- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150312909
作品紹介・あらすじ
デビュー長篇『Gene Mapper』の前日譚「コラボレーション」、近未来の皮肉な戦場を描く表題作、「第二内戦」ほか全5篇を収録。
感想・レビュー・書評
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そうそう、これこれ!
現在の延長線上にあるちょっとした未来と、新技術がもたらす社会変化をポジティブに描いてくれる、藤井太洋ワールドが炸裂です。
未来に希望が持てる作品です。 -
他よりも取り扱う技術が新しいからなのか、求めるリアリティの水準が合っているからなのか、相変わらず藤井太洋の描くSFは面白い。
物語がこれから膨らみ、盛り上がっていきそうなところで終わってしまう短編であることだけが残念。
200215 -
藤井太洋の短編集
テーマはやっぱりセンスがいいけれど、できれば長編で読みたい -
シンギラリティ―を、AIが意思を持って人類を排除するというような荒唐無稽な世界としてではなく、計算力や処理能力が飛躍的に上がることで起きる変化として描く。
量子コンピューターや相互にやり取りするAIなどによって技術的には現在の延長のような世界でも劇的な変化をもたらすことを短編ならではの鮮やかな場面の切り取りで描いている。
既存のインフラやその延長上の技術で十分に快適な生活を送れるということを倫理ではなくAI制御の側面からしっかりと示す。凄惨な話もあるが、どこかで技術への信頼や明るい展望が示される。
いままでこの作者の登場人物にはいまいち優等生過ぎて共感できないとこがあったが、今作では全く気にならなかった。今後作者の作品がますます楽しみとなった。 -
SF短篇が5つ。カバーは表題作の山場、近未来の中国での対テロ戦です。テロリストを倒すのは未来兵器なのですが、戦闘への人の関わり方を考えたお話しです。戦闘能力を持ったドローンが大量生産されたら怖いですね。
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19.4.8読了
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読み終わってから少し経ってしまった。
自分としては『ハローワールド』くらいの軽さが読みやすかったので、プログラミングとかメカニックな面では付いていけなかったかなー。
ただ、表題作「公正的戦闘規範」の世界観は好き。
利用された者の持つ恨みと復讐の繰り返し。
そこに知恵と技術が集まれば、盤面をひっくり返すことなんて容易くて、けれどひっくり返された盤面が「勝ち」を現すとも限らない。
民族衣装に身を包みながらロボットに騎乗して殺戮する彼女の姿は、倫理的な面を無視すれば否応なしに格好いい。
そうして彼女が君臨するであろう世界を、また別の技術が乗っ取り、塗り替えてゆくであろう未来。
まさに、諸行無常。 -
藤井太洋氏の小説は、現在進行形のSFとも言えるもの。現在のほんの少し先を描いてみせるから、とても興味深い。
今回も、現在既に実現している技術で考えられる、ほんの少し先の未来を描いてくれてて、次作が楽しみな作家さんだ。