黒猫の回帰あるいは千夜航路 (ハヤカワ文庫 JA モ 5-6)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 275
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312954

感想・レビュー・書評

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  • なんかもう、思ったこと全部解説に書いてある気がする。
    解説のとおり、ずっと謎解きがメインだと思ってた。前作の最後で、やっと、ん?と思った。遅い。それと、事件が全部恋愛に関することっていうのも、言われて初めて気づいた。

    前作の最後はね、まだなの?まだそこは約束の場所じゃないの?と思って。付き人の、隣に並び立てるようになりたいっていう気持ちはわかるのだけど。
    そして「遊歩」と対になる「回帰」の事件。それらを経て、やっと「おかえり」「ただいま」が言える。

    ミナモが好きなので、再登場が嬉しかったし、彼女の選択を祝福したい。球体関節人形をつくってるのに、ハンス・ベルメールのことあんまり知らなかったな〜。あの人形にはそういう意味がこめられていたのか…
    それと、中を覗くようにつくられている人形というのはちょっと衝撃的。
    あとはAIが創り出す芸術のはなしが興味深い。

    小学生の黒猫がかわいい。
    男子だなあ、って思う。
    「よく喋るのに口下手」というのは言い得て妙。

  • このシリーズ、ミステリとして読み始めたつもりだったのに、もう恋愛小説じゃあないですか!
    でと、それはそれは心地よい感じです。
    何より付き人さんが幸せそうで良かった。

  • ■ずっとその背中を追いかけてきた。いつか並んで歩ける日が来ると信じて。

    パリで大規模な交通事故が発生。深夜、そのニュースを目にした付き人は、相変わらず連絡のない黒猫の安否が気になっていた。一年前、イタリアで二人の距離が縮まったと感じたのは、勘違いだったのか…。互いに研究で多忙な日々を送るなか、いつしか声を聞かない時間ばかりが増えていた。そんな時、大学院の後輩・戸影からペルシャ美学の教授が失踪したと連絡を受ける。黒猫のことが気になりつつ、付き人は謎を追いかけてゆくが―。待望のシリーズ第6弾!

  • この巻で、第一期終了とのこと。・・・と言う事は、第二期があると言う事ですよね?

    このシリーズ、結構読んでいるはずなのですが、イタリアのくだりの記憶が・・・。そこだけ読んでないのかな?結構熱い感じの様だったので、読んでいれば覚えていると思うのだが・・・・

    でもまぁ、とにもかくにも、なかなか進展せず、「お前ら中学生か!」と言う黒猫と付き人の二人でしたが、そのイタリアの経験を経て、新しい関係になっていたんですね。

    解説にもありましたが、このシリーズは恋愛小説そのものだと思います。ちょっとじれったくて、理屈っぽいですが。

著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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