エピローグ (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
4.06
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本棚登録 : 135
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150313166

作品紹介・あらすじ

現実宇宙の解像度が上がり、人類がこちら側へと退転してしばらくしてからの物語。「ベストSF2015」国内篇第1位の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • それぞれ全く異なるルールの宇宙が相互に入り乱れ犇めき合って冗談みたいなことになっているこのユーモア!
    エキサイティングな世界設定!
    OTCとのかっこよい戦闘描写!
    恋に恋する、文字が化けた人々!
    物語が人の手を離れ、人の理解から遠ざかる。
    なんだかよくわからない!が、テンション上がったー。
    文字や物語が人間の為の存在であることをやめる話というか...。

  • 2018-2-27

  • プログラミング志向のメタフィクション。本文にもある通り、「生き生きとした」登場人物達が魅力的だった。

  • 終盤に「でも、そろそろお前の言葉も頭も、この意味がわかるくらいには変化していたっていい頃さ」とあるのは読者への語りかけでもあるが、うーん、そこまでテキストVS私において「理路整然とやわらか頭」にはなれなかったので、検索してネット上のあれこれを拾ってみよう。。。
     @
    東浩紀「円城塔が『エピローグ』でOTCと呼んでいるのは要は虚構の想像力のことだということに気が付いて、すらすら読めるようになった。」
     @
    退転、というのは、物理的現実を捨てて、ソフトウェア化することなのだが、次第に、退転とはメディアを乗り移ることだということが分かってくる。コンピュータだけとは限らず、書物だったり石版だったりオールドなメディアへの退転もあったらしい。というわけで、どうもこの作品に出てくる人間は、物理的には書かれた文字であるっぽく、ここらへんでメタフィクション的な色合いが出てくる。
    演出としても、文字の順序を変えたりするなどのことがなされたりする。
    人類のデータを維持していくためのシステムが、データを管理するために使っているのが「物語」で、その中でもどのような世界でも通用する物語として「ラブストーリー」を選び出す。最終的には、この物語を作るシステムとラブストーリーとのラブストーリーだったということが分かってくる。
     @
    作者の興味(目的)は、「果たして人間と機械(AI)との間に"差"は存在するのか」という点に絞られているからだ。本来はスパイスである筈の作者の薀蓄(ソフトウェア工学及びAIを含む計算(機)理論、情報理論、位相幾何学を中心とする数学、命題論理、一番の専門である物理学)を楽しむ事がメイン・ディッシュであり、物語の核はシンプルな方が(機械学習にとって)相応しいのである。ある意味において、本作は「『物語』を題材とした物語」なのだから。
     @
    このあたりだろうか。
    筒井康隆がインタビューに「佐々木さんはその小説を読むたびに、読者に新たな物語が生成される。そうしたプログラムが内包された小説をパラフィクションと呼ぼうと提唱しています。どういうものかというと、メタフィクションが作者がその物語を書いていることを作中で暴露することで、“作者の存在を意識させる”のに対し、パラフィクションでは、読者がその物語をいま読んでいることを指摘することで、“読者が当事者であることを意識させる”ということです。」と答えている。
    メタもパラも自己言及的で小説を退屈にさせる悪徳なのだが、筒井に負けず円城の小説は抜群に面白い。
    わくわくするし抒情的。

  • 難解ホークス!!!登場人物が作家と戦うことはできるか。

  • 人類は退転しました。

    サイバーパンクと形而上学をふざけながら真面目にもてあそんでいる感じが面白い

  • ついに尻尾を掴んだぞ!→尻尾なんてないよ
    みたいに1000000回なる。アレがひっくり返ってんだ。

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著者プロフィール

円城塔(えんじょう とう)
1972年、北海道生まれ。東北大学理学部卒。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。複数の大学で研究員を務める。34歳の時、研究を続けることが困難となり、2007年にSEとして一般企業に就職。2008年に退職、専業作家となる。
デビューのきっかけは、研究のさなかに書いていた「Self-Reference ENGINE」。各所で認められデビュー作となった。2007年『オブ・ザ・ベースボール』で第104回文學界新人賞、2010年「烏有此譚」で第32回野間文芸新人賞、2012年『道化師の蝶』で第146回芥川賞、同年『屍者の帝国』(伊藤計劃との共著)で第31回日本SF大賞特別賞、第44回星雲賞日本長編部門をそれぞれ受賞。他にも2012年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)、2017年「文字渦」で第43回川端康成文学賞をそれぞれ受賞している。
その他代表作に『これはペンです』『エピローグ』などがある。「新潮」2016年5月掲載号で川端康成文学賞を受賞した短編小説、『文字渦』が2018年7月に発売された。

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