快絶壮遊〔天狗倶楽部〕: 明治バンカラ交遊録 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 54
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150313685

作品紹介・あらすじ

日本に野球や相撲を広めたスポーツ社交団体「天狗倶楽部」。その中心人物・押川春浪と周囲の人々の抱腹絶倒のエピソードの数々!

感想・レビュー・書評

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  • 学生運動集団の天狗倶楽部とその中心人物でSF冒険作家押川春浪を中心として、明治時代の文学者交流記録から、明治・大正字際の文学研究本です。

    H31年(R元年)大河ドラマ「いだてん」に登場している天狗倶楽部メンバーはこちら。
    https://www.nhk.or.jp/idaten/r/cast/index01-13.html

    この研究本では著者横田順弥さんの「文学界を研究するには、文壇や出版関係を探るだけでなく、その背景になる歴史、人脈を探っていくことが有用。そのためには研究者は自分の専門以外の分野にも視野を向けよう」という考えから行われています。
    文学者同士の交流は、この人とこの人が遠い親族だったのかとか人間の繋がりって面白いですね。
    現代まで残っている作家と、当時は大人気だったが現代はほぼ作品が伝わっていない作家について考えてみたり、文学者同士の繋がりを考えてみたりしています。
    さらに、ここの紹介されている明治時代の文学者並びにその関係者の行動が!実に!面白い!
    横田順弥さんが文学者たち、人間たちに対して明るく楽しい目線を持っているからこのような前向きな研究本になっているのでしょう。

  • #日本SF読者クラブ 押川春浪を中心とした天狗倶楽部の交遊録であり人脈史。思ったよりも、真面目な本でした。最初は、教科書も出している会社から出版されている。
     横田順彌氏の逝去により復刊されたのは、嬉しくもあり悲しくもあり。

  • ヨコジュンの遺作?大河の「いだてん」にあやかって、この本が出版されたみたい。「いだてん」様々だ。内容はヨコジュンの押川春浪シリーズが好きな人なら喜んで読む本だ。私も、その一人だ。明治の大勢の人達を余すことなく紹介したい気持ちは良く分かるけど、やはり内容が薄くなって、いまいち興味が引けなかったり、逆にもっと知りたいのに中途半端な感じで、ちょっと不満が残る。興味が沸いたら自分で他の本などで研究しろと言う事か?
    まぁ、名前が読めない憶えきれない。困ったもんだ。

  • 大河「いだてん」で知った天狗倶楽部の本と、勢いこんで手に取ったが、想像していた内容とは違ってた(-_-;)
    天狗倶楽部のメンバーを取り巻く人脈の広さにビックリした。

  • 早稲田出身者を核にして集まったバンカラ集団『天狗倶楽部』を中心に据えて交遊録を纏めると、これほどまでに明治の著名人に裾野が広がるとは! と驚く一冊。
    明治期に活躍した文学・芸術関係者は元より、実業家にスポーツ関係者、果ては冒険家と、「友達のルートを辿るとこことあそこに接点が!」、「この二人にはこんなエピソードが!!」とページをめくる度に詰め込まれている情報量の多さに溺れそうになりますが、読んでてとにかく面白かった!
    著者の縦横無尽の調査研究による結果、縦割りジャンルの壁を越えて知識が紐付けられて見えてくるいろいろなモノ、いやぁ素晴らしい明治の研究本でした。
    解説も横田先生の本をこれから掘りたい人向けに新設設計で良。

  • 明治・大正期に一世風靡したスポーツ社交団体「天狗倶楽部」の
    あらましと人物、交友関係、そして珍談・奇談を紹介。
    第一章 この人々も小説家だ  第二章 痛快男子 押川春浪
    第三章 ある少女小説作家の快挙!  第四章 消えた純文学作家
    第五章 吉岡・窪田の共著『運動界之裏面』
    第六章 漱石のユーモア  第七章 クスリはホシの『三十年後』
    第八章 落っこち居士の軍人作家  第九章 杉山茂丸と頭山満
    第十章 未醒と白羊の友情 第十一章 無銭冒険家列伝
    第十二章 飛田穂洲の意地
    各章毎に、おもな人物相関図と注有り。
    天狗倶楽部主メンバー一覧有り。
    明治・大正期は、時代の寵児が多く輩出した時代。
    その中でも破天荒な人物を多く輩出したのが、天狗倶楽部です。
    その活動よりも、押川春浪を核とした天狗倶楽部のメンバーと、
    関わる人々の交友録と人脈を取り上げています。
    スポーツ社交団体ながらも構成メンバーと人脈に現れる者たちは、
    スポーツ選手のみならず、文学、出版、芸術、実業、政治、
    歴史や考古学、医学、冒険、芸能他、多種多様。
    彼らの紹介とエピソード中心で・・・とにかく人物の多い!
    頭の中でこんがらがってしまう。でも面白い。特に人の繋がりが。
    しかも興味そそられる内容で紹介されているから調べたくも
    なるけど、著者の諸事情により参考文献が無いのが残念。
    とりあえず、白洋の絵は鑑賞してみたい。

  • 何十年かぶりに早川さんちでヨコジュンの名前を見たと思ったら、NHKの宣伝と訃報のセット企画なのね…(/_;)

  • ヨコジュンがなくなった年に天狗倶楽部が大河ドラマに登場。運命的。

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著者プロフィール

横田順彌(よこた・じゅんや)
1945-2019年。佐賀県に生まれる。法政大学法学部卒業。70年、「少年チャンピオン」にショートショートを発表し商業誌デビュー。SF、冒険小説作品の他、古典SF研究、明治文化研究の分野でも精力的な執筆活動を行った。88年、『快男児押川春浪』(會津信吾と共著)で第9回日本SF大賞、2011年『近代日本奇想小説史 明治篇』で第32回日本SF大賞特別賞、第24回大衆文学研究賞大衆文学部門、2012年、第65回日本推理作家協会賞評論その他の部門をそれぞれ受賞。他に『幻綺行 完全版』『大聖神』(竹書房文庫)などがある。

「2022年 『平成古書奇談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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