- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150314286
作品紹介・あらすじ
図書新聞再刊を任された浩二と蛍は、本を通じ、生徒や教師が抱える秘密、そして過去に高校で起きた自殺事件の謎に迫ることになる
感想・レビュー・書評
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僕こと荒坂浩二は、消去法で選んだ図書委員になり、委員会の自己紹介で、「好きな本はありません」と一人だけ書名を答えなかったことから、司書の河合先生から逆に適任とされ、図書新聞の編集委員に任命されてしまいます。
同じ二年六組のものすごい読書家の藤生蛍も一緒に任命されます。
趣旨は「読書をしない荒坂君に本に興味がない人も手に取ってもらえるような新聞を作ってもらいたい」ということです。
僕と蛍は読書感想文を書いてもらえる人を校内で探します。
そして40代で、白木台高校に通算20年勤務する、生物教師の樋崎先生が、安部公房の『壁』という短編集に入っている『赤い繭』の感想を、美術部の緑川先輩がヘルマン・ヘッセの『少年の日の思い出』を、同級生でオーストラリアからの留学生のアリシアが好きな八重樫徹が、森鴎外の『舞姫』の感想を書いてくれることになるまでが前半のストーリーです。
後半は樋崎先生の謎めいた行動と、校内に伝わる18年前、樋崎が最初に白木台高校を去った時に自殺未遂をした女生徒の噂話。
蛍に対する女子生徒らのいじめ。
そして、事件に対する僕の推理です。
美大志望でもないのに、なぜか絵の色彩感覚が非常に優れている、僕の特殊能力がどういうものなのかが、明らかになります。
そして、僕がなぜ本を読むのが嫌いなのか、本当の理由が明かされます。
最後はネタバレになりますが、ハッピーエンドです。
ただ、この本で一番多く出てくる安部公房の『赤い繭』は私は未読ですが、私は読みたいとはあまり思えない本でした。
ビブリオミステリーが好きなので、これからも続刊がでないかなあと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
既視感ならぬ既読感あり。《ビブリア古書堂》シリーズ+《古典部》シリーズ。あと「共感覚」が出てくるところは、《天才月澪彩葉の精神病質学研究ノート》も入っているのかな。高校が舞台になっていて、主人公の男の子は折木奉太郎+五浦大輔。女の子のほうは、千反田えるを篠川栞子に置き換えたような感じ。あと《BIS ビブリオバトル部》シリーズの伏木空も少々入ってるか。
ミステリー要素のある青春小説といえる。本好きの若い人にはおススメできるが、やはり「どこかで読んだぞ」感がぬぐえない。本(特に小説)の読みすぎなのか(?)、新鮮な感動を得られなくなってきた。少し悲しい。 -
読んだ事のない著者、ライトノベルっぽい装丁。チョット腰が引けたけれど、このところ動画配信に捕まって読書量が著しく落ちていたので、もしかしたら何かヒントをもらえるかと読んでみた。
読書ってなんだ、何のために読むのだ?
私も時折そんな事を思う。
タレントで読書家として有名な男性が亡くなったとき、いったい彼は何を残したのだろう、読書に費やした時間で何を得たのだろう?
死んでしまったら何の意味もないのではないかなどと。
「読書はいつか訪れるかもしれない未来をシミュレートできる」
本書の中でそう語っていた。
それもひとつか。
読書は人格を高めたり、人間性を豊かにしたり深くしたりとよく言われるけれど本当なのだろうか。
読書をしないことによる弊害を具体的に教えて欲しいな。
本書、その内容はタイトルからは連想できない学園物ミステリーでした。
読書嫌いな主人公と彼と行動を共にすることとなる本の虫の女子。
彼らは図書委員として学校新聞の復活に動くことになるが、そこに浮かんでくるひとつの事件、生徒の自殺未遂事件、に突き当たる。
高校生活にありがちな日常と青春が謎解きに絡んでくる。
ふと目に止まった生徒のイジメの上履き隠しが、過去の自殺未遂事件の関係者である教師の胸の内にある暗い記憶を蘇らせ秘密を隠し続けることの苦しさを増加させる。その苦しみから逃れたくなった姜氏はある行動をとる。
彼の行動、そしてかつて主人公が遭遇した絵画紛失事件が謎解きの端緒となる。
主人公の読書嫌いも伏線となっていて、読書嫌いの原因である彼の特異な能力も謎の解明に一役かっているのが面白い。
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どうして人は本を読むのか…本は予言の書だ。
…というくだりで、うんうんジュール・ヴェルヌとかドラえもん的なね!と頷いていたら違うかった。
そうか、人生のシミュレーション的な意味でか。
読書が嫌いなのに暇だろうと言う理由で図書委員になった高校生男子が、本嫌いを理由に読書新聞を編集することに。本の虫の同級生女子と活動をはじめるが、感想文を依頼したり読んだりしているなかで、「ナゾトキ」をしていくことになる。
最初はさめているように見えた主人公にイラリとしてしまったのだけど、二人の「ナゾトキ」がすすむにつれ、物語の登場人物とはいえ切り取った一面しか見ていなかったことに反省。
作中に出てくる小説やモチーフはだいたい繭が出てくる。ネタバレしてしまったものもあるんだけど、ストーリー上避けれないのと、ほとんど教科書掲載作品なので、たぶんセーフ。
この夏は安部公房の作品を読んで悪夢にうなされてみようか。
読書嫌いの人がどんなとこが苦手なのかも垣間見れた。
なんとなくだけど、生物の先生は盛口満先生に触発されたのかな?と思った。タヌキの皮的に。
司書としては、学校図書館って言って欲しいけど、図書室という言葉の響きにノスタルジーを感じるのを認めるのは、やぶさかではない。
先生ではなくて、師匠…違った司書と呼んで欲しいなあとかね。
続編が出たら、また読みたいな! -
すごく惹き付けられる小説でした。登場人物達も個性的な部分もあったけど、なんか影がある所も描かれていて…ちょっと泣きそうになりました。
本を読むことを嫌っていた彼が…意外な行動で本の虫の彼女を巻き込み、どんどんと謎を改名していくのが好きになりました。どういう内容か表紙やあらすじでは分かりきれないぞと驚きもあります。彼は、ちゃんと感想文をもらえるのか!?と私もドキドキでした。
表紙で面白そうかな?と選んだ本が、かなり自分の好みでした。 -
若い読者の皆さんがどんな本を読んでいらっしゃるのか、興味はそこに在って、読み始めてみるとそこそこハマりました。
いわゆる「学校の怪談」ネタなのですが、図書委員のお二人と生物の先生が、ヘッセ、鴎外、安部公房の小説の周りで、「謎と推理」の世界をつくるわけで、三人のキャラにもシラケなかった。感想はブログに書きました。できればお読みください。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202007150000/ -
読書嫌いというのは、なんとなく理解できます。
自分が読書好きになったのは16歳になった時です。それまでは一冊も読まなかったし、むしろ本なんて退屈なもの読む必要無いだろうと思っていました。
それ以降は空気のように本を必要としている人生になりましたが、本を退屈だと思う人の気持ちも分からないでもないのです。
この本は読書が体に合わないと感じている男子が、暇そうだからと図書委員に立候補する所から始まります。
ひょんな事から図書新聞の係りに任命されて困惑する主人公。そこへ救世主として登場するのが活字中毒の少女です。
2人は読書感想文を生徒や教師に依頼するごとに、ちょっとした謎に突き当たります。彼らは謎を解き、図書新聞を完成させることが出来るのでしょうか。
いわゆる平和な事件が起こらないミステリーよりは、少し怪しげな雰囲気が漂っていますが、概ね平和な気持ちで読めます。
少々、この読書少女が類型的というか、モテない読書男子が居たらいいなと思い描くような女の子です(すなわち私)。そこがわくわくする所でもあり、若干の底の浅さを感じる部分でもあります。
著者プロフィール
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