シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱 (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA タ 11-4)
- 早川書房 (2016年12月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150312572
作品紹介・あらすじ
2012年、オリンピック開催に沸く英国。アフガン帰りの女医ジョーと謎の同居人にして顧問探偵シャーリーの衝撃的な出会いと事件。
感想・レビュー・書評
-
性別を逆転させたり、時代を置き換えたりして、原作へのオマージュとする作品は数多い。
また、有名で、ファンが多ければ多いほど、パスティーシュは増える。
シャーロック・ホームズとジョン・ワトソン。
彼らほど有名なバディはいないし、こんなに多くの派生作品があるものもない。
熱狂的なファン(シャーロキアンと呼ばれる人々)がいるのもその人気の高さを示している。
さて、本作は、「緋色の研究」を下敷きに、ホームズたちが女性になって現代に蘇った物語だ。
二人だけではない、まさかのレストレード警部(子持ちだ!)も、モリアーティも、マイクロフトも!
ハドソン夫人はなんと電脳!
おしゃれな表紙に、しっかり現代風、そして冴え渡る推理。
ホームズシリーズを知らなくても楽しめる。
女性ならではの悩みも登場する。
ワトソンが生理に苦しみ、ZARAやUNIQLOを着る…
そして、その女性の大変さが、本作のキーとなる。
四人の女性が次々に亡くなったが、みな一酸化炭素中毒。
連続殺人なのか??
だとしたらどうやって?なんのために?なぜ女性だけなのか?共通点は?
あまり、「女性ならでは」と言いたくないが、あえて言いたくなる。
ジョー・ワトソンの過去の秘密も伏線として置かれている。
はてさて、次の事件はいかに?
目が離せない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コナン・ドイル、ホームズシリーズのオマージュ。こういう本を書く作家はよほど好きでなければ出来ないやね。「シャーロック・ホームズ」シリーズを中学生時代に読みふけり、しっかり若い頭に入って推理小説にはまった者としては、ただ至福に浸っていればよいの。
発想の転換、登場人物をすっかり女性に入れ替えると、事件も色模様が違ってくるのが面白い。しかし、やっぱり本家の『緋色の研究』のストーリーを忘れてるので、あわててウイキペディアにお世話になる(なにさ、若い頭が・・・と威張ってさ!)主人公の名前以外の登場人物、どうも聞いたような名前と思ったら、それももじっているのだと知る。
その後のシリーズに発展する布石がちりばめられていて、この作品も続いていくらしい。 -
おもしろかった( *´꒳`* )
表紙とタイトルと海外の名著という感じの装丁に惹かれて買ったものの積読になっていましたが......!
『緋色の憂鬱』か〜なるほどっという感じ。
そんなふうに事件が終わるのか〜そうかぁ〜
それもありか〜と思いつつ事件の解決部分を読みました
コナンドイルの『緋色の研究』と比べながら読むのが楽しかった!でも、単体でもすごくおもしろいと思う。
-
最近、SHERLOCKを観たばっかりだったから現代版ということで色々比較しながら読んだ。ミステリを期待して読むと希望に沿わないかもだけど、ライトに読むぶんには楽しめた。キャラ周辺の未回収の部分も多いから続き読む。
-
現代のロンドン・ベーカー街に住む女性版ホームズとワトソン、という設定なのだが、女性版007の現代ホームズといった感じのほうが近いかな。
-
装丁が綺麗な本はそれだけでポイントが高い。なので内容が「うーん」でもまあいいやくらいの気持ちでいたが、いやいや結構楽しめた。「あえて」性別逆転させて描くだけの理由や気概もしっかりとあったし。
一応、『緋色の研究』を読み直してから本書を読んだが、もちろんメイントリックこそ違うものの、元ネタ上に登場する場所や被害者の名前などもちょいちょい現れるのでちゃんとパスティーシュとしても楽しめる。後半は本家というよりはドラマ「SHERLOCK」めいた捕物帳展開になるのはご愛嬌。
ワトソンがアフガン戦争のトラウマを何らかの形で引き摺っているのも「SHERLOCK」の1話を想起させるが、どうやらジョー・ワトソンの場合まだアフガンでの彼女の行動に明らかになっていない部分があるようで、これは果たして続刊で明かされるのだろうか。 -
何回読んでも笑える!続きが楽しみ。