あまいゆびさき (ハヤカワ文庫JA)

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  • 早川書房 (2016年10月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784150312497

作品紹介・あらすじ

過保護に育てられた真淳とネグレクトされている照乃。惹かれあう少女たちは、ある危険な遊びをきっかけに引きはなされるが……。

みんなの感想まとめ

精神的に過酷な状況にいる二人の少女の物語は、愛と成長を描いた感動的な青春小説です。過保護に育てられた真淳とネグレクトを受けている照乃が惹かれあう様子は、初めは幼い遊びを通じて描かれ、徐々に真っ直ぐな恋...

感想・レビュー・書評

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  • 百合小説?というジャンルに入るのか分からないけど、面白かった。
    精神的に過酷な状況にある主要人物の2人。
    けれど諦めずに想いが実ったのはよかった。
    ユリカの初登場から終盤の活躍は予期できなかった。奥井も良いやつで、嫌な男があまり出ない作品だった。

  • あらすじを読んだ時、光のところにいてねみたいな話かなあと読み出したら全然違うけどめちゃくちゃ面白くてすぐ読み終わってしまった…笑
    同性愛とか、家族問題とか色々な事に触れてる作品。後味はとても良き。タイトル回収してるう…そして奥井。最高すぎる。
    奥井が本当にいいキャラすぎて、奥井と絡むとみんなおもしろくなるからホントみんな奥井目当てに読んで欲しい笑
    もしこの作品気になってて読むの迷ってる人いて、たまたまわたしの感想に巡り会えた人がいたら読んで損無いから、奥井のために読んで欲しい。そのくらいいいキャラだった笑

  • 宮木あや子さんは『官能と少女』から。恋愛小説としてはわりと露骨な性描写が特徴で、後ろめたくもくすぐったい感じになります。本作はいわゆる百合的な展開が主となっていて、同じく宮木さんの『ヴィオレッタの尖骨』とともに気になっていた一冊です。しかしまぁ、「あまいゆびさき」…このタイトルは甘美で、それでいて厳かな儀式を想起させますよね。

    さて、冒頭主人公ふたりの幼少期(保育園児あるいは幼稚園児)から、チョコを口移ししたり触りっこをしたり結婚ごっこをしたりと、まあ見せつけてくれます…。「さすがここまでしないだろう!」とツッコミたくもなりますが、幼いふたりにとっては「楽園」を訪うがことき夢のじかん、読み進めていく上で鮮明にふたりの絆を象徴していく風景なので、導入としては納得させられるものがあります。このくらいがよい。正直この序盤の序盤こそ一番印象深かったような気がします。

    そこからの展開は良くも悪くも真っ直ぐな恋愛物語です。すれ違いがあり、ベッドシーンがあり、ハッピーエンドで締めくくられます。ここまで真っ直ぐだとは…。もうちょっと背徳的というか、照乃ちゃんのためになら罪をも犯す(チョコをあげるために万引きをする)みたいな展開が続くと思っていただけに、私が思っていたような展開になることはありませんでした。二人とも真っ直ぐでとてもいい子でした(笑)。登場人物も、やけに悪人っぽく書かれた大人たちを除けば、みんな芯のあるいい人たちです。

    ですから、本作は立派な成長譚あるいは青春小説としても読めるのではないでしょうか。特に後半のドラマチックな展開から緩やかに着地していくラストは良い余韻にひたれます。

    まとめると、想像していたような薄暗さはあまりなかったものの、「ほんとうに」人を思う気持ちが美事に結晶した綺麗な一作でした。(因みに、私は映画なら『小さな悪の華』っぽい少女の交流が好きです。)

    「大丈夫、ぜんぶ、ふたりで始めよう。何もなくてもきっと、一緒にいれば平気だから。これから怖いこともあるかもしれないけど、ふたりでいればきっと怖くないから」
    こんなに小さな手なのに。こんなに小さな身体なのに。大きな黒い瞳から発せられる希望に似た光は、私たちの未来だけを映す。(本書より)

  • 惹かれ合う二人の少女の人生

    あらすじを見たとき、官能的な百合小説かな?と思った。それは決して間違いではない。

    でもどちらかといえば、性的マイノリティの二人による、複雑な愛と人生の物語だ。

    幼少期から互いに惹かれあっているのに、環境の違いなどからすれ違いや拒絶をしてしまう姿は歯がゆく感じられた。それでも、彼女たちの意志は行動へと移り、人生を歩ませる。
    学生時代を経て大人になるまでの過程を見ながら、実はこれは青春小説でもあるのかもしれない、と気づかされる。
    読み終えると、前向きな気持ちになれた。

  • シロツメクサの花言葉が「幸運」 「私を思って」 「約束」

    奥井とユリカがめちゃくちゃいいキャラで同性愛者同士だから理解し合える部分があるのかなぁと。

    奇跡の連続で現実味はあまりないけど、小説に現実味を求めるのが違うのかもしれないな

  • 後半になるにつれてなかなかに現実みのない話だった。あれだけすれ違っていたらこの結末は迎えないんじゃないかな〜という感じ。性描写もまあまああり、表現もあまり好みではなかった。

    でも、迎えにきてくれる場面とかユリカと奥井の助け舟らへんはかなり感動した。

  • 性的マイノリティ、ネグレクト、虐待、いじめなどさまざまな社会問題に触れる作品。百合文学好きなら一度は絶対読んでほしい。1回目は1時間30で読み終え、サクサク話が進むので飽きることはなかった。重く切ないけど、どこか懐かしく感じ2人を心から応援したく思った。2回目は、偶然が多いなと感じ始めたし、現実から離れすぎてて多様なマイノリティが次々でてきてお話感が半端なかったと感じた。でも、わたしが気づいてないだけで身近には様々な人がいるのかもしれないことを学んだ。まずこれは小説なんで現実離れした話の方が面白いです。(矛盾)
    '思ったこと'奥井とユリカがいい役してた。真潤案外積極的。

  • 幼い頃に出会ってから、ずっと互いを想い続けた少女たちの話。

    少女ふたりの恋愛話なのだけど、二人の世界がお互いだけで完結していないところがよかった。それぞれの友人や奥井やユリカなど、彼女たちを取り巻く人々が彼女たちの成長に良くも悪くも影響を与えている。その上で、彼女たちが最後に選んだ未来が眩しかった。

  • よくある百合小説…
    かと思いきや、少女達の成長物語だった。

    真淳の行動力がすごい!
    「照乃と一緒にいられるように」選択した行動の1つ1つが、心に刺さる。
    未来を見据えて、夢を現実に変えようと、それまでの厭世的な彼女を脱ぎ捨てた照乃も、ひたむきで良い!
    多少ご都合主義な感じもあるが、奥井とユリカの存在が、程よいスパイスになっている。

  • こういう耽美な百合大好物。傷ついた少女たちが幼い頃に惹かれ合っていけない遊びをしていてそれがずっと忘れられず、お互いが高校生になって再会するまで想い続けていたのも、アメリカ行ってからも遠距離で夢を追いながら想い合ってたのも純愛すぎます。ふたりの未来に幸あれ。
    絶望的な展開も続いたけどハッピーエンドに向かってよかった。毒親はやばかったけど、周囲にいい人間がいたのが救い。奥井とユリカいいキャラしてて好き。

  • うつくしい。いろいろな愛のカタチがあるなー。この小説の中に出てくる大人たちはみんなクズ

  • すき。百合小説の中で一番好き。女の子美しい

  • 家庭にも学校にも居場所を持てなかった少女達がセクシャルマイノリティーとして社会で生きようとするまでの物語。それぞれ問題の有る家庭で育った真淳と照乃が甘い幼少期を大事に覚えていることも女子校で再会して運命を捩じ伏せるように恋人になることも全て好きだと思った。奥井やユリカなど友人の存在も意外に大きくて誰もが自分で居られる場所が有ることを願う。

  • 禁断と判断するには幼い2人が、何となく感じる禁断を、成長して形作っていく

  • 百合小説だという前知識で読みました。
    序盤、中盤は少女たちの過酷な環境が描写されていてとても辛かったのですが、最後の最後に関わった仲間たちが協力して、まじゅんとあきのをくっつけたシーンはアツかった。
    終わり方も最高でした。

  • 少女達の一途な思いは大人に汚されていく
    ずっと2人だけの世界で
    誰にも邪魔をされずに

    2人でチョコレートを分けあう

    どうしてこんな気持ちいいことを大人は秘密にするの?

    どうして一緒に居てはいけないの?

    複雑で純粋な2人の物語

  • 宮木あや子が2013年に発表した長編小説の文庫版。もとはYuri‐Hime Novelから出版されてた官能的なシーン有の百合小説です。それぞれ家庭に問題を抱えている真淳と照乃の2人の少女がすれ違いと再会を繰り返しながら互いの気持ちを確認し成長する物語です。中盤までは家庭や心情の描写が素晴らしく、真淳と一緒に楽しくなったり悲しくなったりします。終盤はテンポアップし、ちょっとしたアクションがあったり、ライトノベルっぽい展開になりますが、こういう作品でハッピーエンドを迎えるのは珍しいと思います。

  • 少女にすら至らない、「子ども」同士の秘密で結ばれた関係は官能小説というよりは眩暈がするほどグロテスク。
    離れ離れになってからも二人はずっとお互いのことを忘れないでいて、思わぬ再会を果たす百合小説--これだけならありきたりかもしれないけれど、衝撃的すぎる展開からのラストを迎える。突然の展開にページを捲る手が止まらない。
    執念で全てを片付けたというか。全部持っていかれてしまった。

  • 予備知識なく購入。

    百合百合しい少女漫画を読んでいるよう。
    好みではない。

  • 2019年、24冊目は宮木あや子。久々の一晩読了。

    過保護な母を持つ、真淳。ネグレクトされる母子家庭の照乃。団地の隅で出会い、互いに惹かれあった二人。しかし、幼すぎた二人は、すぐに引き離されてしまう。互いに忘れることの出来ない存在となったまま成長した、真淳と照乃。そして、二人は再会するのだが……。

    予備知識も情報もなく、官能コーナーで見つけて即買い。しかし、官能を期待すると、かなり面喰らう。官能要素もないではないが、二人の少女の成長譚であり、同性愛的恋愛小説である。

    真淳の母も、照乃の母もベクトルは違えど、ちょっと歪んでる。一方で、コチラも少々歪んでるが、奥井や、終盤大活躍のユリカのキャラ立ちは納得。

    コメディー的ドタバタ感さえあるクライマックスと、出来過ぎ感じるエンディングが、少し好みと違ったのが、個人的な評価の伸び悩み。

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著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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