うそつき、うそつき (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.21
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本棚登録 : 69
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312985

作品紹介・あらすじ

国民管理のために嘘発見器である首輪着用が義務付けられた世界で、非合法の首輪除去技術を持つ少年フラノが辿り着いた真実とは?

感想・レビュー・書評

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  • これは、ミステリィなのか?SFとして掘り下げたほうが良かったのかも?

  • 著者の長編2作目があまりに面白かったので、1作目も文庫化を機に読みました。

    嘘発見器を備えた首輪の着用が全国民に義務づけられているとある管理国家。主人公フラノは、首輪を除去する違法な仕事で生計を立てる少年。
    テクノロジーに翻弄されるディストピアSFのようでもあり、誰が嘘をついていて何が真実かを見極めようとするミステリのようでもあり、悪いことをして生き延びるピカレスク小説のようでもあり、そしてジャンルなんてどうでも良いような気もします。

    徹底して主人公の視点から物語は語られ、主人公の身の回りのことだけで世界が見えています。
    ディストピアを打倒するような仰々しい展開にはなりませんし、因縁のあるキャラクター達との決着が果たされることもありません。本当に18歳(または16歳)の少年の等身大の語り口が貫かれています。

    そんな風に、大人ではないフラノの心を、真実も嘘も両方容赦なく残酷に打ちのめしていきます。ストーリーに妥協はありません。
    フラノは嘘に溢れている社会の中で暮らすことを割り切っているようでいて、それでも人はどこかで分かり合えるはずと信じることを諦めきれずに仕事をし続けて、結果的にはほとんどが裏目となって誰一人幸せにすることができません。本当にどのキャラクターも救われません。
    フラノが辿り着いてしまう結末は、避けられない当然のもののようにも思えるし、同時にあまりにもむこすぎるとも思えます。そう私達が感じてしまうのも、普段から嘘をつくことを仕方ないと割り切り、それでも人と正直に分かり合えることを願っている、矛盾した心を抱えているからかもしれません。

    真実というものの脆さ、弱さ、頼りなさ、不確かさを思い知らされるようでした。しかし繊細なフラノの視点を通して見ると、それゆえに真実を大事にしたいとも感じました。

    著者の2作品を読んで、本当にこの人の文章は感情を引き出すことに優れていると思いました。まだ他の作品は本になってないようですが、もっとこの人の文章を読んでみたい気がします。

  • 独自を世界を構成し、等身大の少年を描く。     
    人間はうそつきだ。  
    嘘をうまく利用し、活用し、操って、生きていく。     
    人間は嘘からは逃れられない。嘘と向き合って付き合っていかなければならない。    
    誠実に嘘をつき、嘘を嘲笑う。    
    嘘を軽蔑し、嘘にすがりつく。   

    主人公は嘘との相性が悪かった。

  • 旅行用に買って、1ヶ月くらいかかって読みました。
    序盤はハイペースだったのに、段々雲行きが怪しくなってきて&結末を読むのがもったいなくなってきて、ペースが落ちました。

    パラパラっとめくった時にエピローグ前の最後の文を読んでしまい、薄々オチはわかっていましたが、なんというか虚しくなります……。おもしろかったけども……。ハッピーエンドでないのはわかっていたけども……。デスノートを読んだ時の気分……。
    結局何が嘘で本当か、
    嘘を見破るはずの首輪があったのにわからなかったんですね。
    まあなんにしろ師匠が悪いような気もしますが。
    師匠と出会ってしまったことも。

    それにしてももしこんな首輪があったら……と考えてしまいますね。外さないなぁ……。やっかいだなぁ。

    全く関係ないですが、この片山若子さんのイラストが好きで、大抵内容が好みなので衝動買いしてしまいます。(少年検閲官とか春季限定~シリーズとか)

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