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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784150314033
作品紹介・あらすじ
"死者"が東京に増殖し、街に自殺者が溢れ始めたのは、CRISISのヴォーカリスト、チェシャが自殺してからのことだった。
感想・レビュー・書評
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人間、死ぬ寸前に「あぁ死ぬのか」と思うはずだ。そのときに書き遺すことが不可能な刹那の感覚、それはきっと誰そ彼刻と似ている。
横溢する血や粘液は、生の証と同時に死の証。曖昧な境界線。境界線をいきつ戻りつする物語。
安寧の地とならぬ東京は生きる屍として身体化され、私達に啓示を与える。 -
講談社文庫版(https://booklog.jp/item/1/4062731673)で既読だけど再読。この後も続々津原泰水の絶版初期作品を復刻してくれるらしいハヤカワさんに感謝の気持ちを込めて課金。表紙絵が単行本時の金子國義の絵なのも嬉しい。
山梨から上京し東京の大学に通い始めた18歳の鞠谷雛子は、大学の軽音サークル内のバンドに加入、先輩でバンドのギタリスト甘粕緑朗といい感じだが、雛子にはかつて中学生時代の初恋の男の子・尾瀬郁央が初デートの日に交通事故死してしまったトラウマがあった。ある日、雛子は緑朗といるときに他の人間には見えない“死者”が事故を引き起こす異様な交通事故現場を目撃する。
同じ交通事故を目撃していた高校一年生15歳の美少女・周防馨は裕福だが愛のない家庭に幻滅して夜の街を徘徊する日々。彼女は霊を見る力があり、この数日で、幽霊ではないゾンビのような“死者”が増殖していることに気づいていた。偶然雛子と知り合った馨は、雛子の背後に郁央が守護霊のように付いていること、そして雛子もまた実は霊が見えていることを知り、この現象について解明するべく雛子と協力、糸口を求めて郁央の実家に向かうがそこで恐ろしい事件が起こり・・・。
鍵を握るのは自殺したヴィジュアル系バンドCRISISのボーカリスト・チェシャ(本名:草薙巽)中性的な魅力が売りだった彼の書いた曲「妖都」の歌詞に込められた予言とは・・・?
再読だけどやっぱり面白くてぐいぐい読んでしまった。一応雛子と馨を中心に物語は進むがチェシャのバンドメンバーや、緑朗のバンドメンバー、少年時代のチェシャを診察した医師、その息子でチェシャの遺体を検屍した監察医、彼等に絡んでくる裏社会のボス的人物、その他、ふつうの市井のひとびとが魔都と化した東京で死者に襲われ自らも死者となり、次第に群像劇の様相を呈してくる。
キモになるのはやはり、チェシャの正体と雛子との関係で、このあたりの展開は凄まじい。両性具有者の出てくる物語はいくつもあるだろうけど、ありそうでなかったこの発想。そしてこの単行本が出たのは1997年、まだ1999年のノストラダムスの予言が実現する可能性がゼロじゃないと思われてた時代の、世紀末感が物語全体を支配している。
終盤ようやく登場する洋と悟と死者犬のクドの物語の続きはもっと読みたいような気がしたけれど、少しの希望を残しつつ混沌のまま全ては終わってしまう。
この文庫の解説者・石堂藍は「オープンエンディング」という言葉を使っていたけれど(そして作者本人はインタビューで「アンチ・クライマックス」という言葉を使っているようだけれど)個人的には講談社文庫版の佐藤嗣麻子の解説「広げた風呂敷を畳まない」がやっぱり一番しっくりくるかも。そしてやっぱり今も津原泰水は『妖都』で広げた風呂敷を畳み続けているのだと思う。 -
作者の津原泰水氏がTwitterで
「俺の小説が政治的でなかっことがあるか」
とネトウヨに返答をしたことを記憶している。
不慮の事故や自殺が多発する東京に「死者」が増殖する。霊ではなく生けるものを死へと導き「死者」は更に数を増やす。彼らを統べるチェシャが東京を妖都として再生しようとする。
「死者」はある種の能力あるいは感受性のある者にしか見えない。
これは1997年に書かれた小説だが、2020年の日本にも当て嵌まるだろう。
目に見えないcovid-19が蔓延り、政治体制はおよそ民主主義から遠ざかり1人の政治家が日本を破壊している。
大部分は「普通の日本人」として生活しているようにみえるが本性は暗部をもち彼を根拠なく熱烈に支持する。いわゆるネトウヨだ。
ネトウヨは、本作の「死者」のような存在であり、普通の生活では見抜けない。ある種の感受性と理性があるものしか見えない。
「妖都」の描いた世界と2020年の日本が妙に重なると思うのは私だけだろうか。
確たる未来は期待できない、日本も妖都も。 -
圧倒的なまでの90年代の香りを醸し出す作品。
バブル期日本の思想が無く、目的もなく、ひたすら周りよりいかにイケてるかという軽薄なかっこよさと同時に存在する虚無感と死への誘い。
岡崎京子のリバーズエッジや岩井俊二のリリィ・シュシュのすべてを思い出さずにはいられなかった。
解説でラストがオープンエンドであることに触れられていたが、エヴァにしろ何にしろこの時代の作品はオープンエンドが多い。結局目指すべき方向性とその基となる思想を失っていた時代なのだからきっちりとした結末を用意できない事は仕方がない。
心地よいナルシシズムと表裏一体の自己破壊願望を存分に堪能しつつも、やはり時代と寝た作品でもあると思った。 -
久しぶりに津原の世界に浸りたくなって年末からちまちま読んでいた。文体の妙も然ることながら、自在に繰り広げられる妖しい世界と、深い人間味と硬質な駒っぽさを併せ持つ登場人物たちが本当に魅力的だった。
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面白かった!
キャラクターに魅力あって、苦しいんだけど、面白かったなぁ。
チェシャは今見てるテレビ番組のアヴちゃんを想像してしまった。 -
幽霊でもゾンビでもない、普通には見えない「死者」に徐々に侵略される東京。主人公と仲間が、その秘密を解き明かしていくのですが、ちょっと物足りない終わり方...
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結局のところ、ラストを受け入れられるかどうかで、この物語の評価が変わるのではないでしょうか。
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『娯楽』★★★☆☆ 6
【詩情】★★★★★ 15
【整合】★★★☆☆ 9
『意外』★★★★☆ 8
「人物」★★★★☆ 4
「可読」★★★☆☆ 3
「作家」★★★★☆ 4
【尖鋭】★★★★☆ 12
『奥行』★★★★★ 10
『印象』★★★☆☆ 6
《総合》77 B+
著者プロフィール
津原泰水の作品
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感想 :

コアなファンが多いんだと思います
私もこの作品はわかんなかったけど
ちょっと読みたいもん
コアなファンが多いんだと思います
私もこの作品はわかんなかったけど
ちょっと読みたいもん
現代ホラーを知るための100冊を
図書館にあるのを順番に借りてるんです
古いから 無かったり 文庫化されていないものは パスして...
現代ホラーを知るための100冊を
図書館にあるのを順番に借りてるんです
古いから 無かったり 文庫化されていないものは パスして読んでます
だからまだ続くんです
でも 何人か未読作家さんを読んで
惹かれる方もいたので良かったです