ゲームの王国 下 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
4.08
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本棚登録 : 121
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150314064

作品紹介・あらすじ

百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する……まるで「ゲーム」のように。規格外のSF巨篇!

感想・レビュー・書評

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  • 上巻から50年後2020年代のカンボジアを描いた本書。

    本書からはかなりSF的要素が満載だが、いまいち著者がなにを言いたいのかわからなかった。

    主人公である二人の少年少女はもう初老の時期に入り、少女は政治家を目指してカンボジアの政権を取ろうとし、少年は研究の世界で名前をなす。

    最終的に二人がたどり着く世界は一体どうなってしまうのか。

  •  この下巻では上巻の終わりまでに描かれていた時代から50年余りの時間が経過している。上巻では史実に基づいた部分と絡めて流れ行く時代の奔流の中で奮闘する二人の天才少年、少女の物語が時系列に沿って展開していた。打って変わって、下巻では時代的には近未来に位置しており、テクノロジーが発達しているが、政治、社会は不正がはびこるディストピア的世界観の中で進行していく。ムイタックとソリヤのゲーム対決は時を経ても続いており、次第に人生の目的自体はこの対決のためでありそれ自体が人生であったと気づく。
     下巻で登場する「ブラクション・ゲーム」は上巻でムイタックたちが考案した、楽しむこと自体がゲームの構造に組み込まれているという新たなゲームの概念の定義が形をとったものだ。最後に二人が対決するのはこのゲーム上で展開され、地味になりがちな頭脳戦がアクションシーンとして派手に描かれている。またこのゲームの構造によってプレイヤーに自然と記憶の刷り込みができるというアイデアも示唆的で興味深かった。唯一不可解な、登場人物たちの持つ突飛すぎる超常的能力の描写は、この小説を構成する文章自体がブラクション・ゲームをプレイし、ムイタックの記憶を追体験した際の脳波、P120から文書生成アルゴリズムによって出力されたものなので、記憶の細部が現在の主観によって書き換わっているというメタフィクション的要素によるものなのではないかと思った。

  • 半世紀後の近未来に舞台を移し、政権奪取を誓うソリヤとゲーム開発に勤しむムイタックの対比が描かれる。上巻とは別物のジャンルで、SF・脳科学・社会問題と色々盛り込まれており興味深いが、舞台装置の華々しさに反し、人間ドラマの書き込みが圧倒的に不足しており、上巻との温度差に少々落胆。奇人変人の生態より二人の再戦に至る迄のカタルシスを味わいたかった。物語を小さく畳むにせよ、もっと盛り上げようはあった様に思うが、そういったエンタメ性は著者の意向に反していそうな印象。短編の方が純粋に設定や世界観を楽しめそうな気がした。

  • 上下巻纏めて。
    カンボジアを舞台にした壮大な物語。ジャンルとしてはSFになっているのだろうが、そういうカテゴリーを超えた、ただただ面白い本を読んだという気分だった。良かった。

  • 上巻から時が流れたカンボジア。
    下巻は上巻での陰気な描写はなく、主人公達が半世紀のときを越え、それぞれの想いを胸にそれぞれの道を目指し奔走。
    描写が緻密、緻密。ただし、緻密すぎて、解釈に頭を使うことで、ときおり集中力が途絶え、眠気が襲うことも。
    ただし、物語後半で判明する「ゲームの王国」の意味。
    ムイタックとソリヤ。二人のあの描写は生き生きと読めて、何となく嬉しかった。

  • どの神を信じるのか、何を喜びとするのか。

    上下巻では、時代も展開も全くと言っていいほど違うため、
    少し混乱するけど、書かれていることは、
    冒頭の一文に集約されるのかと。

    頭の中がいろんな角度から揺さぶられる、
    面白いシリーズでした。

  • 革命時期のカンボジアを舞台とした物語。SFという感じがしてくるのはこの下巻の途中から。
    史実ベースの話であることは感じていたが、サロト・サルなど実在した人物が登場していたとは、巻末の参考文献集を読むまで恥ずかしながら知らなかった。
    どこまでがフィクションで、どこまでがノンフィクションなのか、理解して読むには知識や教養がいるなあと感じた。
    話の内容に関しては、登場人物の数や時間が飛び回るのでかなり混乱する。というか下巻の始まりからして上巻から50年後である。
    あと科学完全度外視の魔法じみた現象が複数登場するので合わない人は合わないかも。

  • すごい。世界観が特殊なのにのめり込んで読んでしまう。シャンタラムを読んだときのように別の世界に入った感じがした。

  • 変な感想になるが、面白かったが細部はよく分からなかったと言うのが正直なところだ。
    人物の絡みについては分かり易いが、脳波や「チャンドゥグ」と言うゲームについてはオボロゲにしか分からなかった。
    話の展開の雰囲気で楽しめた。

  • 上巻のポルポト政権へいたる歴史パートが素晴らし過ぎたため、下巻へのハードルが上がってしまって星4つ。ですが、ゲームの着想は秀逸。

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