日本SF傑作選4 平井和正 虎は目覚める/サイボーグ・ブルース (ハヤカワ文庫JA)
- 早川書房 (2018年2月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (798ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150313173
作品紹介・あらすじ
「レオノーラ」「虎は暗闇より…」「エスパーお蘭」などの傑作短篇、黒人警官の苦悩を描く『サイボーグ・ブルース』全篇収録
感想・レビュー・書評
-
普遍性のある傑作揃い。幻魔大戦やウルフガイは(この年代にしては)読んでいる方かと思いますが、短編はやや敬遠する向きがあったので反省しています。解説に「異様な迫力」との表現が登場しますが、まさにその通り。善悪が歪む世界で戦う個人の姿はハードボイルド的であり、ともすれば神話的ですらあります。オススメ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
平井和正作品にハマったのは「SFアドベンチャー」からで、『真幻魔大戦』が切っ掛け。遡る形で他の本も集めて読みまくったっけ。...( = =) トオイメ
生頼義範の妖艶な半裸美女の挿絵がいつも共にあった作品を授業中に読んでいたりしましたが、漫画やグラビア雑誌と違って、先生に咎らめられることは無かった、セーラー服な時代。w -
どれも最初の1行目のつかみがすごい。中2くらいで出会いたかった。
-
平井和正『日本SF傑作選4 平井和正 虎は目覚める/サイボーグ・ブルース』ハヤカワ文庫。
隔月刊行の全6巻。現代日本SF誕生60周年記念シリーズの第4弾。800ページに迫る圧倒的なボリュームで、平井和正の作家活動のマイルストーン的な作品を中心に収録されている。
平井和正と言えば、最近、ハヤカワ文庫から新装版が刊行されたウルフガイ・シリーズと、幻魔大戦、エイトマンの印象が非常に強い。
しかし、約40年前には本書に収録されている人間の精神世界をテーマにしたSF短編を描いていたのだ。
本書に収録されている『レオノーラ』や『死を招く女』などはバリバリのSFでありながら、精神世界をテーマにしているところが斬新だった。
また、幻魔大戦の原型『エスパーお蘭』、ウルフガイ・シリーズの原型『悪徳学園』、エイトマンの原型『サイボーグ・ブルース』など平井和正の作家活動のマイルストーン的な作品が収録されており、非常に良いセレクトになっていると思う。
【訂正追記】
『エスパーお蘭』より幻魔大戦の漫画が先で、その後に『エスパーお蘭』、小説『幻魔大戦』という順番。また、『サイボーグ・ブルース』よりエイトマンが先らしい。