ゲームの王国 上 (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2019年12月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784150314057

作品紹介・あらすじ

百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する……まるで「ゲーム」のように。規格外のSF巨篇!

みんなの感想まとめ

物語は、少女と少年の視点を通して、カンボジアの歴史の中で繰り広げられる不条理な現実を描いています。登場人物たちはフランクに描かれているため、重苦しさは少なく、読者は彼らの関係性や成長を楽しむことができ...

感想・レビュー・書評

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  • 小川哲さん「ゲームの王国」上巻
    自分にとって初読みの作家さん。
    直木賞受賞作「地図と拳」と山本周五郎賞受賞作「ゲームの王国」。どっちを読もうか迷ってまず此方の作品から読んでみることに。

    作品の感想は下巻を読み終えてからにしたいので下巻の方に書きたいと思う。
    自分がカンボジアの歴史に疎かったため、スマホで検索し史学の知識を入れながらの読書になっている。そのため読むスピードがなかなか上がらないまま上巻読了に至ってしまった。
    史実をベースに描かれている作品なので下巻でもしっかりと調べながら読み進めたいと思っている。
    ただ作品は登場人物達がかなりフランクに描かれているため重苦しさはそこまで感じない。登場人物が凄く多い作品で、更に死んでしまう人物も多いのでしっかりと読んでいかないと把握しにくい。
    上巻読了時ではタイトルの「ゲームの王国」とは何なのか?全体的に物語が漠然としすぎているが下巻で筋が見え明らかになっていく事なのだろう。

    そして主人公の2人、ソリアとムイタックの関係も見所だ。どういう展開が用意されているのか楽しんで読んでいきたいと思う。

  • 重厚な小説。
    重厚すぎて、過去に図書館で借りて挫折、文庫本買って積読本、この度オーディブルで読むが、途切れ途切れ1月以上かかりやっと上巻読了…

    カンポジアの現代史やポル・ポトについてはあまりよく知らなかったので、衝撃を受けました。

    しかし、耳からだとなかなか名前が覚えられなかった笑

    下巻につづく

    ♫The game/Echo & The Bunnymen(1987)

  • 小川哲さんの頭の中、どうなっとるんや。
    めちゃくちゃなキャラ設定とめちゃくちゃな史実の組み合わせで物語を作ってしまってる。

    ポル・ポトの名前は知ってたけれど、カンボジアの凄惨な政治については、ほとんど興味を持ったことかなかった。
    これが史実とは、ひどいな。

    人間がゴキブリみたいに処刑されてる。

    綱引きチャンピオンのマットレスの思考が「綱引き」だったのが、いつの間にかソリアの思考がマットレスの思考になっていたのが印象的。洗脳だね。

    思考実験の塊小説。

    人間に自由意思は存在しない。

  • シハヌークからロンノル、そして革命により誕生したポルポト政権。
    移りゆくカンボジアの情勢を史実とフィクションを混えて描かれた作品。

    これスゴい、、
    まだ上巻だけど、めちゃくちゃ読み応えあって引き込まれた。

    ポルポト政権って言葉は聞いた事あったけど、無知で詳しい事は全く知らなかった。
    歴史に残る独裁政治家。
    だけどこれって1970年代の話で、そんなに昔ではないという事が衝撃だった。
    凄惨で痛ましい描写にゾッとしながらも、混じえられた個性的なキャラの魅力にクスっと和まされたり、嫌になる事なく夢中で読み終えた。

    上巻の話の軸になってたソリヤとムイタック。
    2人のこの先が気になる。
    下巻が楽しみ!!

    • 1Q84O1さん
      mihiroさーん、こちらでもこんばんは♪
      小川さんだ…
      小川さんだ…
      小川さんだ…
      mihiroさん、ごめんなさいm(_ _;)m
      過去に...
      mihiroさーん、こちらでもこんばんは♪
      小川さんだ…
      小川さんだ…
      小川さんだ…
      mihiroさん、ごめんなさいm(_ _;)m
      過去に小川さんを二作読んで合わなかったのかな…
      ちょっと苦手意識がw
      mihiroさんは高評価で良かったです^_^
      下巻も楽しんでくださーい(≧∇≦)b
      2023/08/02
    • mihiroさん
      1Qさ〜ん、こちらでも(≧∀≦)
      小川さんです〜笑
      1Qさんがちょっと合わなかったかもの小川さんです笑
      私も苦手かな〜と思ってたんですが、歴...
      1Qさ〜ん、こちらでも(≧∀≦)
      小川さんです〜笑
      1Qさんがちょっと合わなかったかもの小川さんです笑
      私も苦手かな〜と思ってたんですが、歴史物好きなのもあってかこの本は私には面白かったです!
      だけど文章、難しくて〜(^_^;)
      何度も読み返して1週間以上読むのにかかりました(〜 ̄▽ ̄)〜
      下巻もとろとろ頑張ります〜〜
      2023/08/03
  • カンボジアのポルポト政権下を舞台とした冒険小説。
    SF作品として数々の賞を受賞しているが、上巻ではSF的な話はあまりない。

    ポルポト、クメールルージュといえば、映画『キリングフィールド』が有名であるが、それを文章化した本といえばわかりやすいだろうか。

    原始的な生活を至上とし、数多くの知識人を虐殺したポルポト政権下のカンボジア。
    そのような状況のなかで生き抜く二人の少年少女。
    二人の生きざまには手に汗握るものがあった。

  • カンボジアの歴史を知らずに読んで、時折史実を検索しながら読んだ。凄惨な拷問シーンもあり、人間は他者にこんな酷いことができる生き物なのかと暗澹たる気分になる。登場人物がわからなくなり、戻って読み直したり確認しながらじっくり読んだ。下巻を買いに行くぞ!

  • 「日本SF大賞受賞作品」という帯のタイトルに惹かれて買った。久しぶりにSF、日本のSF物を読みたくなったのも手に取った理由の一つ。
    読み始めるとカンボジアの革命の話から始まった。「え?歴史物なの?」と戸惑いながら読み進めるとこれが面白い。登場人物も多くそれぞれの物語が交差しながら話が展開していく。SF?なのかな?と思いつつ下巻の展開がとても楽しみ。

  • 政治とは何か? 正義とは何か? 思想とは何か? 思考とは何か? 生き残ることと勝つことは同義なのか?

    強者が弱者に、弱者が強者に、一瞬で替わる時代。

    本当の強さとは何か? 答えは存在するのか?

    すべてが混沌と暗澹に包まれた世界。

  • 一瞬、映画「キリングフィールド」を思い出したが、史実にフィクションが上手く融合されていて実に面白い(笑える、という意味ではなく、登場人物のストーリーや出来事が色々とぶっ飛んでいる)。通勤電車の時間があっという間に過ぎた。ただいま下巻進行中。主人公の2人の運命がこれからどうなるんだろう。

  • シハヌーク〜ロン・ノル〜ポル・ポト。時代背景は大虐殺があったカンボジア激動期。理想の王国の建設、渦巻く知略謀略、特殊能力を持った子どもたち…なるほど、後の「地図と拳」「君のクイズ」の原点とも言えるような要素があちこちに見受けられ、引き込まれた。上巻はSFというより歴史小説。

  • 舞台は1956年~1978年、フランスから独立後混乱が続くカンボジア。独裁、圧政、汚職、腐敗、秘密警察、密告、処刑。元国王・国家元首シアヌーク独裁下の状況は、ロン・ノルがクーデターで政権を奪っても変わらなかった。デタラメな政府の転覆を目指した共産主義革命勢力クメール・ルージュの首魁サルト・サル(ポル・ポト)は、秘密警察の手を逃れ、民衆の不満を背景に革命を成功させたが、トップに立った途端疑心暗鬼に駆られ、以前にもまして強烈な恐怖政治を始める。

    乱れに乱れた政治に翻弄され、死と隣り合わせの生活を強いられるカンボジアの人々。反政府の噂を立てられただけで簡単に処刑されてしまう恐怖は人々に不満を募らせる。

    こんな厳しい時代、本書に登場する若者たちは、何故か異能者ばかり。田舎村ロベープレンソンの超秀才少年ムイタック、プノンペンの孤児(実はポル・ポトの娘?)で他人の嘘を見抜く超秀才少女ソリヤ、土と言葉を交わし土に命令もできる少年プク(泥)、輪ゴムと会話でき村人の死を予言するクワン(輪ゴム)、13年間喋らず突然美声で歌い出したソングムスターのリラ(鉄板)等々。そういえば、綱引きの神が宿るマットレスという大人も出てくる。

    彼ら彼女らは、ポル・ポト政権の内部或いは外部から政権に対抗していこうとする。

    これって、史実をベースとした革命ドラマ? それともオカルトチックなファンタジー? 上巻を読んだだけでは先が全く見えない。唯一ハッキリしたのは、ポル・ポト政権打倒という志を同じくしながらも、深い遺恨を残したムイタックとソリヤが鋭く対立していくであろうということ。

    下巻が楽しみ。

  • 「地図と拳」で直木賞を受賞した小川哲さんのデビュー2作目の長編小説の上巻。地図と拳がしばらく図書館からまわってくる気配がないため、代わりにと読み始めた本書。無我夢中で読むとはこのこと。久しぶりに没頭してしまうくらい面白かった。

    本書上巻は、1956年〜1978年のカンボジアが舞台。SFという触れ込みだったはずだが、歴史小説さながら。共産主義の革命軍クメール・ルージュやポル・ポトが、カンボジアに地獄をもたらしていた時代。その時代に生まれた、論理とゲーム攻略の天才少年ムイタックと、ポル・ポトの血を引きながらも彼が作った現政権を倒しゲームのルールごと作り変えようと政治家を目指す少女ソリヤ。この二人が主人公。

    この上巻では、主人公たちが生まれ育ち、大変な政治的混乱のなか、それぞれがサバイブし、そのなかでそれぞれの大切な人たちを政府に奪われてゆく様子が描かれている。酷い。カンボジアの歴史はなんとなくしか知らなかったから、調べながら読んだ。こんな酷かったなんで。知識人は殺され、革命軍に反抗する人は殺され、やがては疑心暗鬼になった政府に、なんでもなくても殺される。まさに大量虐殺。殺されなかったとしても、ひどい待遇での強制労働のせいで、飢えや病気で死ぬ人が続出した。史実では、170万人もの人が亡くなったらしい。

    カンボジアではある世代以上の人があまりいないと聞いたことがある。物語の中でも、重要そうな登場人物たちでさえ、あっけなく死んでいく。のどかな農村の村人たちがかつて送っていた生活との対比がエグい。農村ののどかさや人の死や村人の不思議なチカラは、少しだけ、最近読んだ「百年の孤独」を彷彿とする(そちらはジェノサイドはないのだが)。

    でもこちらはリアルな歴史で、たったの50〜70年前のことなのだ。現役の世代の人達が、今も生きている。今の50代以上のカンボジア人は、家族や友人などのごく親しい人達を、理不尽に亡くすという経験をしているということだ。この小説を読んでいなかったらそれを実感できなかったな。たまにこんな感じで小説は、自分の無知や想像力の不足を補ってくれる。読んでよかった。

    まあとはいえ、この本の最大の魅力は歴史的知識を得られるところではない。隅から隅までずっとストーリーテリングが最高に面白い。この物語はどう終焉していくのだ?

    大切な人を目の前で次々と殺され、自分にも危機が及んでいる瞬間。主人公の脳裏に平和な時代の何気ない日々の記憶がよぎるシーンが印象的だった:

    (引用、p.443)
    「(省略)頭に浮かぶのはそんなガラクタばかりだ。なんの意味もない。だが、自分が忘れてしまえば、世界にそういった瞬間が存在していたという事実は、永久に消え去ってしまうのだ。
    (中略)前進するということは、遠くの光を見つけることではない。どれだけ前進しても、暗闇の向こうに光が見えることはない。前進するということは、暗闇の向こうに何かがあることを知ることだ。何か自分の知らない空間がある。それを知る。
    そしてそれがすべてだ。」

    ここで生まれた強い気持ちが、下巻でどのような展開を生むのか。下巻が楽しみ。

  • 面白いと言えるかどうかはまだ分からない。それでもこの『ゲームの王国』が持つただものでない雰囲気は、上巻序盤で伝わってきます。ゲームなんかをやっていると、バトルの時のBGMの入りで「これヤバイやつや……」となるのですが、そんな印象を受けます。

    物語は1950年代から70年代のカンボジアが舞台。権力者や警察による弾圧的な政治や捜査が横行する時代。革命を目指す地下組織クメール・ルージュが活動する一方で、
    彼らを追いかける秘密警察は、一般市民に対しても理不尽な捜査や拘留、そして拷問すらためらいなく行い、自分たちの都合の良いように調書を作り上げます。その秘密警察によって、育ての親を殺されるソリヤという少女。

    同じくカンボジアの小さな集落。常人には理解できない言動で、親をはじめ村人たちからも気味悪がられながらも、独自の生活リズムを崩さない少年のムイタック。そのムイタックの才能を、村で唯一勘づいているムイタックの兄、ティウン。

    彼らが運命の邂逅を果たしたその日。革命が起こり政府は倒され、クメール・ルージュが新たに権力を握ります。理想の共産国家を目指す彼らは、その思想の元、国民に新たな生活を強いるのですが……

    このクメール・ルージュの支配下の描写がえげつない……。自分たちに牙を向ける可能性のある一般の知識人たちをまず粛正し、その後、組織に刃向かうそぶりを見せた者、組織の思想に合わない者も処刑。
    結果、誰もが密告を恐れ、疑心暗鬼となりクメール・ルージュ内でも、幹部たちによる密告合戦の様相を呈しはじめ、一方で誰もが処刑を恐れ、失敗や間違いを公に認められなくなり……

    一方でムイタックたちは独自のルールを作りクメール・ルージュの支配下でも理想郷を作ろうとするのですが、それも上手くいかず……。

    この二つの例から、統治された組織、そして国家まで作るのはいかに困難か、というのが現われているように思います。ムイタックは作中でルールには二種類あると語り、ルールそれ自体と、ルールを縛るルールがあるとしています。

    例えば憲法なら、憲法の条文それ自体がルールであり、そもそも憲法は守らなければいけない、という前提であったり、あるいは、国民投票なんかで憲法を改正してもいい、というのがルールを縛るルールということなのだと思うのだけど、
    それをムイタックはゲームのルールになぞらえつつ、国や革命を見通していきます。この辺の論理がだいぶ面白かった。

    一方でソリヤは、正義を遂行しカンボジアを変えるため権力を指向するようになっていきます。そしてその道は、捨てるもの、諦めるものを選択する道でもあり……

    カンボジアというあまり見ない舞台設定に加え、統制される思想と運命や暴力に屈し、不条理に倒れる人々と、物語は暗く重く、そして話の流れもなかなか見えてこないので、読むのはやや苦労しました。

    しかし最初に書いたように、物語全体に漂うただものでない雰囲気に飲まれ、いつの間にか、歴史と思想、虚実入り乱れる壮大な物語に憑かれてしまったようにも思います。

    こんな重たい話でありながらも、ところどころブラックユーモアというか、下品なネタに、頭の中で常に綱引きする男。土と会話し操れる男。百発百中のゴム占いをする少年と、とんでも要素を物語の一部に組み込んで、そしてなぜか成立させてしまうあたりが、また不思議で仕方ない。これも『ゲームの王国』が持つ物語の力なのかも。

    そしてここまでの壮大かつ壮絶な物語がある意味で、上巻ラストの前フリにすぎないという事実にも、また末恐ろしい気持ちがします。

    凄い物語と、面白い物語は、自分の中で必ずしも一致するわけではありません。だから、上巻読み終えた時点では面白いとは、言い切れないのだけど、この『ゲームの王国』は凄い小説、ヤバイ小説、とんでもない小説なのは、まず間違いないと思います。

    第38回日本SF大賞
    第31回山本周五郎賞

  • 舞台は1956年〜1978年のカンボジア。ポル・ポト率いるクメール・ルージュの誕生から支配までを背景に、一市民や秘密警察官、クメール・ルージュ幹部など視点を変えながら、その時代を描く。

    クメール・ルージュのことは概要しか知らなかったものの、著者がまるでこの土地、この時代を生き自身の目で見たのではないかと思うほど情景が精緻に描かれており、殺戮や拷問などのおぞましいシーンがありつつも(とはいえそれほど長くもない)、引き込まれるように読んだ。

    中には、輪ゴムで未来を予知する村人や、泥を操れる村人など特殊能力を持った人物も出てくるが、さほど物語に重大な影響を及ぼすのでもなく、個人的には余計に感じてしまった。本の紹介にSFとはあるものの、SFと呼べそうな要素は上巻を読んだ限りではこれくらいで、歴史小説という方が近い。

    一方で、下巻は少し開いて見た限りではだいぶ雰囲気が変わりそうな感じもする。引き続き期待。

  • 50年前のカンボジア。
    共産主義革命前夜の秘密警察の暗躍と、革命後のクメール・ルージュによる数々の虐殺の時代。

    クメール・ルージュのやり方に疑問を覚え、ロベーブレソンに理想郷を作ろうとしたフオン。
    フオンの目論見を利用し、元秘密警察のラディが力を持ち始める…

    孤児であり、ポル・ポトの娘・ソリアもまたクメール・ルージュの疑問を覚える。

    そして、ロベーブレソンは…
    ムイタックは…

    なかなか長かった…
    特に前半は、登場人物が多すぎて。
    それぞれの視点からの話で…
    ようやく登場人物が交わり始め、話が動き始める。
    そこからは、怒涛の展開で進み始める。

    ポル・ポト時代のカンボジア。
    共産主義とはいいながらの恐怖政治。
    ポル・ポトの登場はほぼないが…

    ソリアはマットレスとともに、ポル・ポトを倒すことができるのだろうか…
    ムイタックは…

  • 思いっきり歴史ものでどこにSF要素があるの?という感じですが、読み応えがあって面白いです。この後どうなるんだろう、、

  • 全編にわたって著者の初期衝動が爆ぜまくっていて、一気に読みました。

    昔、仕事でポルポトやクメールルージュのことをかなり調べました。

    資料的な理解が進めば進むほど、理解の本質からは遠のく違和感がずっとあった。こういう時代だったとは頭でわかる。けれど、人々の息遣いや、緊張感や、死は、どうしても質量を伴って身体に落ちてこなかった。

    あのとき、この本が世の中にあったら良かった。

    いつだって、胸を刺すのは誰かの人生の物語。

    多くの生きる喜び、死への痛みに刺され続けた上巻でした。

    下巻も楽しみです。

  • 歴史に飲まれていく様子に引き込まれた。特に終盤には、奇跡を願いたい場面もたくさんあったが、それは史実が許してくれないだろう、、と感じながら読んだ。最後のムイタックとソリヤの再会が悲しすぎた。下巻はどうなるのだろうか見届けたい。

  • 胸が詰まる怒涛の展開。
    共産主義のイデオロギー暴走をつぶさに描いておる。
    奇抜なキャラ多いけど、何か絶対的なものに縋って生き抜くしかない人間の脆さをひしひしと感じる。

    では下巻へ。

  • 登場人物が多いので、何度もこの人誰だっけと説明を見返し、えっこの人が死んでしまうのと恐れ慄きながら読んでいました。

    戦後のカンボジアの歴史やカンボジア難民については覚えていたようで覚えていなくて、今更ながらクメール・ルージュとかポル・ポトについて調べ直したりしながら手に汗握って読みました。

    いつの時代も結社や宗教には内ゲバや粛正があり、その中を命をかけて逞しく生きて行く登場人物に感情移入しながら読んでいました。

    シリアスな話にも関わらず、ところどころ超能力を持つ人物がいたりしてそこも面白かったな。

    自分がこの時代のカンボジアに生きていたらあっという間に殺されていたなと思いながら、この時代の理不尽かつ狂気に満ちた殺戮に怒りを覚えたのに、現実世界で起きている同様の出来事には完全な他人事と受け止めていた自分自身に気づいてなんとも言えない気持ちにもなりました。

    正しい考えが正しい結果を生むわけではない。政治とは正しい考えを競うゲームではなく、正しい結果を導くゲームだ。

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年『ユートロニカのこちら側』で、「ハヤカワSFコンテスト大賞」を受賞し、デビュー。17年『ゲームの王国』で、「山本周五郎賞」「日本SF大賞」を受賞。22年『君のクイズ』で、「日本推理作家協会賞」長編および連作短編集部門を受賞。23年『地図と拳』で、「直木賞」を受賞する。

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