裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.83
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本棚登録 : 832
感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312640

作品紹介・あらすじ

くねくね、八尺様、きさらぎ駅――紙越空魚は迷い込んだ〈裏側〉の世界で、謎の美女・仁科鳥子とともに様々な怪異と遭遇していく

感想・レビュー・書評

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  • お盆も過ぎてなんとなく裏世界を覗いてみたくなり読み始めてみた。女子ふたりのピクニックというキャッキャウフフの雰囲気を連想させるものとはまるで違う、不穏と恐怖てんこ盛りの冒険譚。冒頭から死にかけてるし、現実も落ち着かなくなっていくし、まさにサバイバル。アニメ放映時に見たのだが、結構忘れていたことも多かったので大いに楽しめた。ただ怖いとかネット怪異の披露ではなく、科学的な恐怖の認知を踏まえて描かれてもいるので、裏世界のことやふたりの周りに起きている現象の今後が気になる。ちなみに「ネットロア」は「ネット」と「フォークロア」を合わせた造語なんですね。知りませんでした。巻末に参考にしたネットロアのことも書かれていたが、自分で検索する勇気はなかったので、この物語だけで追いかけていこうと思う。

    「くねくねハンティング」
    女子大生の紙越空魚(そらお)は裏世界で動けなくなっていたところ仁科鳥子(とりこ)に助けられる。白くてくねくねしたものをふたりで撃退し、不思議な物体を得る。そして再度その物体を獲得するためにくねくねを撃退しに行く。

    「八尺様サバイバル」
    こちらに戻ってから空魚の右目は青く、鳥子の左手は透き通っていた。鳥子が裏世界に拘るのは戻ってこない友人の冴月を探しているため。再びふたりで裏世界に行き、八尺様と呼ばれる240センチの女に遭遇する。

    「ステーション・フェブラリー」
    ふたりは2度の裏世界遠征を終え居酒屋で打ち上げをする。終えて外に出るとそこは夜の裏世界だった。帰る手段を探しているうちに沖縄の海兵隊と出会い、きさらぎ駅にたどり着く。

    「時間、空間、おっさん」
    無事に戻れたふたりだったが、喧嘩をしてしまい鳥子がひとりで裏世界に入ってしまう。空魚は鳥子に紹介されていた小桜に救出を依頼しに行くが、不気味な中年女性に押しかけられる。またも予期せず裏世界に入ってしまった空魚と小桜は鳥子を探しに向かう。

    ざっとあらすじを書くと第一巻はこの四編で構成されている。空魚と鳥子のやり取りは軽快なもので読みやすいのだが、恐怖に侵食されていく描写はもしもと想像すると怖い。読み進めていくと、鳥子が冴月を求める理由が少し分かり、空魚の生い立ちもなかなかに過酷なものだったことが分かる。小桜は裏世界が人の脳に干渉し恐怖を生み出すことを推論しつつ、また小桜も冴月には思い入れがある。空魚、鳥子、小桜、冴月、それぞれの関係性と裏世界の謎がどうなっていくのか気になる。

  • えー!面白い!
    ラノベは普段読まないけど、これは予想以上のクオリティ。Audibleでよく見かけるから、前々から気にはなっていた。

    ホラー、ファンタジー、アクション、百合要素が良い感じに合わさってる。

    なんだか最近はアニメといい、ラノベといい、クオリティがどんどん高くなってる気がする。
    もう凝ったドラマや小説変わらないのでは?

    シリーズもので今の所8巻?まであるようだし、続き読んでみよう!!

  • おー!面白かった!
    アニメは観ていたけれど、アニメよりも小説の方が私は好みかな
    しかも凄くスラスラ読めてあっという間に読了してしまった
    ネット上の怪談
    私はそれらに全く詳しくはないけれど…いや、ないからこそ へー!そんな怪談なんてあるのか!とより楽しめたのかもしれない
    ステーション・フェブラリーのお話が今巻の中では1番好き
    きさらぎ駅……本当にあるのだろうか……怖い!
    ピクニック…というにはだいぶ殺伐としているけれど、彼らの冒険を読み進めるのはとても楽しい
    空魚ちゃんの鳥子ちゃんへのヤキモチとか独占欲が可愛らしい
    なんてったって…似たような感情を何度も経験しているからね…笑

  • 現在、日本SF界で話題になっているのが、中国SF・SF第七世代・百合SFの3つである。本作品は百合SFで最も注目されている作品、シリーズと言っても過言ではない。百合のレベルは、「恋愛」の様なハード系というよりも「友情」といったソフト系に属する。設定では主人公の2人は女子大生だが、別に草食系男子大学生であってもストーリーは成り立つと思う。
    本作品は2017年からハヤカワ文庫JAでシリーズ化されており、現在第5巻まで刊行されており、第6巻は3月に発売予定である。それと並行してコミックが2018年からスクエアエ・ニックスで発売され、これも第5巻まで出ている。JAの1巻につきコミックが4巻のペースで作品化されているので、このままの計算で行くとコミックは最低でも24巻は出ると思われる。その点でも期待は大きい。そして本作品のアニメは1/4からTOKYO MXで放送開始、ニコ動でも配信している。
    一つの作品を小説・コミック・アニメの3つで楽しめる訳だが、最近この作品を知った私はどの順番で見た方が良いのか考えた。色々順番を変えたりして試行錯誤しながら検討した結果、「小説→コミック→アニメ」が良い。この小説の文体は脚本の側面を持っていて、カッコ書きの台詞が多いのに加え、場面描写が具体的なのは漫画化・アニメ化にも繋がる重要な要素。アニメを観てから小説を読むと、本当に脚本を読んでいる気分になるので、それはあまりお奨めしない。
    今回は小説の中身については触れなかったが、設定のアイディアは秀逸で、回を重ねるごとに次の作品を読みたくなる衝動に駆られる。のめり込める作家の一つに加わりそうだ。

  • 空魚(主人公)が迷い込んだ謎な世界。
    奇怪なモノと出くわし、死にかけるも、金髪の美少女、鳥子に出会う。
    二人で何度も裏世界に赴いては、命からがら現実の世界へ。

    都市伝説やネット怪談を元に、
    この裏世界では怪異が現れる。
    聞き齧ったことのある話と怪異がリンクすると、急に怖さが増す。
    知らなくても怖いけれど。

    裏世界は穏やかな世界ではなく、
    むしろ精神干渉や幻覚などを誘引し、トラップもごろごろ。
    こんな世界、一度行ったらもう懲り懲りだと思うけど、主人公たちは行くんだなー、これが…。
    理由はそれぞれどうあれど。

    続きは気になるが、怖いもの見たさに近い。

  • ネットのどこかで「最高の百合」という評価があったので読みはじめたのだけれど、その推薦書きは「ハッピーターンの粉を使った世界一美味い肉じゃがの作り方まとめ」とか「マクドナルドのチーズてりたまが神の食べ物過ぎて毎日食べられる」みたいな意味だったみたいだ。この煽りで膨らむ期待ぐらいの味わいは保証できる作品である。作家はなかなかの腕前だ。

  • 都市伝説、ネットロアの類×異世界サバイバル小説。
    取り扱っているものがホラーの類いなのでホラーに見えるけれど、個人的にはこれはSFの分類だなと思った。「よくわからないもの」がホラーの真髄だと思うので、それに理由をつけ理屈を立てようとする登場人物の思考回路がSF。みたいな。
    元ネタのネットロアや都市伝説を知っていると面白さ倍増だとおもう。大好きなのですごくツボだった。
    恐ろしいけれどどこか美しい異世界でサバイバルが楽しい。怖いんだけれども二人でいればなんとかなる感が強い。
    登場人物がみんなどことなく不器用。特に主人公ふたりは見ていてもだもだいらいらする位に不器用でぎこちないのだけれども、衝突したり味わったことがないモヤモヤを抱えたりしながらもゆっくり、少しずつ仲良くなっていく過程が良かった。
    すごく面白かったので続きを読みたい。

  • タイトルに惹かれて購入。最近、都市伝説をテーマにした小説が多い様に感じます。大抵の作品は、現実世界が舞台ですが、この作品は異世界が舞台。
    それなのに、都市伝説の怪異が違和感を感じさせずに描かれているのは、著者の宮澤伊織さんの筆力が高い証拠だと思います。
    個人的には「ステーション・フェブラリー」がお気に入りです。

  • ネット怪談×異世界ですか…ということで買ってみたけど、『ウは宇宙ヤバイのウ!』の人だったことに気付いて、より期待値が高まった一冊。
    うん、なかなかネット怪談的な不気味さとマイナーニッチ感があってよかった!
    ネット発祥の怪談を素材としているからか、メインキャラクターたちも妙に人づきあいが苦手で友情に飢えているところがあって、実にそれらしい空気感だった。

  • くねくねとか八尺さまとか懐かしいな!と思って読み始めたら一気に読み終わって、続きが読みたい…女の子達の謎もまだまだわからないし、でも都市伝説も同じであんまりしっかり謎は解き明かされないほうがいいのかなとも思ったり。不器用な女の子達が仲良くなっていくのよかったです…

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著者プロフィール

小説家。代表作に『裏世界ピクニック』(ハヤカワ文庫JA)、『そいねドリーマー』(早川書房)など

「2019年 『迷宮キングダム 特殊部隊SASのおっさんの異世界ダンジョンサバイバルマニュアル!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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