- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150312909
作品紹介・あらすじ
デビュー長篇『Gene Mapper』の前日譚「コラボレーション」、近未来の皮肉な戦場を描く表題作、「第二内戦」ほか全5篇を収録。
感想・レビュー・書評
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そうそう、これこれ!
現在の延長線上にあるちょっとした未来と、新技術がもたらす社会変化をポジティブに描いてくれる、藤井太洋ワールドが炸裂です。
未来に希望が持てる作品です。 -
他よりも取り扱う技術が新しいからなのか、求めるリアリティの水準が合っているからなのか、相変わらず藤井太洋の描くSFは面白い。
物語がこれから膨らみ、盛り上がっていきそうなところで終わってしまう短編であることだけが残念。
200215 -
藤井太洋の短編集
テーマはやっぱりセンスがいいけれど、できれば長編で読みたい -
表題作は、戦争もののリアリティを描いているところと、技術によって不平等になった戦力格差をルールによって縛るための仕組みづくりを思考実験しているところが面白いと感じました。
とはいえ戦争そのものが持つ生々しさが描かれ、巻き込まれた民間人側の心情描写がないことに対しては(主人公が軍人だから仕方ないのですが)評価のしずらさが残る話でした。(元々この手の話が得意ではないからだと思います) -
現在の世界において世界最先端の少し先の未来を描いた短編集。サイエンスやエンジニアリングのワクワク感を存分に味わえるだけでなく、社会問題についてのモチーフも取り上げられている。
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シンギラリティ―を、AIが意思を持って人類を排除するというような荒唐無稽な世界としてではなく、計算力や処理能力が飛躍的に上がることで起きる変化として描く。
量子コンピューターや相互にやり取りするAIなどによって技術的には現在の延長のような世界でも劇的な変化をもたらすことを短編ならではの鮮やかな場面の切り取りで描いている。
既存のインフラやその延長上の技術で十分に快適な生活を送れるということを倫理ではなくAI制御の側面からしっかりと示す。凄惨な話もあるが、どこかで技術への信頼や明るい展望が示される。
いままでこの作者の登場人物にはいまいち優等生過ぎて共感できないとこがあったが、今作では全く気にならなかった。今後作者の作品がますます楽しみとなった。 -
SF短篇が5つ。カバーは表題作の山場、近未来の中国での対テロ戦です。テロリストを倒すのは未来兵器なのですが、戦闘への人の関わり方を考えたお話しです。戦闘能力を持ったドローンが大量生産されたら怖いですね。