにおいて接続する。接続された文化事象は、個人の行為となってデコードされる}”

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著者プロフィール

SF作家。ペンネームは戦国武将の柴田勝家にちなんだもの。1987年、東京都生まれ。成城大学大学院(文学研究科日本常民文化専攻)在学中にハヤカワSFコンテスト・大賞を受賞し、『ニルヤの島』で2014年にデビュー。このほか著作に、『ワールド・インシュランス』(星海社FICTIONS)、星雲賞日本短編部門を受賞した表題作を収録する『アメリカン・ブッダ』(ハヤカワ文庫JA)などがある。

「2022年 『メイド喫茶探偵黒苺フガシの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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