黒猫の回帰あるいは千夜航路 (ハヤカワ文庫 JA モ 5-6)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 274
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312954

感想・レビュー・書評

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  • 解説を読んで、回帰!実際に遊歩と見比べて本当に「遊歩」に「回帰」している!!でもただ回帰しているわけではなくて、大きな変化…黒猫と付き人の距離感。それが味。2人は言葉にしない、伝えない。なんで?でもそれが2人なのか〜って思ってたのに…まさか読者に対してもだったとは…。しかも黒猫の伝え方…ずるい。これは2人にしかわからない嬉しいやつ!
    第1期完結おめでとう。

  • 付き人は日本から、パリで大規模な交通事故が起きた事を知る。フランスにいる黒猫の安否が気になりつつも、謎めいた失踪の連絡を受け取る。黒猫の安否から始まり、命というものを題材にした話が多い印象だった。隙間を埋めるように、黒猫と付き人の会話が挟まれる。会話や黒猫の態度からも、2人の関係性が確実に変わってくことを感じられる。

    2人の過去や小さい頃の出会いが、何とも初々しい。

  • 第1期が終わってしまった
    ここに至るまでの2冊を読む前に終わるとは思わなかった
    ちゃんと順番通りに読めば良かった…

  • 黒猫シリーズ。

  • 黒猫シリーズ第6弾の連作短編集。
    本作も面白かったです。
    シリーズ1作目の『黒猫の遊歩あるいは美学講義』に登場したミナモさん、黒猫の姉の冷花さんがメインの話もあり、ちょっと懐かしい気持ちになりました。

    お気に入り作品は『戯曲のない夜の表現技法』と『男と箱と最後の晩餐』。
    『戯曲の〜』はしっとりとしていて、心に沁み渡りました。
    『男と箱と〜』カニバリズムを想像してしまい、ドキドキしながら読むことに…。モチーフのポオ作品『長方形の箱』はどういう結末になっているのかも気になってます。
    『空飛ぶ絨毯』は私には少し難解でした。

    黒猫さんの付き人さんへの気持ち(愛情表現?)はとても分かりにくいけど、エピローグで漸くはっきりしました。しかし、第二話のラストがこういうことだったのか!作者にいい意味で騙されました。

    掌編も良かったです。黒猫、付き人の子供時代の様子、2人の束の間の交流を匂わせる表現が良かったです。

    シリーズを通して、著者の幅広い知識に脱帽です。美学とは全く縁がないので、1作目『〜遊歩あるいは美学講義』は最初読むのに苦戦しましたが、慣れてきたら面白くて。知らないワードで気になるものは調べたりして、美学関連の知識をお裾分けしてもらえたことに感謝です。

    シリーズの既刊書を読み切ってしまって寂しいです。本作は第1期完結篇という位置付けらしいので、第2期が読める日を心待ちにしてます。

    余談ですが、遂に最後まで黒猫と付き人の名前が明かされなかったですね。

  • 実質再読。
    1作目・遊歩を〈回帰〉するような構成になっている。2人の空気感がなんだかいい。やっぱり2人は一緒がいい。
    そして、イベント等で頒布されていたあの断篇集!!そっちが目的で購入に踏み切ったのだが、4編どれも良かったし、黒猫と付き人の運命さが!すごい!!(言葉にできない)
    特に「眺めについて」の2人が〈2人〉という人格を作っているって、それを遊歩の1話の時点から既に思っている黒猫のシャイボーイさよ……。
    最後までため息(いい意味で)出てしまう文庫版でした。

著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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