機龍警察 火宅 (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2018年8月7日発売)
3.93
  • (26)
  • (51)
  • (24)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 353
感想 : 39
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784150313388

作品紹介・あらすじ

由起谷主任が死の床にある元上司の秘密に迫る表題作、ライザが特捜部に入る以前を描く「済度」など、本篇にも繋がる珠玉の全八篇

みんなの感想まとめ

多様な短編が織りなす魅力的な世界観が楽しめる作品で、特にキャラクターたちの人間味が際立っています。短編ごとに異なるストーリーが展開され、読者はそれぞれの作品で新たな発見を得ることができます。中でも『勤...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 自爆条項を買う前に中古で購入。(帯付、研磨なし)

    ・火宅
    ・焼相
    ・輪廻
    ・済度
    ・雪娘
    ・沙弥
    ・勤行
    ・化生
    の八編を収録した短編集。

    ・火宅
    特捜部捜査班主任 由紀谷が、警察上層部と由紀谷の捜査課時代の主任で捜査の基本を教えてくれた刑事の腐敗を暴くミステリー。
    病で自宅療養する元上司の見舞いに来た由紀谷は何か違和感を感じ、帰りの駅前で一つの推論に達し 元上司にその推論を話すのだが、それに対し肯定も否定もせず ただにこにこ笑っているだけの元上司に底知れぬ怖さを感じる。

    ・焼相
    薬物中毒でイカれ機甲兵装を使い立て籠る薬物中毒者から人質にされた子供達を救出する全八編の中で唯一龍機兵が活躍するストーリー。
    薬物で頭がイカれて何をしでかすか分からない犯人からいかにして子供達を救出するのか?
    緊張感溢れる一編。
    ラストのライザの表情が彼女「本来の姿」を思わせて涙。←相変わらず涙もろい自分。

    ・輪廻
    6話の雪娘と並び後味の悪さでは一、二を争う。
    姿 俊之の傭兵時代の過去の一端が明かされるのだが、全てが明かされるのはいつなのか?
    そしてそれはユーリとライザと同じ位もしくはそれ以上に壮絶な物であるのは間違いない筈。

    ・済度
    テロ組織IRFを抜けたライザが特捜部に入るまでの数日間の物語。
    これは短編で発表するよりもライザが主役の「自爆条項」本編に組み込んだ方が良かったと思うのだが。

    ・雪娘
    先に書いたように輪廻と並び後味悪さはこの上ない。
    主人公はユーリ。
    ライザもそうだが、ユーリの受難のレベルは本当に半端ない。

    ・沙弥
    由紀谷の学生時代の物語。
    彼が警官を志す理由とその場面でまたもや涙。←本当に涙もろい自分。
    この短編集で由紀谷だけが二回主役を張るのだが、もしかして作者のお気に入りキャラ?

    ・勤行
    特捜部理事官 宮近のある日の物語。
    仕事と家庭の板挟みでの苦労が報われるラストは「重い」話の多い本書の中でホッとする一編。

    ・化生
    主役は特捜部捜査班主任 夏川。
    殺人事件が実は特捜部の今後に影響するストーリーなのだが解説や他の方々のレビューによるとシリーズ5作目「狼眼殺手」に繋がっていくとか。
    う~ん気になる。
    これからどうなるのだろう?と期待と不安が交錯する。

    本来の長編ストーリーも良いがこういった短編集も良い。
    新たな短編集が出る(書かれる)事を熱望する。

  • 機龍警察シリーズ、短編集。
    長編を4作立て続けに読んだ勢いもあったので、1作品が短い、もうちょい続き読みたいっという気持ちが沸く。えっ!この先どうなったの?って所で終わる作品が多い。でも短編てこんな感じのテンポになるよね。

    個人的イチオシは、『勤行』。宮近理事官の真摯な仕事ぶりとご家族への愛がギュッと詰まった短編。
    長編での疲労(読み応えがあるが故の、良い意味の疲労である)を癒してくれる。

    笑ってはいけない、宮近理事官は真剣なんだ…と思いつつも、えっ!と言うようなアクシデントに見舞われる宮近理事官。無事ミッションをクリアし、果たして娘さん、奥様の信頼を勝ち取れるのか⁇

    機龍警察のキャラの中で一番(良い意味で)、人間臭い気がする。出世欲もありながら、根は真面目で奥様と娘さん、同期の城木理事官など、周りの人達を大切にするからこそ、時に判断に悩む顔も見せる宮近理事官。
    これまで、宮近or城木で言ったら城木派だったけど『勤行』を読んだら宮近派になりそう。

    『勤行』でクスッとしてたら、最後の『化生』で、現実に引き戻される。あぁ、そうでしたよね、機龍警察はまだまだ得体の知れない作品でしたよね…って。

    てことで、続きの長編5作目『狼眼殺手』を読もー!

  • ここで短篇かー!
    しゃみ、良かったな。
    由起谷さんの友達の死の事がかかれてる。
    未亡旅団ではちょっと涙したよ。
    仁義、好きだわ。
    仁義の本。
    最後2冊、毎回言う。文庫化待ってます。
    先に図書館で借りる。やっぱり最後2冊は、姿さんと沖津さんの話なんかな。
    期待大。でも最後2冊は文庫化しないと決まってるくらい年数経ってるよな。
    この火宅は未亡旅団とかよりも前に文庫化されてる。なぜなぜな〜ぜ

  • スピンオフ的短編集。
    登場人物がそれぞれに魅力的で、まだまだ、いくらでも書けそう。

  • 特捜部メンバー達を扱った短編集。
    粒揃いの作品たちが掲載されているが、
    やはり長編のほうが良い。

  • 短編毎に違う世界観が楽しめます。
    個人的には「輪廻」と「勤行」が好きです。

  • 機龍警察シリーズの短編集。サイドストーリーと言えば軽く思えるが、どれも読みごたえのある、手抜きなしの傑作短編集。
    とはいえ、本編の5作(この本以降のもう1作は後で読んでもいいみたい)を読んでおかないと、世界観、キャラクター等が分からず楽しめないので、「まずは短編集で機龍警察シリーズデビュー」という方法はやめた方がいいと思う。
    このシリーズは是非とも刊行順で読んで欲しい。

    遠田潤子風ブルースを感じる表題作に、隠蔽捜査シリーズみたいな話もあるし、なんとガンダムサンダーボルトネタまで。しかもその全てが捨て駒じゃないって、なんという多才っぷり。短編一つ一つに本編以外の直接的つながりはないものの、最後に掲載の作品にユルやかに収れんされていく構成も見事。

    今更俺が言うてもなんの評価にもならんけど…
    月村了衛は日本小説界の至宝だと思う。

  • 短編集。刊行順は『未亡旅団』の後なのだけど文庫化が随分早かったので、しばらく寝かせ『未亡旅団』を読み終わった後、ようやく手をつけることに。
    サイドストーリー的な話もあれば、これまでの長編を補完するような話も多い。やはりこの順番で読んで良かった。最後の『化生』なんて今後登場するであろう敵方の<龍骨-龍髭>システムを持つ機甲兵装を予感させて、物語の行く末がとても気になる。…しかし沖津さんはどこからその技術を入手したのかなあ。

  • 長編の登場人物が、短編で登場してくる。長編を読んでから挑戦かな…

  • シリーズのこれまでの作品のサイドストーリー的な短編集。
    テーマが被ることが多いが、それはそれでいい。
    機龍兵が活躍するのは1作品だけ、わき役が前面に出てくる
    だからこそ、シリーズに厚みが出てよかった。
    心沈む話もあり、ほっこりする話もあり、しかしそれもこれも、闇に立ち向かう警察官たちのストーリーに繋がっていくのだな、と感じさせる佳作短編集。

  • 機龍警察の世界は人間ドラマも面白いんだなと思いました。短編も面白かった。
    勿論機龍兵ありきの世界ですし、登場シーンは高まったりハラハラしたりですが。
    掲載誌バラバラぽいのがまとめて読めるのもありがたいです。

    お話は、ライザのスカウト話「済度」、先に「未亡旅団」読んでるから尚の事胸にくる由起谷さん話「沙弥」、機龍警察でコメディ回があるとは…な「勤行」が特に好きでした。
    「勤行」、徹夜で国会答弁を作る宮近さん&城木さんの奮闘とドキドキの質疑、笑い事じゃないけどほのぼのしてしまった…

    「化生」はゾッとしました。次作に続くのかぁ。

  • 義肢をそんなふうに使うことだけは本当に勘弁してくれ世界。

    法が整うのを待つしかないという限界は分かるが…
    リアリティの追求に容赦が無さすぎて落ち込む。

    アドバンテージは尽きかけて、この先どうなってしまうんだ。地獄だけが加速していく。

    ミヤチカくんのお話だけ、ホッとした。

    円城塔さんの解説も「それほどややこしくもないのだが」面白い作品に対して、作家としての視点で、1ファンとして、分かりやすくややっこしいものですごく良かった。

  • メモです。

    「火宅」
    どす黒い強かさ。

    「焼相」
    緑→ライザの感情。
    それにしてもこのシリーズは警官死にすぎよな。

    「輪廻」
    胸糞。由起谷の義憤。

    「済度」
    ライザと沖津の邂逅。

    「雪娘」
    スネグーラチカ。

    「沙弥」
    由起谷が警官を志した理由。
    叔父さんいい人。

    「勤行」
    申し訳ないけど答弁作成デスマーチには笑ってしまう。
    宮近さんが報われるの嬉しいな。

    「化生」
    こわ〜ラストにこんなに怖い話もってきます?

  • 作者はあくまでも警察小説を書きたいんだろうけど、やっぱり機龍兵のバトルシーンが読みたいんだよね。

  • 龍機兵シリーズのサイドストーリーを集めた短編集です。
    龍機兵シリーズに繋がるストーリーの他、家族・娘と仕事との板挟みに悩むサラリーマンにフォーカスを当てた話し(勤行)もあります。個人的にその話しがお気に入り。
    かっこいいぞ、宮近パパ。

  • ライザのリクルートにわざわざベネズエラまで出向く沖津、フットワーク軽い。

    宮近メインの勤行が良かった。
    国会答弁を作る官僚は大変〜。


    2024.5.27(月)
    前に本で読んでたけど、Amazonオーディブルで聴き直し。

    未亡旅団から朗読が緒方恵美に変わり、演技過剰なのと、鼻にかかった感じと語尾が上がるのに我慢できず、その後、オーディブルで聴くのはあきらめて本を読んだ。

    でも火宅を聴いてみたら、まあまあなんとかなった。
    やっぱり機龍警察シリーズは面白いな‼️

  • ロボットアニメファンのための機甲兵装の活躍は控えめではある。
    しかし、機龍警察シリーズの個性溢れる登場人物達のエピソードの短編集。

    個人的には、国会対策のために、嫁に恨まれながらサービス残業する地味キャラであり不器用な男である宮近 浩二のエピソードにリアルを感じた。

    シリーズに魅了された人には、より楽しく読める短編集。
    いきなり、この作品から読むと、楽しさは半減するだろうな。

  • 『機龍警察 火宅(文庫版)』読了。機龍警察シリーズ初の短編集、の文庫化。この文庫版では解説を円城塔が書いていて、相変わらずの円城節で、既にハードカバー持ってても買う価値あったなと。シリーズ5作目の『狼眼殺手』読了後に読むのは今回が初めてだったので改めて趣も異なってくるなと。

  • 箸休め

  • 再読
    シリーズの登場人物の過去や人となりを掘り下げた短編集
    もう機攻装兵無しの人間ドラマで充分楽しめる
    ファン垂涎の一冊と言ったら大げさか?

全35件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。近著に『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』などがある。

「2021年 『ビタートラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

月村了衛の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×