言鯨【イサナ】16号 (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2019年1月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784150313562

#SF

作品紹介・あらすじ

神「【言鯨/イサナ】」によって造られた砂の時代。物資運送キャラバンで働く少年・【旗魚/カジキ】と神の遺骸が邂逅した時、すべての崩壊が始まった――

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

砂漠の惑星を舞台にした冒険物語は、主人公の旗魚と運び屋の鯱との信頼関係の構築を描きながら、物語が進むにつれて世界の成り立ちが明らかになっていく展開が魅力です。特に後半では、しんみりとした感情が漂い、キ...

感想・レビュー・書評

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  •  文学的な奥深さとライトノベルのような浸し見易さの2つを兼ね備えています。
    言葉と砂がテーマとなっています。神であるイサナとその謎を解き明かす少年心がくすぐられる1冊でした。

    以下ネタバレ含みます。




     イサナとはなにか、それは人間であり、主人公は人間ではなかったという真実が明かされます。クライマックスでは、主人公たちの敵、イサナ、蟲の王との戦いはバトル漫画のような熱さがありました。
     SF小説はこれまでも何度か読んできましたが、本作はこれまでに無いほど読みやすい1冊となっていました。

  • 面白かった、と言えるのだけれど、いざ感想を書こうとすると何から話したらいいのか…となる不思議なお話でした。
    砂みたいにサラサラと言葉が崩れていく。単にまとめられないだけだけど……

    「砂まみれの世界で人間のふりをしている」というのは某SF作家さんの世界を思い出しますが、こちらは人間ではないことに当人たちが気付いていない。
    死んだらサラサラ崩れて風になる、というのは人間じゃなくて砂で作ってるお人形さんだからか…。
    真に人間だった人たちはその姿を失い、取り残され遠の眠りについてたけれど一人目が起こされ、その一部が主人公と融合しちゃってて……から始まる仲間探しと、破壊と再生。
    砂まみれの世界だから、皆さん海の生きものの名前が付けられてるのかな。せめてもの、みたいな。。

    ラストもよかった。お互いに名前を忘れてはいるけど、鯱と旗魚は人間を探す旅に出たんだなぁ(ここはちょっと最終兵器彼女っぽい……)。

  • SFものは久しぶりに読んだけど、面白かった!
    設定がすごくしっかり作り込まれていたからか、没入感がすごかった。

    まさか出てくる登場人物が全員人間ではなく人形だったとは。
    これが一番衝撃的だったよ…。
    15号の代までが人間だったんだね…?
    あと、浅蜊が本当に死んでると思わず、最後までずっと実は生きていて裏工作されて死んだことにされてるんだろうなって思ってた。
    だけど、本当に死んでたとは……。
    銀鮫が怖すぎたね。
    でも、銀鮫も銀鮫で一生懸命やってたからなんかやるせなかった。
    旗魚の言うとおり、寂しかったんだろうね。

    旗魚、15号たちと同じ道たどっちゃったけど、珊瑚の子孫の子と会えてよかった…!
    そこで名前を思い出せたっぽくて本当に良かった。
    珊瑚はちゃんと子孫を残したんだね。

    鯱、めっちゃ良い奴~!
    生き残ってほしかったけど、最後、旗魚といたのって作り直した鯱かな…?

    常節、最期に浅蜊と話せてよかったね。
    まさかお別れも言えず、銀鮫が殺してたのが衝撃的すぎたけど、ほんと最期に会話が交わせてよかった。

    蟲、一途…!
    15号ことマサルとその友達との約束を守って、ずっと門番やってたんだね。
    例え、15号とその友達が来なくなってもずっと。
    マサルが龍蟲ことオトシゴの名前を思い出せてよかった。
    オトシゴはちゃんと情みたいなのもあって、胡渡が死のうとしたのを防いでてうるっと来ちゃった。

    伏線が全部きれいに回収されて気持ちよかった。

  •  ファンタジーのようでSF。

     「言鯨」「鯨骨街」「蟲」「奇病」独特の世界観で、終盤までは完全にファンタジーだと騙されていました。

     文章はやや独特で、私のようなファンからすると最初の一ページ数行で「あぁ、九岡望の文だ」とわかるような不思議な魅力があります。
     基本的にシリアスとコミカル、アツい展開の使い分けやそれぞれの繋ぎが凄く上手い人です。

  • SFファンタジー、面白かったです。

  • 前半は砂漠の惑星を舞台とした冒険物として物語が進んでいき、後半から世界の成り立ちなど解き明かされていく怒涛の展開、とてもワクワクしながら読み進めることができました。

    主人公の旗魚(カジキ)とひょんなことから行動を共にすることになる"運び屋"の鯱(シャチ)が、だんだんとお互いを信頼していくようになっていく展開も良く、良いからに後半はしんみりとしてしましました。また、同じく行動をともにすることになる"蟲使い"の珊瑚(さんご)は完全にヒロインでした。

    物語は"言葉"が重要なキーワードになっており、文章の書き方も変わった節々があり面白かったです。本書のタイトルについても、最後まで読み終わり「ああ、なるほど」となりました。

  • 面白い世界観のストーリー
    主人公の名前の読み方が覚えられないのは私だけ?

  •  カバーイラストとタイトルに惹かれて購入。概ね、期待通りの世界設定で、楽しめた。
     SFというよりかは、ファンタジー色が強いかな、と思う。世界設定もビジュアル設定も魅力的だが、文章は思ったより平易で、どことなくラノベっぽい。途中から主人公が強くなりすぎるのと、果たして絆をはぐくむまで三人が長いときを過ごしていたか、というといささか微妙な気がするけれど、基本的には面白く読めた。

  • 採掘船で働く、学者志望の少年・旗魚が、思わぬ形であこがれの学者・浅蜊と出会う序盤から(そもそも遭遇する前から)、畳みかけるように重なる謎と発見、逃走劇と解答が、一気に読み終えるまでの推進力を持っていて良かった。
    スチームパンクな世界観も緻密、蟲や詠石といった生物・物質の描写も優、後半のある意味無敵モードも快いが、何より相変わらずキーとなる文字/声の描き方のセンスが光っている。見開き一ページ分、(ネタバレ)が来たときには、予想はしていたものの来たか、とテンションが爆上がりだった。言葉を巡る思索のSFらしさも良い。
    タイトルは最後の最後まで読んで、そうかと判る感じだった。終盤は類例をみないわけでもないが、読後感と相まって余韻を残す。

  • ナウシカと砂の惑星とソラリスを足して割って何かスパイスを振りかけたような作品。イサナやそこの住人の正体に驚愕する。旗魚(カジキ)が死にそうになるところではウルトラマンを想像してしまうが、この作品は様々な作品を思い出させるところが欠点でもあり長所でもある。リーダビリティは高い。難しくない作品なので、遠い世界に逃げたくなるような気分の時に読むのがお奨めだ。

  • 現実、と云う枠に想像力をこれでもかと注ぎ込んで溢れ出したものが本当のSFなら、溢れてくるそれはどうしようもなく、ことば、になってしまうよなぁ。

    日本のSF、と云う感じ。物語への執着、と云うか希求と云うか、そういったものを強く感じる作品はとても力強いですね。

  • タイトルに惹かれて購入。
    前情報を全く入れずに読み始めたが、面白かった。サービス満点でテンポが良い。言葉……というか、言語を主題に置いたSFは数多くあるが、言葉の『音』に大きくフォーカスしているのがユニークだと思う。

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著者プロフィール

『エスケヱプ・スピヰド』にて第18回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、作家デビュー。他の著作に「サムライ・オーヴァドライブ ‐桜花の殺陣‐ 」「ニアデッドNo.7」(電撃文庫)、「言鯨【イサナ】16号 」(ハヤカワ文庫JA)などがある。

「2020年 『地獄に祈れ。天に堕ちろ。2 東凶聖餐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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